ネタバレ劇場「ソウ5」

注:オチまでテキトーに書いているあらすじです。


ソウ5』 -Saw V-
[監]デビッド・ハックル
[総]リー・ワネルほか
[脚]パトリック・メルトン マーカス・ダンスタン
[製]ダン・ヘフナー、マーク・バーグ、オーレン・クールズ
[撮]デビッド・A・アームストロング
[出]トビン・ベル/コスタス・マンディラー/スコット・パターソン/ベッツィ・ラッセ
[製]2008米/アスミック・エース [上映時間] 93分・R-15


ジグソウが残した[遺言と遺品]
真の後継者は誰なのか?


古いビルの密室で、若いマッチョ男がバチッと目を覚ます。いかにもゲームを解けずに派手に死にそうな間抜けヅラ男の首には、超頑丈な犬の首輪が嵌められており、腕の自由を制限する拘束ベルトとともに、コンクリートの寝台に固定されている。力任せに両手で首輪を引っ張るがビクともしない。僅かに持ち上げられる頭を起こし、自分の置かれた状況に狼狽えた男が気づく。連続殺人鬼ジグソウに監禁されたのだ。うげー!!


ほどなく部屋の隅に置かれたテレビのスイッチが入り、ビデオテープが再生。ゲームの始まりを告げる、ほっぺたクルクルのジグソウ人形“ビリー”が映し出される。「やあ、セス(男の名前)。ゲームをしよう」やっぱり!!
女性の首を切り裂いた君が、たった5年で自由の身になるのは軽すぎやしないだろうか、本当に反省しているのだろうか、とジグソウ。男の腹の数メートル上には、1メートル幅はありそうな錨のような形の刃がぶら下がっており、「これからその刃は振り子のように揺れながら、君の腹を一寸刻みに切り裂く」というのだ。生ハムかよ!!


「君が本当に反省しているのなら、罪を犯した両手を潰せるだろう」とジグソウ。意味分かんね!! 男が左右にめいっぱい腕を伸ばしたところにスイッチがあり、両手はプレス装置で潰れる事になるが、腹の上の刃の動きは止まるという。揺れる刃が腹に達する30秒の間に決断しろと告げる。短かいよ!!


軋む音を立てながら巨大な刃がゆっくりと動き始め、左右に大きく揺れる。焦った男は腕を伸ばしてスイッチに触れるが、なかなか押す事が出来ない。無理!! どうにかして首輪が外れないものかと必死にもがくが、緩む気配はない。それも無理!! 再びスイッチに指を伸ばし、今度こそスイッチを押すものの、メリメリと手の骨が軋む痛みに耐えかねて、スイッチから手を離してしまう。やっぱり無理、無理、全然無理!! そうこうしている間に、刃が一段下がって腹に近づく。命か、両手か。首輪は外せない。こんな事ならムショに残っていた方が良かったよ、コンチクショー。


ていうか、両手と引き換えにして、首輪も、腕の拘束ベルトも自力では外せないようなゲームは、ジグソウの流儀とは違うと思うのだが、覚悟を決めた男はスイッチを強く押し込み、プレス装置が男の手を挟む。早くやって、急いでやって、一気にやって。メリメリと音をたて、ゆ〜〜〜くりと男の手が潰れていく音と絶叫が密室にこだまする。イタタタタタタタ!! 男の手の骨が完全に砕けて数秒後にプレス装置は元の位置へ戻るが、お腹のすぐそばまで下がった振り子の刃は止まらない。なんで、なんで、なんでー!! 男の心の声代弁。


大きく揺らしながら振り子の刃が男の腹を鋭く切り裂き、血飛沫が壁に飛び散る。バシャー!! 振り子の刃が、何度も何度も何度も何度も、叫び続ける男の腹を切り裂く。次第にその声は小さくなり、意識が遠退く寸前、男は壁に空いた小さな穴の向こうから、何者かが自分を見ている事に気づく。壁の向こうにいた者は、男の目から命の光が消えていくのを見届ける。


