ネタバレ劇場「ウォンテッド」

※だいたいのところをオチまでテキトーに書いているあらすじです。
『ウォンテッド』-Wanted-
[監]ティムール・ベクマンベトフ 

[原]マーク・ミラー
[出]ジェイムズ・マカヴォイ/アンジェリーナ・ジョリー/モーガン・フリーマン 

2008米/東宝東和 [上映時間] 110分・R-15


1を倒して、1000を救う


1000年前、世界の均衡と秩序を保つため、織物職人たちが暗殺者組織“フラナリティ”を設立した──。・・・なんで織物職人が!?


現代、アメリカ。周囲を警戒しピリピリしている悪人ヅラのオヤジが、高層ビルの一室に入ってくる。200m離れた向かいのビルの屋上にいる作業員たちを、表情が分かるほどの恐るべし視力の良さで敵ではないと判断し、背を向けて細工の施された弾丸の出所を調べるように秘書に指示する。次の瞬間、額を撃ち抜かれた秘書は即死。


向かいのビルの屋上で銃を構えている作業員を見て、脱兎の如くオフィスから飛び出した悪人ヅラのオヤジは、エレベーターへ向かってまっすぐ長い廊下を一目散に逃げ出した。じゃなかった。エレベーターの奥の壁がへこむほど足を踏ん張ると、人間をフラつかせるギャグマンガなスピードで廊下を疾走。がっしゃーーーーーーーーーーん!! オフィスの窓ガラスを顔面でブチ破り、向かいのビルの屋上へ向かって跳躍した。うそーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!


走り幅跳びの世界記録を永遠に塗り替えた重力無視のスーパージャンプの最中に、拳銃を抜いた悪人ヅラのオヤジが立て続けに発砲し、作業員の男たちに銃を構える隙を与えず、1人残らず撃ち殺して屋上に着地。百万年早いんだよコンチクショーな傲慢さで、死んだ作業員の尻ポケットで鳴り響く携帯電話を取る。電話の相手の「これは罠だ」という言葉と足下の目印で、自分がターゲットとなる位置に立っていると気づいた瞬間、後頭部から額の中心へ弾が貫通する。てっきりこのオヤジがラスボスだと思っていたのに、もう死んだ。その弾が発砲される少し前に溯り、遥か遠ーーーーーーーーーーくに建つ小さな家の一室で、謎の男クロス(以下、スナイパーの男/トーマス・クレッチマン) が引き金を引く。遠すぎだろうが!!


ウェスリー・ギブソン(ジェイムズ・マカヴォイ/ナルニアのタムナスさん) は、Googleで自分の名前を検索しても1件もヒットしない平凡な会社員。仕事しろよ!! 爆音とともに激しく揺れる高架線路沿いのアパートで、パッとしない顔の恋人と暮らし、その恋人と浮気しているアホヅラの同僚は、イヤなヤツではないがうすらバカで隣の席にいる。激デブの女上司にネチネチと嫌味を言われ続け、とことん情けない日常に爆発寸前の怒りをかろうじて抑えこんでいるウェスリーは、ストレスがピークになるとパニック障害の発作を起こし、激しい動悸とともに、激デブの女上司のブルンブルンと揺れるアゴ肉や、ガチャガチャと鳴らすホッチキスの音を聞き分けられるほど、「視覚」と「聴覚」がスローダウンするのだ。害獣駆除とかやったらどうだろか。


この夜もいつも通りスーパーマーケットへ立ち寄ったウェスリーは、いかにも怪しすぎる男(冒頭のスナイパーの男) の視線を感じ、処方薬を待つ間に至近距離で見つめてくる、アヴリル・ラヴィーンみたいに目の周りが真っ黒けの謎の女フォックス(以下、アンジー姐さん/アンジェリーナ・ジョリー) の視線に落ち着かない。ひとしきりウェスリーを見つめていたアンジー姐さんは、「あなたのお父さんを知っていた」と話しかけてくる。ウェスリーの父親は彼が産まれて1週間後に家を出て消息不明だったが、「昨日、死んだ」というのだ。顔面で窓ガラスをぶち破りスーパージャンプした、あの悪人ヅラのオヤジが!!


