旅行11 4日目、夕食とアプサラ・ダンス・ショー

旅の4日目。8時にホテルを出る予定で、7時起床、テレビを観て、朝食を食べて、テレビを観て、身支度をして、テレビを観て、時計を見ると10時。いつの間に!! トゥクトゥク運転手たちがホテルの庭でぶらぶらと待機しているので、行きたい場所をいくつか告げて料金を確認する。1日チャーターで15US$。


自分史上最も暑い記録を日々更新中のカンボジアでは、何もかもが面倒くさくなり、前日の夕食は日本から持ってきたお菓子だけ。夜になっても気温が下がらず、食事のためだけにトゥクトゥクでどこかへ行くとか、考えただけで面倒くさい。食事抜きでいいと思うくらいに面倒くさい。


この日も面倒くさくなる暑さは間違いないので、元気な朝のうちに夕食の予約を済ませておく。地球の歩○方でチェックしていた、「アプサラ・ダンス・ショー」と、ビュッフェのディナー付き12US$の店。安っ!! 若干心配なくらい安い。予約も電話では心配なので直接店へ向かう。


■「アンコール・モンディアル」Angkor Mondial 
住) National Rd.6←新店舗(通りの名前)
時) 6:30〜9:00、11:00〜14:00、18:30〜21:00
休) 無休
カ) マスター、VISA
予) 半日前までに要予約。760875、012-320796


トゥクトゥク運転手に地図を見せ(日本語だけど)、店の近くで目印となる川や通りの名前を言ってみた。タクシー・バイクタクシー・トゥクトゥク運転手たちは、読み書きができず住所の認識もないので、通りの名前でダメなら店に電話して運転手に説明してもらおう。


観光客向けのショーを行う大型レストランなので、知っているかなと思っていたけど、運転手が店の場所は分かると言う。良かった。ホテルから最初にアンコール・モンディアルへ行き、それから観光したい寺院遺跡のエリアを確認する。運転手が任せとけ顔でバイクに跨がる。私も荷台に乗り込んで出発〜ブルンブル〜ン(バイクのエンジン音)。


・・・と、いう体勢に入ってから、振り向いた運転手が何気なくつぶやいた。「その店は場所が変わっていて、閉まっている」。えええええー!? トゥクトゥクがゆっくりと動き出し、ホテルを出ていく・・・。ちょっと待て、ちょっと待て、ちょっと待て!! 止めて、止めて、エンジン止めて。


営業していないレストランへ観光客が行ってどうする。新しい店の場所を調べなくちゃダメだ。去年の地球の歩○方を見たので、引っ越しホヤホヤなのかも知れない。朝っぱらからコンチクショーだ。取りあえず、運転手に出発を待ってもらう。ホテルにフロントがないので(手続き等は全て外の食事スペース)、部屋へ戻らないとWi-Fiが使えない。


すると、「新しい店へ行きたいのか? 」と運転手が聞いてきた。そりゃ、新しい店に行きたいよ。営業していない店には行きたくないよ。ちょっと待っていて。いま移転先を調べてくるから。運転手が新しい店の場所は分かると言う。知ってるのかよ、運転手!! 最初からそう言ってくれよ。今までの会話は何だったんだよ。もう1度「閉まっている店へ行くのか? 新しい方の店へ行くのか? 」と確認してくる。新しい方だよ、新しい方。ていうか落ち着け、私!!


  
レストランの移転先は、宿泊していたホテルから、トゥクトゥクで約2分の場所だった。こんな近くにあったとは!! 何度もこの店の前を通り過ぎていたのに気付かなかった。頼む、ホテルにパンフレットを置かせてもらうとか営業してください。


座席数をざっくり数えた感じでは、500席くらいありそう。当日の夜なので、満席だったら別の日で予約しよう。受付の男性に今夜の予約をしたいと告げると、PCやノート等の確認が一切なく、オッケー、また今夜会いましょう〜、とニッコリ。え? 予約できたの? いや〜ん、簡単に予約できて嬉しい。って、ちょっと待てコラー!! 私の名前も聞かれないし、予約の控えも何も渡されていない。料金は来店した時だと言う。


