11月鑑賞の映画

■『マチェーテ』-Machete- ★★★★


メキシコの連邦捜査官マチェーテ(ダニー・トレホ) は、麻薬王トーレス(スティーブン・セガール) の逮捕を目前にして裏切りに遭い、妻と娘を殺されてしまう。3年後、米国テキサス州の町で肉体労働者として働いていたマチェーテは、不法移民狩りの自警団を率いる残忍な男(ドン・ジョンソン) から移民を守るタコス売りの女(ミシェル・ロドリゲス) と出会う。移民局の捜査官(ジェシカ・アルバ) は、恐ろしく目を惹く極悪人ヅラの寡黙な男マチェーテに目をつけ素性を調べていた。ヤク漬けの自分の娘(リンジー・ローハン) への邪な思いを抱く謎の男(ジェフ・フェイヒー) の罠にはまり、移民排斥を唱える上院議員(ロバート・デ・ニーロ) の暗殺未遂犯として指名手配されたマチェーテは、兄(チーチ・マリン) の教会に身を寄せるが・・・。ロバート・ロドリゲス監督、105分。


権力者の欲が渦巻く政治問題を背景に、己の正義を貫く不器用なオヤジの尋常じゃない強さが炸裂。腕を斬り落とし、首を掻っ切り、血飛沫が舞う、手当たり次第にブチ殺す、痛快バイオレンス・アクション。顔を認識する間もなく、常に誰かしら死んでいく殺戮に次ぐ殺戮で、小腸をロープ代わりにしたバンジージャンプには大爆笑。グレートキャニオンみたいな顔したダニー・トレホが、何故だかモテる、モテる、美女たちが無駄に脱ぐ、脱ぐ。クライマックスの自警団と不法移民との対決には、コスプレ娘も参戦し派手に盛り上がる。てっぺんハゲの大根野郎セガールは悪役が似合う。豪華キャスト陣に加え、絡む場面はないけど「ナッシュブリッジス」の名コンビのドン・ジョンソンチーチ・マリンも出演。


■『ストーン』-stone- ★★★


引退間近の仮釈放管理官ジャック(ロバート・デ・ニーロ) は、祖父母殺害の共謀と放火の罪で服役中のストーン(エドワード・ノートン) の担当となる。仮釈放を切望するストーンは、出所を待ちわびる妻ルセッタ(ミラ・ジョヴォヴィッチ) にジャックを誘惑させようと企む。やがて、自己啓発に傾倒し精神世界を語り始めるストーンとは対照的に、ルセッタの妖艶な肢体と美貌にジャックはのめり込んでいく・・・。ジョン・カラン監督、109分。


しっかりしろよ、色ボケジジイ!! なんて言っても無理で、ミラ・ジョヴォヴィッチから耳にフゥ〜♪なんて息を吹きかけられたが最後、デ・ニーロ爺も骨抜きだ。「私はコレで(小指を立てて) 会社を辞めました」by禁煙パイポのCM状態。辞めるのは定年だからだけど。娑婆でジャックとエロ爆弾ルセッタがよろしくやってる頃、暴力と喧噪に支配されたムショで魂の充足を得ていくストーン。デ・ニーロはなんか違うって感じだったけど、収穫前のキャベツ畑みたいな頭したエドワード・ノートンがほんとに巧い。どうでもいいが、ジャックの妻マデリン役のフランセス・コンロイが、グリーンマイルの署長役などでお馴染みのジェームズ・クロムウェルにそっくり。男だよ。ジジイだよ。取りあえず従順な女を本気で怒らせるとコワイという映画だ。全然ちがう。