4作目のラストからの続き。ジグソウのアジトを突き止めたFBIのストラム捜査官(以下、のど刺し捜査官/スコット・パターソン) は、3作目の舞台となった食肉加工工場の、簡易手術室のような部屋へ踏み込む。そこには、末期の脳腫瘍で1作目の時から死ぬ、死ぬ、言ってたけどやたら活動的で、なんだかんだと毎回出演してきた猟奇殺人鬼ジグソウことジョン爺(トビン・ベル) の首を切られた遺体があったのだ。


他に、首輪爆弾をつけたまま死んでいるリン(3作目でジグソウを生かすよう強いられた女性医師) 、ジグソウの後継者を失格となった不肖の弟子アマンダ(ショウニー・スミス) の射殺体を見て、なにが何だかさっぱり分からず思わず立ちすくむ。その時、ジグソウに拉致された幼い娘を探してゲームに強制参加させられた男が、「娘を返せ」と、のど刺し捜査官に拳銃を向けたため、問答無用で撃ち殺した。娘を返せと訴えているのに、お前は人の話を聞け!! そして、ジグソウの手にテープレコーダーを見つけポチッと再生。それは、のど刺し捜査官がこの部屋に辿り着く事が分かっていたジグソウが残していたメッセージだった。


「私の死で終わりだと思ったか? 私の仕事はまだ続く。ゲームは始まったのだ。この場所がストラム捜査官(のど刺し捜査官) の避難所となるか、墓場となるか。君の選択次第だ」いい加減おとなしく死んでおけ。


それを部屋の外で見届けた、ジグソウの後継者ことマツゲの濃いホフマン刑事(以下、濃いマツ刑事/コスタス・マンディロア) が、扉を施錠(4作目のラスト)。同時に電気が消え、のど刺し捜査官はゲームが始まったと知る。携帯電話は通じない。ジグソウ亡き後もゲームを続行しようとする後継者の正体を突き止めるため、壁を探って隠し通路を見つけたのど刺し捜査官は、奥へ奥へと入って行く。なんで行くかなぁ。そして、まんまとバッファローの被り物した何者かににボカーンとブン殴られ昏倒。なにやってんの!!


バチッと目覚めたのど刺し捜査官は、両腕以外を椅子に固定され、頭部には水槽のような空の容器をすっぽり被せられていた。手の届かないテーブルの上に拳銃と携帯電話が置かれ、水槽の中に入れられている2本のホースの先を目で追っていくと、予想通りに水タンク。魚かよ、自分!! 助かる方法を教えるゲームのルールも示されないまま、勢いよく水が入ってくる。早すぎだろ!!


水槽を壊そうと拳でガンガン叩き、首から外そうと力任せに引っ張るが、水が抜ける僅かな隙間すらできない。死にものぐるいで頭を左右に振って、振って、振って、振って、ガンガンガンガンガンガーン!! 外せない、壊れない、水も止まらない。あっという間に頭の上まで水に包まれ、遠退く意識の中で胸元やポケットの中を探るのど刺し捜査官。なんか道具、なんか道具、なんか道具、ドラえもーん!! 指先がボールペンに触れ、すぐさまキャップと中身を捨て、躊躇う事なくのどに向かって突き立てた。ブスリ!! いやもう、シャーペンじゃなくて助かった。


警官隊が食肉加工工場を包囲し、幼い女の子を抱きかかえ、ジグソウの魔窟から脱出した濃いマツ刑事を保護。「他に生存者はいない」と断言する濃いマツ刑事は、遅れて救出されたのど刺し捜査官に狼狽え、救急車で運ばれて行く様子を困惑の表情を浮かべて見送る。胡散臭さ全開なのに、周囲の誰も気づかない。


ジョン爺/ジグソウの遺言開封のため、元妻ジル(ベッツィ・ラッセル) が法律事務所を訪れる。ジグソウは枯れたジジイと思っていたが実は50代と若くて、4作目でジグソウの子を流産した元妻は大地真央似の小顔美人。遺言のビデオテープが再生される。


「君がこれを観ているという事は、私が死んでいるということだ。君に渡しておきたいものがある。君に託したその箱は、とても重要なものだ。君ならこれの使い方が分かっているはずだ。永遠に君を愛している」