本当に予約が済んでいるのか聞くと、受付男性が大丈夫、大丈夫、と特に何もしない。口約束かよ!! 心配なのでもう1度、念を押して確認してみると、横に居たトゥクトゥク運転手も大丈夫だと笑っている。受付男性も、トゥクトゥク運転手も、日本人は心配性だなアハハハハ〜♪ みたいな顔。ホントかよ!! お前たちを信用していいのか。ともかく、カンボジア式ゆるゆるシステムにより予約はできた。


18:00
 
ホテルから同じ運転手のトゥクトゥクで店へ行き、彼は受付で一声かけて帰って行った。ちょっとちょっと、予約ができているかドキドキなんですけど!! 受付で料金を告げられたので現金で支払い、テーブル席に案内される。ふぅ、私の席があって良かった。


ステージに近い小テーブル2列が個人客用。それより後ろの席が団体客用。私の席は最前列のステージの目の前の真ん真ん中。バンザイ!! ショーは19:30からなので、この時には客席はまだガラガラだった。


19:00

各国の団体客がドドドドドドドドドーッ!! と一気に店へやってくる。超絶適当な見た目の人種バランスは、中国人350人、ロシア人50人、露以外の欧米人50人、タイ人と韓国人30人、日本人は大手旅行会社のツアー客が1グループだけで15人くらい。料理の種類は多くて、300種類くらいありそう。中国人集団が皿にてんこ盛りで根こそぎ持っていっても、次々と補充されている。ショーも観られて12ドルならかなりお得だと思う。


      
ピンボケすみません。中華料理が多い。



      




モリモリ食べながら皿に盛っている中国人。席に戻るまで待て!!




アイスキャンディーを口で確保しながら、スイカを盛る盛る中国人。落ち着け!!




エアコンはついていないので暑い。腹回りが丸出しの人も。腹はしまっとけ!!



  
こんな感じで。焼きたて、揚げたてなので嬉しい。


19:15〜20:15
ショーが始まった瞬間、50人近くの中国人たちが、カメラや携帯電話を片手にステージ前に殺到。なんだ、どうした、全然ステージが見えないんですけど!!


   
ちょっと、ちょっと、ムッカーッ!! 客席からの抗議のどよめきにも、中国人たちは写真撮り続けていて動こうとしない。傍らに人無きが若しか、中国人。自由すぎるだろう。従業員たちには見慣れた光景なのか、彼らが写真を撮り終えた頃合いを見計らって、ステージ前から離れるように促す。写真を撮り終えた彼らが、ようやくステージの端の方へ移っていく。端の方なら構わないらしい。こっちは気になるよ。


中国人たちが離れたのと入れ替わりに、青シャツの白人オヤジが、ステージ前中央に本気のかぶりつき。踊り子には手を触れないでください(古い)。 私もステージの端に行って写真を撮りたいと思ったが、空いている座席には、中国人が勝手に座ってしまうので、おちおち席を離れられやしない。


          
「アプサラ舞踊」アンコール王朝時代に生まれたとされる古典舞踊。


アプサラは乳海撹拌(※)で、かき混ぜられて乳海となった海の中から誕生した水の精。踊る天女を意味するといわれている。大地に豊かな恵みをもたらす女神として、行事や祭りなどでアプサラの舞が神々に捧げられている。ひとつひとつに意味が込められているという、しなやかな手の動きが特徴。片足立ちでリズミカルに踊り、ゆるやかに反らされる指先がとてもきれい。


(※)天地創造神話。神々と魔神アスラ(阿修羅) が、大海から不老不死の飲料アムリタを取り出そうと、大マンダラ山に大蛇(ヴァースチ) を巻きつけて、その胴体を綱として引っ張り合う。ヴィシュヌ神は大亀クールマに化身してマンダラ山を背に乗せ、撹拌の支点となってそれを助けた。かき回して乳海となった海から、アムリタが得られたという。



ドジョウすくいと、いけずな若者の恋愛を絡めたような「漁師の踊り」。



 
サスペンス劇場のような展開かと思いきや、叙事詩ラーマーヤナ」の一節。ヴィシュヌ神の化身でもあるラーマ王子が、魔王ラーヴァナにさらわれた妻シーター姫を救い出す場面。




結婚式でよく踊られるという「ココナッツダンス」。




ショーの終了後。観客がステージに上がって、出演者たちと一緒に撮影できる。



帰りはホテルまで歩いた。10分くらい。