辞職の理由は!?

3ヶ月ほど前、ジュエリーショップで、不要な18金アクセサリーを買い取ってくれたという話を姉から聞き、これは10年ほど前に片方を無くしたまま捨てられずにいた、お気に入りのピアスを処分する時がきたと覚悟を決め(?)、うすら時代遅れのネックレス1つと、ピアスのキャッチ(ピアスをしょっちゅう無くしているので、キャッチばかり余ってる)をかき集め、結果、約9gで1万4千円の臨時収入となった。ほー。


無くしたピアスは安物だったものの、石のカタチが気に入っていたため捨てる事が出来ずにいたが、お金になるなら多少は気が楽で、これで清々したぜコンチクショーだ。が、しかーし!! お約束通りの展開というか、ココロの減価償却に掛かったこの10年は何だったんだというか、暴れるぞコノヤローというか、外で無くしたとばかり思っていた片方のピアスが、年末に思いも寄らない場所からポロリと見つかり、あまりの悔しさに暫しボー然。なんで!! 今さら見つかるなよコンチクショー!!


というワケで、気分一新に2008年。元旦から4日まで、ケーブルテレビで全17話を一挙放送していたイギリスの連続ドラマ「プリズナーNo.6」を観た。吹き替え版に日本放送当時(1969年)にはカットされたシーンを字幕で補ったデジタルリマスター完全版で、1話が45分。これは活字中毒の知人・ハー氏のお勧めで興味があったのだがノベライズ版は絶版で、DVDをレンタルするのもめんどくさいのでそれっきりだった。で、どんな話なのかさっぱり知らずに観たが、これがかなり面白い。ていうか、13話までは!!


ストーリーは、諜報機関に所属する主人公が辞表を叩き付けて自宅へ戻ったところで何者かに拉致され、目が覚めるとそこはメルヘンチックな建物と、横ジマの服に3色パラソルを持つ、やたらとパレードしたがるチンドン屋のような住人が暮らす『村』。ここはどこだコンチクショーで戸惑う主人公は、ナンバー・ツーと名乗る男から「お前は今日からナンバー・シックスだぁー」と宣告され、「辞職の理由」を問い詰められるのだ。なんじゃそら!! ヒマなのかお前は!!


村のチンドン屋住人たちもどこかの組織を辞職した者たちで、従順なフリをしつつも情報を漏らす事を拒否しているらしいのだが、「どちら側の人間なのか」分からないため住人同士で結託する事はなく、ていうか、この方面では展開せずに、ひたすら主人公が「辞職の理由」を問われるだけ!! この潔さがスバラシイ。ついでに主人公の目元の掘りの深さからも目が離せない。もう、目の上にいきなり眉って感じだ。


で、喧嘩もめっぽう強い主人公は、住人に紛れたナンバー・ツーの手下をパンチ、パンチ、パーーーーンチ!! とブン殴りまくっては、島からの脱走を試みるのだが、それを阻むのが「白い大きな風船」で、どこへ逃げようとも脱走者の顔面にぺったり張り付いて失神させるのだから、恐るべしハイテク!! これは何の説明もなく海中からポコンと出現し、海から逃げようとすれば海面をスーーーーーーーーッと横移動。村で誰かが不審な動きを見せれば、大玉転がしの勢いでポコンポコンと弾みながら追いかけて来るのだ。もう大受け!!


どんな状況にも口を割らない不屈の主人公と、この技術と財力がありながら、アンタたちゃーバカなんじゃないの? な、毎回代わるナンバー・ツーのあの手この手の白状しろ作戦だけで物語は突っ走り、果たして辞職の理由は? ナンバー・ワンの正体は? なんといっても1番分からないのが、途中に出てきたスポーツ!! 2m×1mくらいの水槽を挟んで2つのトランポリンがあり、主人公とナンバー・ツーの手下がボヨンボヨンと弾みながら大マジで取っ組み合うのだ。何故にトランポリン? 何故に水槽? ちなみにどちらかが水槽に落ちたら勝負がつく。


ともかく、これは傑作間違いなしで迎えた残り4話!! 唐突に物語は迷走を始め、もはや大暴走。どうしたんだ、脚本家!!


14、15、16話とメチャクチャどうでもいい内容を適当に早送りしながら耐え凌ぎ、期待大爆発の最終話。なんと最終回までトンチンカンな内容で、残り10分、5分となっても解決の兆しもなく、最後の1分で道は開けるかも知れんという一縷の望みも空しく、相撲の取組中に背負い投げを食らい会場から猛ダッシュで逃げられた気分。


13話までは素晴らしく面白かったので、興味のある人は「1話〜13話まで限定」で是非どうぞ。