ネタバレ劇場「シャッフル」

注:オチまでテキトーに書いているあらすじです。

『シャッフル』-Premonition-

[監]メナン・ヤポ
[脚]ビル・ケリー
[出]サンドラ・ブロック/ジュリアン・マクマホン/ケイト・ネリガン/アンバー・バレッタ/ピーター・ストーメア
2007米/クロックワークス [上映時間] 96分


並び替えられた1週間──その謎を解けば、運命は変わる


夫ジム(ジュリアン・マクマホン) のサプライズで、1920年代に建てられた広い庭のある新居を前にしたリンダ(サンドラ・ブロック) は、戸惑いながらも嬉しさを隠しきれない。嬉しいか!! 家を勝手に買う夫なんてイヤすぎる。「お金がないのに入れないわ」と、一応は躊躇う素振りをみせるリンダに、「鍵さえあれば入れるさ」とジム。しかも金がないのかよ!! 831番地に建つ希望に満ちた素敵な家の前で、愛し合う若い2人は強く抱きしめ合う。勝手にやっとけ。


月日は流れて、互いに無関心で心が離れたジムとリンダはセックスレスになっていたが、長女ブリジット(以下、長女。9才くらい/コートニー・テイラー・バーネス) と、次女ミーガン(以下、次女。6才くらい/シャイアン・マクルーア)を愛し、専業主婦のリンダの心は満たされずとも、穏やかな日々を過ごしている。


ジムが1泊の出張中で留守の朝、キャミソール姿で1人で目覚めたリンダは、次女に起こされ、長女に急かされて、2人を学校へ送り届ける。ここまでの間、“長女の顔が映っていないはず”なのだが、気づかなかった。くー、見逃した。自宅へ戻ったリンダは、留守番電話のランプがついている事に気づく。メッセージはジムからだった。「この間、子どもたちの前で言った事は本心だ」そこでキャッチが入ったらしく、「君か」という言葉を最後に、メッセージは終わっていた。子どもたちの前で、ジムが話したという内容に心当たりがないリンダは訝しむ。ボケたか、自分。ていうか、具体的に言って。この留守電は、録音された日付も時間も残らないもの。その後、日課のジョギングへ行き、庭へ通じるガラス戸にシールをペタペタと貼り、親友アニー(以下、黒人親友/ニア・ロング) と電話でおしゃべりをして、洗濯機の前でレインボーカラーのセーターの汚れ具合を確かめる。いつもと変わらない日常。


14時20分、保安官ジジイ(マーク・マコーレイ)が自宅を訪ねてきた。「お気の毒ですが・・・」その言葉の意味する事を受け入れられず、リンダは表情を失くし立ちつくす。ジムは昨日、220マイル標識の近くで、トレーラー・トラックと衝突し、即死したというのだ。さっき留守電を聞いたばっかりなのに!! 突然の訃報に心のスイッチが切れてしまったリンダは、実母ジョアンヌ(以下、リンダ母/ケイト・ネリガン) に娘たちの世話を任せ、いつの間にか1日が終わっていた。結婚式の写真を眺めているうちに、幸せの絶頂だった頃の記憶が甦る。ジムと愛し合った輝いた日々を思い出し、写真を抱きかかえたまま、ソファで眠りに落ちていく。運動靴を履いたままなので、日本人としちゃ気になってしょうがない。しかも素足に履いてるから。


翌朝、シルクのスリップ姿でベッドで目覚めたリンダは周囲を見回して戸惑う。頭がぼんやりとして思い出せないが、写真を抱えて服を着たままソファで寝なかったっけ? いや、靴も履いてたよ。書斎を覗くが、リンダ母が寝た形跡もない。ゆっくりと階下へ降りると、廊下にはジムのブリーフケースが置いてあり、キッチンに“誰か”の気配がある。コワー!! 恐る恐る覗いた視線の先には・・・コーヒーを飲むジムの姿があったのだ。うそー!! いつもと変わらないジムの姿に驚愕し、激しく混乱するリンダ。ボディスナッチャーの宇宙人? シックスセンス? 一昨日に死んでるのに、呑気にコーヒーを飲んでる場合か!!