弁護士から40cm各ほどの木箱を見せられた元妻は、チェーンに通して首から下げていた使途不明の鍵に思い当たる(4作目のジグソウの遺言の手紙と一緒に入っていた鍵? )。好奇心を隠せない弁護士から見えない位置で、元妻が鍵穴へ差し込むとカチャリと開き・・・驚愕の表情を浮かべた。なに!? 弁護士が中身を問うが教えては貰えない。ケチ!! 挨拶を済ませて、元妻は木箱を抱きかかえて帰ってしまう。教えろよ!! 結局、劇中で木箱の中身は分からず、次回作へ持ち越した。ホントかよ!! 取りあえず中身は軽そうだ。


連続猟奇殺人鬼ジグソウ事件の解決を宣言する、合同記者会見が開かれる。女の子を無事救い出し、事件解決に尽力した濃いマツ刑事は警部補へ昇進。個室のオフィスを与えられるが、机の上に封筒を見つける。中のメモには「お前の正体を知っている」と書かれていた。誰よ!! 腹立たしい事に、これも次回作への伏線だ。濃いマツ刑事は入院中ののど刺し捜査官の様子を探りに行くが、「ジグソウのゲームから、なぜ君だけが“無傷”で生還できたのか」と疑問をぶつけられる。ジグソウの犠牲者たちは皆、凄惨な死や、壮絶な肉体の犠牲を払っているのに、濃いマツ刑事は英雄扱いされている。おかしいのではないか。ああもう、その疑いを100人くらいに言っておけ。


のど刺し捜査官はジグソウの元妻への尋問許可を上司エリクソン(以下、上司/マーク・ロルストン) に求めるが、4作目でもさんざん尋問していたため、捜査から外されてしまう。ガラガラ声は苦しそうで、事件に首を突っ込むとまたゲームをさせれられるというのに、このまま引き下がれないのど刺し捜査官は、上司の勧める休暇を受け入れるふりをして、濃いマツ刑事のオフィスへこっそり侵入。ドロボー!! 彼が扱ったジグソウ事件のファイルを調べ、振り子の刃で腹を切り裂かれて死んだ男が、濃いマツ刑事の妹を殺害した元恋人だったと知る。妹はのどを切り裂かれて死に、5年服役した元恋人は釈放されたばかりだった。これは、ジグソウの犯行に見せかけた、濃いマツ刑事の復讐だったのではないかと考える。


濃いマツ刑事がアジトの一室へ入り、数台並ぶTVモニター画面を見つめる。そこには、意識のない男女5人が映っており、机上にはその部屋と同じ模型の中に5つの人形が配置されていた。その模型には、他に3つの部屋の仕掛けが用意されていたのだ。2代目となってもこれは欠かせないらしい。


見知らぬ部屋で次々と目を覚ました5人は、自分たちに犬の首輪が嵌められており、その首輪から伸びるケーブルの先にある、大きなV字型の刃に凍り付く。ケーブルが巻き戻されれば、首チョンパ!! 即座に自分たちがジグソウのゲームに選ばれたのだと気づく。ニュースで死んでるって言ったのに!!


ハイヒールをカツカツいわせて歩いていそうなキャリアウーマン風の黒髪の女、パンチの効いた腹回りの黒人の女、冷静なハゲオヤジ、見るからにアホなヤク中の男(カナダの連続ドラマ「リ・ジェネシス」のウェストン/グレッグ・ブリック)、ホラー映画で真っ先に死ぬのがお約束の金髪女の5人。


前方3メートルほどの距離で5つ並んであるガラスケースの中に、首輪の鍵と思しきものが、それぞれ1つずつ用意されているものの、首輪のケーブルが伸びず、近づけない。


部屋の隅に置かれたテレビのスイッチが入り、ビデオテープが再生。ジグソウ人形のビリーが映し出される。「ハロー」とジグソウ。ハローじゃねーし!! ゲームの説明が始まる。スイッチが入ると、首輪のケーブルが伸びるようになるので、5つのガラスケースの中から鍵を取り、制限時間1分以内に首輪を外すこと。時間になるとケーブルが巻き戻され、首輪を外せなかった者はV字型の刃で首を切り落とされるハメになる。ケーブルは1度に1人ずつしか伸びない。ジグソウは最後に「君たちはそれぞれが分担する事で罪を免れた。ここでは5人が協力して一緒になって生き残り、これまでと違う生き方を選んでほしい」と提案する。


5人はお互いが誰だか思い当たらないが、それぞれが疑心暗鬼になっており素性を明かさない。ハゲオヤジだけが、後ろ暗い5人の関係を知っていると匂わすが、金髪女が火災調査官だという事しか教えない。もったいつけやがって、ハゲ!!