と、唐突にクリンゴン人(※)のような鬼の形相で振り向いたアンジー姐さんが、スナイパーの男に向け発砲。商品は片っ端から弾き飛ばされ、逃げ惑う客たちで店内はパニックに陥る。弾丸無制限の銃撃戦に呆然のウェスリーは、アンジー姐さんにしっかりと首根っこをつかまれていて逃げられない。隙をみてなんとか店の外へ逃げ出すが、貨物トラックに乗ったスナイパーの男がウェスリーを追いかける。ターミネーターかっての!! すんでのところで、猛スピードで突っ込んできたアンジー姐さんが助手席の扉を開け放ち、派手にスピンして、頭を抱えて立ちすくんでいたウェスリーを助手席に“放り込み”逃走。
スター・トレックに出てくる、額が脳みそみたいにシワシワの異星人。


周囲の車を小突き倒し爆走するアンジー姐さんはウェスリーに運転を任せると、フロントガラスをブチ破ってボンネットに寝転がり、スナイパーの男と激しく撃ち合う。フツーに後ろを向いて撃った方が当たると思う。弾切れした銃を取り替えながら銃撃戦は続き、街中を木っ端微塵の破壊の限りを尽くしつつ、再び運転を変わったアンジー姐さんは、ワニのデスロールの如く車を宙で回転させ、立ち塞がるパトカーの側でポカ〜ンと見上げる警官たちの頭上を飛び越える。スナイパーの男を撒いたアンジー姐さんは、失神したウェスリーを連れて街外れにある要塞のような織物工場へ入って行く。


恐ろしげなヤツらに囲まれ恐怖に脅えるウェスリーの前に、彼らのボスであるスローン(以下、モーガン爺/モーガン・フリーマン) が現れる。自分たちは“フラナリティ”という秘密の暗殺者組織で、ウェスリーの父親も凄腕の暗殺者だったと言う。ものすげえジャンプしてたけど、ありゃ人間か? スーパーマーケットでウェスリーを狙ったスナイパーの男と、モーガン爺、ウェスリーの父親の3人で組織を率いてきたが、スナイパーの男が組織を裏切り、フラナリティの暗殺者たちを次々と殺しはじめた。そして昨夜、ウェスリーの父親も殺されたのだ。スナイパーの男はウェスリーの命も狙っているという。ちなみに公式サイトによると、“ギリシャ神話の時代から神に代わり「運命の意思(will of the Fates)」を実践してきた暗殺組織”だそうだ。ギリシャ神話の時代からって、そりゃ神話だろ。


秩序を守るための「掟」に従い暗殺を実行するという彼らに、「人殺しだろう」とウェスリー。モーガン爺はウェスリーに父親の形見である拳銃を手渡すが、ウェスリーには銃の扱い方も分からない。グダグダ言い続けているウェスリーの後頭部へハゲの暗殺者が銃が突きつけ、モーガン爺はバケツの中にいる蠅の羽だけを狙えと命令する。できるかよ!! やらなければ本気で殺されると悟り、ウェスリーの心臓が早鐘を打つ。極度のストレスでパニック障害の発作が起きたウェスリーは、蠅が静止して見えた瞬間に6発発砲。モーガン爺は羽のない3匹の蠅を手の平に乗せてウェスリーに差し出す。ホントかよ!!


ウェスリーはパニック障害などではなく、心拍数が400以上に上がると膨大な量のアドレナリンが分泌され、身体機能の速度が急激にスピードアップする特異体質なのだ。心拍数400って死んでるだろ。世界の限られた人しか持たない能力がウェスリーの父にも、彼自身にもあり、モーガン爺は彼が組織に入るのは宿命だと歓迎する。ウェスリーは織物工場から逃げ出した。