昨日、父親の死を告げて抱きしめ合ったはずの2人の娘も、ジムの姿に驚く事もなく普段と変わった様子はない。あまりにもリアルな悪夢を見たのか、それとも目の前の光景が夢なのか。狼狽しているリンダをジムが不思議そうな顔を見ているが、多分、何でもない事なのだと自分に納得し、ジムは出勤、リンダも子どもたちを学校へ送っていく。悪い夢を見ただけに違いない・・・って、そうなワケあるかい!! 昨日からの出来事を思い返し、考え事をしていたリンダは事故を起こしかけるが、昨日のジジイ保安官もリンダの顔を見ても何の反応も示さない。黒人親友と買物に行ったリンダはワインを購入し、昨日、自分と電話で話したかどうか確かめようとするが、彼女は「毎日電話しているじゃない」と笑う。ヒマすぎだろ!!


腑に落ちないまま日課のジョギングへ行き、洗濯物の仕分けをしようとしたリンダは、昨日、洗ったはずのレインボーカラーのセーターを見て混乱する。洗わなかったっけ? 自分!! 他の洗濯物も昨日と全く同じで洗ったはずのものだった。ともかく洗濯を済ませ庭で干していたリンダは、おもちゃに足を取られてバランスを崩し、血まみれのカラスの死骸の上に手を付いた。うっわ、キモーーーーーーーー!! キモ、キモ、キモーーーーーーーー!! 激しく動揺したリンダは、ガラス戸にべっとりと血の跡を残して洗面所へ駆け込み、手を洗う。そして、ゴム手袋でカラスの死骸をつまみ上げて、ゴミバケツの中へ放り込んだ。血まみれのゴム手袋も一緒に投げ捨てた。なにかに包んで捨てなよ〜。気持ち悪いよ〜。そのゴミ箱どうすんのよ〜。


そして翌朝。水色のシャツで目覚めたリンダは、飲んだ記憶のないワインボトルと1人分のグラス、寝室や廊下の鏡が布で覆われている事に困惑する。びっくり屋敷か、この家は。洗面所には精神安定剤の空容器が転がっている。ロス医師がリンダに処方したものだが、その医師の名前に心当たりがなく、薬を飲んだ記憶もない。ゆっくりと階下へ降りていくと、喪服を着た大勢の人が集まっていた。今日はジムの葬儀の日だというのだ。「昨日、ジムは生きていたわ」と否定するリンダに、皆の顔に同情と哀れみが浮かぶ。昨日の朝、ここでコーヒーを飲んでいたのに!!


ジムの死を受け入れようとしないリンダを心配し、腫れ物に触れるように扱うリンダ母から逃れるように、庭にいる娘たちの元へ向かう。昨日、ジムと話をしていた娘たちが、今日は喪服を着ている。そして、こちらに背を向けて静かにブランコを揺らしていた長女の顔を見てリンダに衝撃が走る。長女の顔には大きな縫い跡がいくつもあったのだ。コワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! いやもう、心臓止まりかけた。どうして怪我をしているのか分からず娘を問い詰めるリンダ。なんで? どうして!! 昨日は怪我などしていなかったのに、どうしてこんな大怪我をしているのか。固く口を閉ざす長女を庇い、次女は「お姉ちゃんは美しいお姫さま。傷なんてない」とリンダに言い聞かせる。


誰もまともに取り合ってくれないが、ジムは死んでいない。しぶしぶリンダ母や娘たちと教会へ向かうが、遺体を運ぶ葬儀社の車を見た瞬間、リンダが駆け出す。私はジムの遺体を見ていない。なぜか? それは、ジムが死んでいないからなのだ!! リンダは「損傷が激しいためご遠慮ください」と必死に制止する職員を突き飛ばす。「事故で切断されているのです」という言葉も耳に届かない。遺体を確認するまでは夫の死を信じない。いやいや、いま切断って言ってなかった? その時、車から棺を出そうとして支えていた2人の職員が手を滑らせ、地面に落ちた衝撃で棺の蓋が開いた。まっ黒い首がゴロンゴロン、ゴローーーーーーーーーーーーーーーーン!! 首が、首が、首が!! リンダが絶叫する。


ジムの死を受け入れたリンダは、木の影からこちらを伺う怪しすぎる若い女性が気になり、牧師の別れの言葉の最中にも関わらずその場から離れて、何者なのか問い詰める。クレア(アンバー・バレッタ) と名乗る女性は、「夫を知っているのか?」と訪ねるリンダの言葉に困惑し、「昨日、お話しました。覚えていないのですか? 」と、逃げるように去ってしまう。誰!? 昨日って、会った事がない人なのに!!