部屋の隅には15分後に爆発する釘爆弾があり、何もしなければ全員が死ぬことになる。ギャーギャー騒ぎ立てるヤク中をハゲオヤジは一喝し、1人ずつ順番に鍵を取りに行けば全員が助かる時間は充分にあると言い聞かせる。ホントかよ、ハゲ!! ところで、即死させてくれるトラップは珍しいから、むしろここで死んでおいた方が楽だと思う。ホントか。


打ち合わせが済まないまま、支離滅裂のヤク中が恐怖に暴れ回り開始スイッチ(?)を入れたため、騒然。1分間のタイマーが動き始める。このバカは!! その途端、1人ずつ順番になどと冷静に言っていたハゲオヤジが真っ先にガラスケースに向かってつっ走り、他の4人のケーブルが後方に引っ張られ、締め上げられる首輪を押さえて足を踏ん張った。


ガラスケースをガシャコーン!! と右手でブチ破ったハゲオヤジが鍵を掴む。1人目で12秒以内、よし!! ハゲオヤジが元の位置へ戻るのと入れ違いに、必死の形相の黒人女が迫力の猛ダッシュでガラスケースへ走る。ハゲオヤジが首輪の鍵穴と格闘し、黒人女が鍵を掴んだと同時に、黒髪の女がガラスケースに向かって走る。2人目24秒以内、よし!! ハゲオヤジが首輪を外し、黒人女も外した首輪を投げ捨てる。黒髪の女は脱いだパンプスでガラスケースをブチ破り鍵を掴む。3人目でちょっと遅れてきた。5人目が危ない。


4人目に金髪女が一歩を踏み出すが、ヤク中が強引に走り出したため、後方へ引き戻される。早く、ヤク中!! 焦るヤク中はガラスケースから鍵を落とし、ラリラリホーで指先がモタついて拾えない。殺すぞ、この野郎!! 残り時間が数秒で黒髪の女が首輪を外し、ケーブルを限界まで伸ばしてヤク中が落とした鍵に手を伸ばす。遅い、遅い、遅い!! 鍵を拾ったヤク中は定位置まで戻らず、その場で首輪を外す。その瞬間、タイマーの残り時間がゼロとなる。金髪女の身体が勢い良く後方に引き戻され、V字型の刃で切断された頭部が床に転がり落ちた。ゴッローン!! 静まり返った室内に、鋼鉄の扉の鍵が自動で開く音が響き渡り、4人は無言で次の部屋へ向かう。


腹を切り裂かれて死んだ男の事件現場を訪れたのど刺し捜査官は、壁に空いた小さな穴から、死んでいく男の顔が見える事に気づき、ジグソウの犯行に見せかけた濃いマツ刑事の「処刑」という考えを益々深めていく。無茶すんな!!


ハゲオヤジら4人が2つ目の部屋へ入る。壁には鍵のかかった土管ほどの大きさの3つの横穴があり、頭上に1つ1つ鍵が入った無数のガラス瓶が並んでいる。また、めんどくさい事をやらせる気だから。この部屋の隅にも釘爆弾があり、制限時間内に正しい鍵を見つけて、横穴に入れなければ釘爆弾で死ぬ事になる。誰か1人分の横穴が足りない。いやいや、その横穴なら余裕で2人は入れるでしょ? という事には誰も気づかないくせに、ジクゾウに選ばれたからには、5人の共通点があるはずで、それが脱出のヒントになると問いかける。しかし、それを知っているらしいハゲオヤジは言葉を濁したまま教えようとしない。ますます怪しいぞ、ハゲ!! 4人はとりあえず職業を明かす。ハゲオヤジはゴシップ紙の記者、ヤク中の男は不労所得で暮らす無職で、黒人女は建築の許可を出すお役人、黒髪の女は不動産会社の副社長だと告白。そして、最初の部屋で釘爆弾が爆発する15分が近づいたため扉を閉め、爆発の衝撃で部屋が揺れる。もう、前の部屋には戻れない。