翌朝、リアルな悪夢を振り払い目覚めたウェスリーは、父親の形見の拳銃に驚愕、取りあえずトイレタンクへ隠して出勤した。亡き父親の預金がそっくり口座へ入っていると、モーガン爺に教えられた事を思い出しATMヘ立ち寄ると、ケタが多すぎて分かんなかったが(3千万ドルだった気がする) 大金が入ってる。うそー!! そして、昨夜のスーパーマーケット銃撃事件の記事に、自分とアンジー姐さんの顔写真が掲載されているのを見つけて嬉しくなったウェスリーは、いつものように彼をいびりにやってきた女上司をケチョンケチョンに罵ってやり、アホヅラの同僚の顔面をキーボードでパーンチ!! 鼻血ブーーーーーーッ!! 退職し清々したウェスリーは、少しくらいは変装しようという気もなくエントランスで待っていたアンジー姐さんの車へ乗り込む。


無意味な日常から刺激的な世界への期待に、はやる気持ちを抑えられないウェスリー。蠅の羽を撃ち落とした事で自惚れ、すぐにも暗殺者としての仕事を始められると勘違いしているウェスリーに、モーガン爺はアンジー姐さんに教育係を任せる。「クロス(父親を殺した男) を倒せるのはウェスリーしかいない」とモーガン爺。


ウェスリーを射撃練習場へ案内したモーガン爺は、「弾は曲がらないと誰が決めた?」と、的との中間にアンジー姐さんを立たせて腕を大きく振って発砲。どこを狙ってるんだか!! 弾丸はアンジー姐さんの頬をかすめ、90度の角度でグイーンと急カーブ!! 真横の的のど真ん中に命中する。なんで!! ウェスリーにもこの“弾を曲げる”特殊能力があるというのだ。なんだかスゴイ展開になってきた。そして、巨大な織物機のある部屋へウェスリーだけを連れて行く。壁から無数の織糸が織り機へ向かって伸びており、織り上げられていく巨大な織物には二進法で暗号が織り込まれている。それが次の暗殺ターゲットの名前で、モーガン爺はそれを読み取り暗殺者に伝えているという。めんどくさー!! ていうか、名前しか分かんないのに同姓同名はどうすんだ。その誰からの指令だか分からない「神の意思」に、千年もの間ずっと従ってきたらしい。もしかしてバカ?


スナイパーの男改め「父親を殺した男」を倒すため、ウェスリーは過酷なトレーニングを開始。目に見えない早さで左右に動き続ける織物機のシャトルを掴み取る訓練で血を流し、走行中の列車の上でトンネルを潜り抜けようとして全身を擦りむき、ハゲのザ・ガンスミス(コモン) に銃で撃たれ、ヘタレな思考を矯正するザ・リペアマン(マーク・ウォーレン) にはボコボコに殴られ、ナイフ使いのデブのザ・ブッチャー(ダート・バクタデツ) とは素手で闘わされる。何度も死にそうになるが、白血球を増やして傷を治すという蝋燭を溶かしたような浴槽へ浸かり、致命傷の大怪我はみるみる回復していく。なんじゃそら!!


この回復風呂では、「ベオウルフ」の時には、つるつるピカピカだったアンジー姐さんの美尻から全面刺青の美背中までを、ボディ・ダブルじゃないわよ〜と言いたげに、舐めるように映してくれる。う〜ん、眼福。回復室にいるザ・エクスターミネーター(コンスタンチン・ハベンスキー) とは仲良くなり、ネズミはチーズではなくピーナッツバターが好物だと伏線まる分かりで教えてくれる。気づかなかったが、「ナイト・ウォッチ」シリーズの主演の人。


大怪我しては回復するを繰り返し心身ともに鍛え上げられていくウェスリー。しかし、弾を曲げるという未知の感覚に戸惑うウェスリーを見かねたアンジー姐さんは、自分が的との中間地点に立つ。これでサックリ死んだら大爆笑。テニスのフルショットの如く大きくサイドスローで引き金を引いたウェスリーの弾丸は、アンジー姐さんを避けるように曲がり的の中心に命中。ウェスリーの眠っていた潜在能力が覚醒する。


ウェスリーの初任務は、誰だか忘れたがビジネスマン風の若い男。スピードを上げる列車の上から、打ち合わせ中のターゲットを狙って弾を曲げて殺す計画。しかし、どうしても引き金を引く事ができない。そんなウェスリーに、アンジー姐さんは判事だった父親が犯罪者に生きたまま焼かれた事、その1週間前にフラタニティの1人がその男の暗殺に失敗した事、その後、自分がフラタニティのメンバーとなった過去を告白。「1を倒して、1000を救うのよ」とアンジー姐さん。掟こそが正義だと信仰する彼女の姿勢に迷いは消え、ウェスリーは最初の任務を成功させる。