自宅へ戻り庭のゴミ箱を開くと、中には腐ったカラスの死骸にびっしりと蠅がたかっている。キモーーーーーーー!! そして夜。リンダ母が自宅へ見知らぬ中年男を招き入れた。「私が誰か分かりますか?」と中年男。リンダには男の顔に覚えが無い。いーや、私は見覚えがあるよ。この人は「プリズン・ブレイク」のジョン・アブルッチ!! 中年男の背後には、保安官ジジイともう1人の男。中年男は、ロス医師(ピーター・ストーメア) だと名乗る。リンダが処方薬を持っていた、ロス医師だった。ロス医師はリンダ母の通報により、娘たちに暴力を振るう危険のあるリンダを、強制入院させるためにやって来たのだ。なんですと!! 長女の顔の傷の理由は分からなくても、自分が子どもを傷つける事は絶対にない。ロス医師が促し、保安官ともう1人の男が暴れて激しく抵抗するリンダを連行していく。

拘束され廊下に放置されていたリンダは、漏れ聞こえてくるロス医師と保安官の会話に耳を澄ます。「夫が死んだのは水曜日? それはおかしい。彼女が夫が死んだと私の元を訪れたのは、火曜日だ」と言っていた。やがてベッドに拘束されたリンダは、注射を打たれて意識が遠退いて行く。


翌朝。ロンTを着ていたリンダは自宅のベッドで目を覚ました。そこが病院ではないと分かりホッと胸を撫で下ろすが、寝室のシャワールームから聞こえる音に緊張が走る。誰!? ゆっくりと中へ入っていき、一気にシャカーテンを引くと、そこにはマッチョないい身体してるジムがいたのだ。昨日、アンタの葬式をしたんだけど!! 変わりないジムの姿にリンダはシャワーに濡れるのも構わず、夫を抱きしめる。長女の顔の傷も跡形もなく消えており、以前のように明るく笑っている。全てが元通りになっていると安心するリンダは、電話帳でロス医師を探そうと思い立つ。電話帳のページをめくって、めくって、めくって、指を舐めてめくり続ける。指舐めちゃ年寄りだって!!


目的のジャンルが1ページ破り取られていた。なんで!! 考えあぐねていたリンダは、近くのゴミ箱に丸めて捨ててあった電話帳と同じ色の紙を見つける。思った通り、そのページには「診療内科医ロス医師」の広告が掲載されていた。リンダは病院を訪れ、自分と会った事もないというロス医師に、自身の身に起きている怪現象を説明。「夫が朝起きると死んでいて、次の朝には生きているんです」とリンダ。ロス医師の目は、リンダの話を全く信じていない。そりゃそうだろうよ。リンダが主張するロス医師に処方された精神安定剤は、この朝は見当たらなかったのだ。そして、ロス医師にも処方した記憶も記録もなく、しかし、リンダが処方されたと主張する精神安定剤を処方する。


病院を後にしたリンダは、ジムのオフィスを訪れた。妻の突然の行動に困惑するジム。そりゃそうだろうよ。彼が一昨日の出勤前に「新しいアシスタントを教育しないと」と言っていたアシスタントは、葬儀に訪れたクレアだった。葬儀で会ったはずなのに、初対面のように挨拶してくるクレアに困惑していると、会議前の慌ただしさとは別の、ジムとクレアのビミョーな空気から確信する。ジムは彼女と浮気しているに違いない。ていうか、若いけど湿っぽい顔の浮気相手よりも、ゴツゴツ顔のサンドラ・ブロックの方がよっぽど魅力的なのに。


自宅へ戻ったリンダは、処方された精神安定剤の錠剤を全て捨て、空の容器は洗面台に放置。自分の頭がおかしくなってしまったのか? ぼんやりと頭の中を整理していると、突然の雷雨。長女に洗濯物を取り込む手伝いを頼み、急いで、急いでと急かす。猛ダッシュでリビングをつっ走る長女。早く早く、急いで急いで。ガラス戸が閉まっていた事を思い出したリンダの背筋が凍る。ダメダメ、走っちゃダメだよ、長女!! ガラス戸に気づかない長女は顔面から激突し、がっしゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!! 駆け寄るリンダが長女を抱き上げ仰向けにすると、顔中、血まみれになっていた。病院へ駆け付けたジムは、ガラス戸にシールを貼っていなかったリンダを暗に責め、自宅へ帰ってからも割れたガラスを無言で片付ける。