2つ目の部屋の制限時間は確か3分。ハゲオヤジが落ちていた鉄パイプを使って、いきなり頭上のガラス瓶を叩き割り、ガラスの破片がバラバラバラ。ハゲの頭はそうとう危ないと思うが、叩き割る、ガラスの破片がバラバラバラ!! 叩き割る、ガラスの破片がバラバラバラ!! 叩き割る、ガラスの破片がバラバラバラ!! 床を這い回る黒髪の女が正しい鍵を見つけ、ちゃっかり最初に横穴の鍵を開けて潜り込む。この女も信用出来ん。ハゲオヤジは鍵を探すヤク中をブン殴り、朦朧としながらも鍵に手を伸ばす腕を踏みつける。おのれハゲオヤジ!! 刻々と時間がなくなる中、黒人の女が「お前は信用できない」とハゲオヤジの頭部を鉄パイプでガッツーン!! 黒人の女とヤク中の男が鍵を見つけて、拾って、鍵を開けて、横穴に滑り込み、ハゲオヤジがヨロヨロと立ち上がった瞬間、釘爆弾が爆発、どっかーーーーーん!! 穴から出た3人は、上半身がグズグズの肉塊となったハゲオヤジの死体の脇を通り抜け、3つ目の部屋へ急ぐ。


濃いマツ刑事のオフィスから、ジグソウ関連のファイルを全て持ち出したのど刺し捜査官は、1作目でジグソウのゲームに選ばれ死んだゴードン医師の、証拠物件の項目に目が留まる。初期のジグソウ事件の犯行現場で見つかり、ゴードン医師が事情聴取されるきっかけとなった物(何だか忘れた、病院で使う白い細長いもの) は、ジグソウの指示により、濃いマツ刑事が証拠として捏造し、提出したものではないかと考える。「いったい、いつからなんだ…」のど刺し捜査官は、2人がどこで出会ったのか思いを巡らせ、ジグソウと濃いマツ刑事との回想シーンへ。


濃いマツ刑事が妹を殺した男への復讐を終え、事件が一連のジグソウの犯行として処理された後、エレベーターで一緒になったジョン爺/ジグソウがスプレーを噴射し、濃いマツ刑事が昏倒。脳腫瘍で死ぬと言うわりに、ジョン爺ジグソウ元気、元気。弟子として育てていたが、ゲームの主旨を取り違えているアマンダに見切りをつけていたジグソウは、正義の男、濃いマツ刑事に彼の後継者になるよう提案するのだ。そして、犯罪者は処刑されて然るべきと考えている濃いマツ刑事をジグソウは戒める。「どんな罪を犯した者にも、更生のチャンスを与えなくてはならない。ゲームには必ず助かる方法を示さなくては、それはただの殺人だ」と道徳を語る始末。4作目で元妻を流産させた男を処刑しておいて、片腹痛いぞジグソウ。そして、濃いマツ刑事は提案を受け入れた。妹を殺した男はもう処刑したからな。


濃いマツ刑事の研修期間がはじまり、1作目の有刺鉄線地獄ゲームで死んだデブを拉致する場面で、2人は動物の覆面を被って決行。ジグソウがとても死にそうなジジイとは思えない襲撃を見せ、1の時から濃いマツ刑事が実行犯に加わっていたという、とってつけたような回想場面が続く。


黒髪女、黒人女、ヤク中の3人が、3つ目の部屋へ入る。中央に水の張ったバスタブがあり、部屋の隅には他の部屋と同じく釘爆弾が設置されている。テレビが映り、ビデオテープが再生。用意されている電極をつけて、3分以内に指定された電圧(忘れた) に達すれば、鋼鉄のドアが開く。


尻込みしているヤク中を見かねて、「お前がやれ」と、黒人女が浴槽へ突き飛ばす。すっかり恐ろしい形相になった黒人女、コワー!! その黒人女の首へ、金髪女が電極棒をズブリと突き刺し、黒人女の目ん玉がひっくり返る。「この女は信用できない」と黒髪の女。お前も信用できないよ。ビビリまくりのヤク中は、黒髪女の命令で急いで黒人女の死体を浴槽へ放り込み、手足にクリップ式電極を繋ぐ。電流が弱く、扉は開かない。黒髪女は躊躇わず黒人女の脳天に電極棒をズブリと突き立て、部屋にビカビカ稲光が走るほど電流がビリビリビリー!! 白目を剥いて死んでいる黒人女の全身が、ヒクヒクヒクヒクヒクヒクヒクー!! 生き返ったら怖すぎて、この映画で唯一ドキドキした。コワー!! 扉が開いた。


