1月鑑賞の映画

■『オーシャンズ』★★
ほとんどの時間を睡魔と戦い、途中爆睡。すごい映像とすごい映像の繋ぎで一気に眠くなる。


■『サロゲート』★★★
脳波で遠隔操作する人間そっくりのロボット“サロゲート”が普及して数年後、世界の人口の90%は自宅のベッドにいながら、ロボットが日常生活のすべてを代行する人間不在の社会となっていた。性別も年齢も自由に選べるサロゲートで若返りとモデル体型を手に入れた人々は、オペレーター(サロゲートの持ち主)と遮断する安全装置によって、あらゆる犯罪や病気を回避した生活を甘受していた。


ある夜、サロゲートの生みの親で会社を追われたキャンター博士(ジェームズ・クロムウェル) の息子が殺される事件が発生。交通事故で息子を亡くしたFBIのグリアー捜査官(ブルース・ウィリス)は、オペレーターもろともサロゲートを破壊する兵器の存在を突き止める。一方、予言者(ヴィング・レイムス) と呼ばれる男が、サロゲートのいない社会を唱え独立区で演説を重ねるが…。


ターミネーターの如く無表情で容疑者を追跡する、さらさらカツラのブルース・ウィリス・ロボが活躍する時間は短く、元通りのごま塩ハゲになって街を破壊し大暴走。予告編がほぼ全てと思われ期待薄で観たら、バーチャルな世界に引きこもる妻との関係や、当初の目的から逸脱した人間の欲望の果ての、つるりと剥きたて卵肌で無表情な人間が闊歩するサロゲート社会がちょっと面白い。日々のほとんどの時間を自宅のベッドで寝て過ごす人間が健康に問題なく、色んな説明を一切省いたサロゲート社会の説得力がないのが惜しい。活躍どころは全てブルース・ウイリスがかっさらって、相棒役のラダ・ミッチェルを含め、脇役は印象薄い脇役止まり。


■『かいじゅうたちのいるところ(字幕版)』★★★★
父親のいない、空想好きでやんちゃな8才の少年マックス(マックス・レコーズ) は、自分との時間を優先してくれなくなった姉や母親(キャサリン・キーナー) に寂しさを募らせる。ある夜、思うようにならずに癇癪を起こしたマックスは母親を激怒させ、夕食抜きとなってしまう。母親に分かってもらえず、オオカミの着ぐるみを着たまま家を飛び出したマックスは、小舟に乗り海へと漕ぎ出し、不思議な島へ辿り着く。そこで暮らす大きな“かいじゅう”たちに魅せられたマックスは、「自分は魔法が使える王様」だと嘘をつき、みんなが幸せになれる王国をつくろうと持ちかける…。


深い孤独が軋轢を引き起こすかいじゅうたちの緊張関係と、大人の複雑でめんどくさい感情が入り乱れて通じ合うクライマックスに、大人ゴゴロが完全にノックアウト。不覚にも涙が出そうになる大人は多いはず。ていうか、こども店長の吹き替え版で観た子どもたちが、面白いと思うのかは相当疑問で、この映画は酸いも甘いも噛み分けた大人のためのファンタジーガチャピンチャレンジの如く動きまわる、かなり微妙なかいじゅうたちのビジュアルも、物語が進むにつれて愛おしく見えてきて、悲哀に満ちた眼差しと音楽が堪らなく切なくさせる。俳優の声もまた素晴らしい。落書きしているオープニングのクレジットも楽しい。