次々と任務を成功させるウェスリーの上達ぶりに、お目付役のアンジー姐さんも一目置くようなる。ある夜、父親の形見の銃を取りに自宅へ戻ったウェスリーは、部屋にいたアホヅラの同僚の顔面をパーンチ!! 鼻血ブーーーーーーッ!! トイレタンクから銃を取り出したウェスリーを元恋人が罵倒すると、アンジー姐さんがすーっと部屋に入ってきてウェスリーとの情熱的なキスを見せつける。まったく、外国人はいきなりするから驚く。アパートから出てアンジー姐さんが車を取りに行っている間に、父親を殺した男を見つけたウェスリーが発砲するが当たらず追いかける。廃ビルの中へ逃げ込んだ父親を殺した男へ向け弾を曲げて狙うが、同じように弾を曲げて撃ってきた銃弾とぶつかり合う。その時、背後に気配を感じウェスリーが発砲。組織のメンバーたちとともに駆け付けたザ・エクスターミネーターの胸を撃ち抜いてしまう。


回復室のお風呂の甲斐もなく、ザ・エクスターミネーターは死亡。モーガン爺に呼ばれたウェスリーは、ついに父親を殺した男への暗殺の指令を受ける。だから、誰から指令が来るんだ。ウェスリーが部屋から出て行くのを見届けたモーガン爺が、次の暗殺指令を下しアンジー姐さんが受け取った。そこには“ウェスリー”と書いてあったのだ。半径1キロ圏内しか暗殺指令が出ないし。


父親を殺した男が使った弾丸の中で初めて足取りが掴めたウェスリーは、罠と知りつつ1人でフラナリティが始まったどこかの国の織物工場へ。待ち構えていたペクワースキー(以下、テレンス爺/テレンス・スタンプ) に殺されそうになったところをアンジー姐さんに救われる。お父ちゃんを殺した男の銃弾はテレンス爺が作っており、2人はテレンス爺を脅して、彼と合わせるため列車の駅へ。しかし、テレンス爺が逃げ出し、父親を殺した男が乗っている列車に、ウェスリーだけがかろうじて乗り込む。アンジー姐さんはすぐさま駅を飛び出し、当たり前のように奪った車で列車と平行して走りながら発砲。車のスピードを上げ、車両の真ん中辺りに向かってドカーンと突っ込んだ。まったく、ムチャクチャやるから。


車の前半分を車両にめり込ませたまま列車は走行。ウェスリーと父親を殺した男の撃ち合いは続くが、同じように弾丸を曲げるため、銃弾同士が激突を繰り返す。立っている客がちらほらいるほど乗客がいるがお構いなし。アンジー姐さんが突っ込んだ車のせいで列車は不安定になり、よりによって底の見えない恐ろしくバカでかい渓谷の途中で脱線。ここはどこの国なんだ。車両が次々と落下していき、ウェスリーと、ウェスリーの遥か下の方でアンジー姐さんが必死に車内へ這い登る。乗客たちがすっかり居なくなってしまったが、どこへ消えたんだ。


その時、車両にぶら下がるウェスリーの手を、父親を殺した男が引っぱりあげ、ウェスリーはその胸に発砲。瀕死の父親を殺した男は「私がお前の父親だ」と告げる。なんですとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! いちいち怪しい動きしやがって、最初っからそう言ってくれよ!! 父親を殺した男改め「本当は父親だった男」は死に、ウェスリーに向けて銃を構えているアンジー姐さんに本当の事だと言われ呆然。撃ち合いの末にウェスリーを乗せた車両が落下し、そうとう落ちたところで谷間に引っかかる。アンジー姐さんはウェスリーが死んだとモーガン爺に報告する。