4つ目の部屋の中央には、有害物質と接触せずに作業できる安全キャビネットのようなものがあり、ビデオテープが再生し、助かる方法が教えられる。キャビネットの中に手を入れると、縦に置かれているCDほどの大きさの高速回転刃が動く。同時にその下のビーカーの蓋が開く。高速回転するその刃で手を切り、ビーカーに5リットルの血液を溜めれば、この部屋の鍵が開き、自由の身となる。この部屋には釘爆弾はないが、15分以内にクリアしなければ、扉は永遠に開かない。最後にとっておきの痛いトラップを持ってきた。


1つ前の部屋のバスタブの水を持ってこようとヤク中が提案。腕を入れなければ、ビーカーの蓋が開かないため、黒人女の死体を運ぼうと考えるが、3つ目の部屋の制限時間となってしまったため、釘爆弾が爆発、もう扉は開かない。そして、15分のタイマーが動き出す。5リットルって重さ? 液体限定? 今すぐシッコして。ウンコして。ゲロ吐いて。


5人分の両手を入れられるようになっている装置を見つめていた黒髪の女が、最初の部屋でのジグソウの言葉を思い出す。「ジグソウは“いつもの君たちとは違い、協力し合えば全員が助かる”と言っていた」。念のため最初の部屋のゲームの鍵を持ってきていた黒髪の女は、全て同じ鍵だったと気づき愕然。1つの鍵を5人で順番に使えば問題なくクリアできた。2つ目の部屋も1つの穴に2人入れた。3つ目の部屋も5人でやれば、ちょっとビリビリする程度で済んだはず。そして、この部屋の装置も5人なら、1人が失う血液は1リットルなのだ。2人では総血液量の半分を失う事になる。「このゲームは最初から誰も死なずに済むようになっていたのよ」。いまさら気づいたって遅いんだよ!!


そして、タイマーが動いているこの忙しいときに、自分たちが選ばれた理由に思い当たる。
1) ヤク中の男が、ヤクを手に入れるため、“ある人物”に指定されたビルに放火した。無人のはずだったが、8人の人間が死亡し、心から悔いているものの広言しなかった。
2) (多分、金のため) そのビルの調査を早々に終えたのが、火災調査官である金髪女。
3) 次に建つスタジアム(なんか分かんないけど、次への布石か) の建築申請を許可したのがお役所の黒人女。
4) 斡旋をしたのが不動産会社副社長の黒髪の女。
5) 事件を調べ上げながら、(多分、金のため) 記事にしなかったのが、ゴシップ記者のハゲオヤジ。


互いを知らない5人は罪の意識に苛まれる事なく、知らぬ間に役割を分担する事で罪を免れ、それぞれが多額の報酬を手に入れていたのではないか。ていうか、考えてる時間はないんだってば。


唐突にシャキーンと凛々しくなったヤク中が、「2人でジグソウに勝とう」と、敗北感に打ちのめされる黒髪女を奮い立たせる。武士とは死ぬことと見つけたり!! いや、武士じゃないけど。ともかく、このまま殺されてたまるかコンチクショーだ。それぞれが犠牲に選んだ片手を穴の中へ入れ、キャビネットの外でヤク中の左手と、黒髪女の右手が強く握り合う。高速回転刃がキーン!! ヤク中の右手の指の股が高速回転刃で裂かれ、血が吹き出す。もったいない、もったいない、こぼさずにビーカーに入れないと!! その隣で同じように手を入れているが、ギャーギャー叫んでいる黒髪女は何だかアヤシイ!!