その夜、リンダは家の中にある鏡を全て布で覆いをかけ、長女と次女に「お姉ちゃんは美しいお姫さま。傷なんてない」と言い聞かせ、優しく抱きしめる。そして、ジーンズの尻ポケットに入っていた紙を丸めてゴミ箱へ投げ捨て、ハタと気づく。それは、ロス医師が掲載されていた電話帳のあの1ページだったのだ。昨日、ゴミ箱で見つけたものは、いま自分が捨てたものだったのか。リンダはこの1週間がバラバラに入れ替わっていると気づく。ああもう、ロト6を買っときゃ良かった!!


大きな紙を出して日曜日からの1週間の線を引き、最近の出来事を埋めていく。
1日目・・・木曜日。保安官がジムの死を知らせにくる。
2日目・・・月曜日。ジムは生きていた。庭でカラスの死骸を触った日。
3日目・・・土曜日。ジムの葬儀。クレアが現れる。病院に連行される。
4日目・・・火曜日。ロス医師の元を訪ねる。長女が怪我。
5日目・・・不明
6日目・・・不明
7日目・・・不明
夫が死ぬのは・・・「Jim Dies」水曜日だ。 ていうか、この家にはカレンダーというもんがないのか!! 夫が部屋に来たため、リンダは急いで紙を隠す。自分が死ぬって妻がメモをしていたら驚くし。


翌朝。リンダは結婚式の写真を抱きかかえたまま、ソファで目覚める。ジムが死んだと知らせを受けた翌日だ。リンダは葬儀社へ出向き手配を済ませ、充分な保険金が下りた保険会社の担当に契約の内容を伺う。担当が言うには、水曜日の朝にジムが現れ、「大切な家族のために保険金を増やしたい」と契約を見直したと言う。ジムの事故死に疑問はなかったため、保険金は支払われる。困惑するリンダはクレアの自宅を訪れ、2人が関係を結ぶ寸前のところまで行っていたと聞き出す。自宅へ戻ったリンダから葬儀の手配は済ませたと聞いたリンダ母は驚いた。あんなに打ちひしがれていたのに、いつの間に!! 母親に見つからないように、こっそり1週間の出来事を書いた紙を取り出し、5日目を書き加える。
5日目・・・金曜日。ジムは死んでいる。葬儀の手配。クレアに会う。
ジムの死まで、あと、2日しかない。


そして、6日目の朝は日曜日。ジムは隣で背を向けて眠っていた。リンダは娘の世話をジムに任せ、長らく遠ざかっていた教会を訪れる。自分の身に起きた不可思議な出来事をケネディ神父(ジュード・チコレッラ) に告白。神父は過去の似たような記録を語る。1件目はソレっぽいが、2件目はぜんぜん違うだろうよ、な内容。ともかく、「信仰なきものの危機」だそうだ。ホントかよ!! 愛する者のために、リンダに信仰を取り戻すように諭す。そんな事を急に言われても、明日ジムの死ぬ日なのに!!


家族4人で静かに過ごす夜、リンダはジムに「愛している」と娘たちに伝えるよう執拗に繰り返す。サンドラ・ブロックの目がホラーなのでびびりまくり、いつもと違い真剣なリンダの様子に戸惑うジムは、娘たちに愛していると言い、娘たちにせがまれ、リンダにも「愛している」と言う。


ジムが死んだり生き返ったりを繰り返した1週間で、どれほど自分がジムを愛していたか、彼が娘たちを深く愛していたか、娘たちが父親を慕っていたのか気づくリンダ。2人で庭に出ていると突然雨が降り始め、雷が庭の変圧器に落ちてバリバリバリバリバリー!! 雷で死んだカラスが1羽落下、電線が切れて、ジムに向かって一直線に、ブラーーーーーーーーーーーーーーン。ファイナル・デスティネーション!! リンダがジムを庇って地面に伏せる。死ぬとこだよ!! 互いに無関心だったリンダの自分へのまっすぐな思いに戸惑っていたジムだったが、その夜、2人は愛し合う。最近、リンダの様子がおかしい原因が、ジムの死の夢を見た事だと知ったジムは「ただよ夢だよ、心配ない」と約束する。夢じゃないんだってば!!