濃いマツ刑事を尾行し、彼がビルから出ていく姿を見届けたのど刺し捜査官は、濃いマツが借りている部屋へ不法侵入。ジグソウの後継者だと確信したのに、全くもって学習能力なし。濃いマツの部屋の床に隠し戸を見つけ、階段を降りて行く。もう、信じられないバカ。


その頃、証拠保管室からのど刺し捜査官の携帯電話を持ち出した濃いマツ刑事は、のど刺し捜査官の上司へワン切りし、電源オフ。心配した上司は居場所を突き止めるよう本部に指示。濃いマツ刑事はジグソウの死んだ食肉加工工場へ行き電源を入れ、報告を受けた上司は1人で向かう。もう、上司もホントにバカ。


食肉加工工場へ着いた上司は、応援を呼ぶ事なく中へ。ジグソウが死んだ部屋の壁の隠し通路に気づき、奥へ、奥へ、入って行く。応援を呼べ、応援を。色んなモノがごちゃごちゃ置かれた部屋に辿り着いた上司は、5人を監禁したゲームの模型や、新たなゲームの犠牲者と思われる者たちの写真を見つける。のど刺し捜査官へ電話すると、目の前の机の上に置き忘れられた携帯電話に繋がった。最近ののど刺し捜査官の不審な行動の数々が思い出される。濃いマツ刑事のオフィスから出てきた姿、彼に尾行されていると苦情を申し立ててきたジグソウの元妻、犠牲者を映すTVモニター画面、詳細な資料、そして、上司である自分の写真を見つけ衝撃を受ける。のど刺し捜査官こそ、ジグソウの後継者だったのだー。って、スットコドッコイか、上司は。


濃いマツ刑事の部屋の地下を探っていたのど刺し捜査官は、8畳くらいのコンクリート剥き出しの部屋へ。そこには、4作目で生前のジグソウがアジトに用意していた、ガラス片が敷き詰められた棺桶のような透明な箱があったのだ。用心しながら、その中のテープレコーダーを取り再生する。えーと、君は事件に首を突っ込みすぎた。しかし、この棺桶ケースの中に入れば君は助かる。とかそんな内容。入れるかよ!! という顔ののど刺し捜査官が後ずさる。バカだなぁ、ジグソウは嘘をつかないでしょ。


そこへ濃いマツ刑事が現れるが、部屋の中にのど刺し捜査官の姿がない。ていうか、まさかドアの後ろに!? こんな古い手にあっさりと引っかかってくれる濃いマツ刑事の背後から、飛び出したのど刺し捜査官が羽交い締めにし2人が床に転がる。2人とも体型と髪型と顔が似ているオヤジ同士だから、至近距離で動きが早くなると、どっちがどっちだか分かりにくくてしょうがない。のど刺し捜査官がパンチ、パンチ、パンーチ、頭突きで鼻血ブー!! のど刺し捜査官は、棺桶ケースの中へ濃いマツ刑事を突き飛ばし、勢いよく蓋を閉めた。


その瞬間、棺桶ケースに鍵がかかり、その部屋の鋼鉄の扉が締まる。ほらきた!! 壁の外側でガラガラと歯車が動き始め、四方の壁が中心に向かってゆっくりと動いてくる。どんな大仕掛けなんだか、のど刺し捜査官呆然!! 棺桶ケースの蓋を開けようとするがビクともせず、弾がなくなるまで発砲してもケースに傷ひとつつけられない。動く壁を制止させるためのスイッチも見当たらない。部屋には棺桶ケース以外のものはなく、壁はどんどん迫ってくる。声は聞こえないが濃いマツ刑事の口が「ゲームオーバー」を告げ、棺桶ケースが床下へ収納されていく。置いてけぼりかよ!! 必死に壁を押さえるが、みるみる迫ってくる壁に挟まれ、折れた手の骨が皮膚を突き破り、内蔵が破裂し、頭蓋骨が砕け、全身は肉塊となる。


高速回転刃でヤク中の右腕が指から肘まで裂け、叫び声すらあげなくなった頃、ついにビーカーに5リットルの血液が溜まり、鋼鉄の扉が開く。「私たち勝ったのよ」と、左腕から血を滴らせた黒髪の女が扉へ這っていく。突然開いた扉から、血まみれの女が現れ衝撃を受けた上司はジグソウの犠牲者と知り、救急車を要請。部屋の中で横たわるヤク中は動かない。同時に「ジグソウこと、のど刺し捜査官を指名手配しろ」と命令する。やっぱり、黒髪の女は手加減してたと思われる。おしまい。