6日目・・・日曜日。ジムは生きている。庭にカラスの死骸。教会へ行く。


そして、運命の7日目。ベッドで1人で目覚めたリンダは、すぐさま黒人親友に電話してこの日が水曜日だと聞き、家を飛び出した。親友に電話する前にテレビを付けなさいって。目が覚めて水曜日だったら出掛ける前に起こしてと頼んだのに、ジムは子どもたちを学校へ送り、出張へ行ってしまった後だった。


娘たちを学校へ送り届けたジムは、保険会社へ。愛する妻子の安心のため、保険金が3倍になる契約へ変更。
その後、車を走らせながらホテルの部屋で待つクレアに電話し、家族を愛しているため行けないと告げる。運転中に電話すんなって。
学校へ行ったが一足遅かったリンダは、ジムが事故に遭った220マイル標識へ急ぐ。
ジムが自宅の留守番電話にメッセージを残す。「この間、子どもたちの前で言った事は本心だ」リンダには昨夜だが、ジムには3日前。キャッチが入り出ると相手はリンダ。留守番電話のメッセージは「君か」という言葉を最後に切れる。


リンダはジムがクレアと浮気しようとしていた事を知っていると告白し、ジムが自分と娘に必要であり、心から愛していると伝える。運転中に電話すんなって。ジムもリンダと娘たちを愛していると答える。だから運転中に電話すんなって。
「後ろを見て」とリンダ。リンダの車はジムの車の数百メートル後方で停車していたのだ。運転中に驚かせんなって。


長くすれ違っていた2人の心が、かつてのように通い合う。その時、リンダはジムの車が220マイル標識のすぐ近くで停車している事に気づき戦慄。焦る気持ちを抑え、落ち着いた声で「自分を信じて、Uターンして」と頼む。リンダの必死な様子に、ジムがUターンしようと動き出した途端に猛スピードで走ってきた車に気づき、ブレーキペダルを踏み込んだ。ジムの車のエンジンが掛からない。うそー!!


ジムは携帯電話を車内に落としてしまい、拾い上げるのに手間取っている。リンダの声は届かない。
今すぐ車外へ逃げるように叫び続けるリンダ。
やっと携帯電話を拾い上げたジムは、車の外へ出るように叫ぶリンダの焦る声に従い、車を動かそうとするがエンジンが掛からない。早く、早く。その時、トレーラー・トラックが姿を現す。きたー!! ジムの車は2車線の中央に止まっている。何度もエンジンをかけようとするが掛からない。焦るあまりシートベルトは外れない。無理。全然無理!!
車から飛び出したリンダは走りながら、ジムに逃げるように必死に叫び続ける。
急ブレーキをかけたトレーラー・トラックの荷台が、ゆっくりと横へ流れていく。

スローモーションのように、ゆっくりと道路を塞ぐように横へ折れ曲がった荷台がジムの車に激突し、ジムの車の運転席を粉々に潰し横すべりしていく。粉々に砕け散った運転席に愕然とし、それでも駆け寄ろうとしたリンダの目の前で、ジムの車を巻き込んだままのトレーラー・トラックが爆発炎上、どっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!


引っ越しのトラックが来た事を教えにきた長女が、うたた寝していたリンダを起こす。長女の顔の傷はかなり薄くなり、以前のように明るい笑顔がこぼれる。そして、リンダは大きくなったお腹を愛おしい眼差しで見つめ優しくなでる。おしまい。


テレビやカレンダーを見る場面が一切なく、曜日の異変に気づかないなんてありえないでしょー? という設定に無理はあるんだけど、夫の突然の死で思考が麻痺し、翌日には何事もなく生きている夫に混乱していた中での出来事と考えれば納得できるというもの。眠ると曜日が変わると気づいた後に、眠らなかったら果たしてどうなるのか? 0時きっかりに曜日がシャッフルしてしまうのか試して欲しかったなぁ。個人的にはすごく面白かった。今すぐもう1回観たい。