回復風呂で目覚めたウェスリーに、テレンス爺が話し始める。渓谷に引っかかった列車からどうやって助けたんだ、ジジイ。その部屋は、高架線路沿いのウェスリーが住んでいたアパートの目の前で、部屋の窓がよく見えた。壁には幼い頃からのウェスリーの写真がズラリ。息子を暗殺者ではなく普通の人生を生きて欲しいと願っていた、と聞かされる。ある時、次の暗殺ターゲットの暗号に自分の名前を見つけたモーガン爺はそれを隠し、自分の都合のいいように暗殺ターゲットを決めて組織を率いてきたのだと言う。それに気づいたウェスリーの父親は組織を潰そうとしたが、父親を始末するため息子を組織に引き入れようとしていると知った時には、アンジー姐さんに先を越されてしまってた、というワケだ。


怪我が回復したウェスリーは父親の部屋の隠し部屋を見つけ、無数の武器とさまざまな作戦図を発見。無数のネズミに時限式のプラスチック爆弾を装着させて織物工場へ潜り込ませようとしていたと知る。自分を騙し父親を殺すように仕向けたモーガン爺への復讐を誓うウェスリーは、ネズミの好物のピーナツバターを大量に買い込んだ。


トラックで織物工場へ突っ込んだウェスリーは、荷台に詰め込んだもの凄い数のネズミを解き放つ。モーガン爺はウェスリーの殺害を指示。ネズミが一斉に爆発し、その混乱に乗じてウェスリーが工場内へ駆け込むと、次々と襲いかかる雑魚キャラ暗殺者たちをメチャクチャやって撃ち殺し、腕をクロスさせた2丁拳銃の右手を縦に、左手を横にして撃ちまくる。この人たちはモーガン爺に操られていただけなのに!!


片っ端から暗殺者たちを殺し続けたウェスリーが、モーガン爺の部屋へ辿り着く。なんでか、武器を持ってきてない。アンジー姐さんを始め、ザ・ガンスミスたち10人近くの暗殺者が、丸い部屋の壁沿いに一定の間隔を空けて立ち、部屋の中央にいるウェスリーを取り囲む。ウェスリーは父親の部屋に残されていた、モーガン爺の名前が書かれた暗殺指令の織物を頭上へ掲げ、現在のフラナリティはモーガン爺の仕組んだ偽りだったと告げる。激しく動揺する暗殺者たちの問いかけに応じ、モーガン爺はその場にいる全員の名前が書かれた暗殺指令の織物を、次々と放り投げながら現れる。組織の暗殺者たち全員に殺害指令が下っていたのだ。モーガン爺は、掟を守って自ら死ぬか、ウェスリーを殺して組織を存続させるか選択を迫る。


死にたくないザ・ガンスミスがウェスリーに銃を向けた瞬間、アンジー姐さんがウェスリーに向けて彼の銃を放り投げ、同時に勢いよく腕を振って真横に発砲、“GOODBYE”と彫られた弾丸が飛ぶ。用意してたのか!! 弾はザ・ガンスミスのこめかみを貫通し、その隣にいる暗殺者のこめかみを貫通し、その隣にいる暗殺者のこめかみを貫通し、その隣にいる暗殺者のこめかみを貫通し、その隣にいる暗殺者のこめかみを貫通し・・・って、いつまで飛んでるんだ!! 投げられた銃を受け取ろうとウェスリーが手を伸ばし掴む直前に、フラナリティの誇りを持ち続けたままアンジー姐さんのこめかみを弾が貫通。ウェスリー以外の暗殺者全員が、ドミノ倒しのように輪になって死に、モーガン爺1人が大急ぎで脱出。ウェスリーの預金残高は14ドルになっていた。もう少し残しておいてくれてもいいじゃん!!


どこかの企業のオフィス。自分の名前を検索し詰まらない人生に逆戻りしたウェスリーの頭部に狙いをつけたモーガン爺が現れる。モーガン爺の携帯電話が鳴り取ると同時に振り返った男はウェスリーではなく、「これは罠」だとウェスリーに言われ、足下の目印を見て悟ったモーガン爺の後頭部から額に弾が貫通し、鳩が豆鉄砲食らってプーみたいな笑える顔で死亡。その弾が発射される少し前、遥か遠ーーーーーーーーーーーーーーーーくの小さな家で、顔で窓ガラスをブチ破った悪人ヅラのオヤジを、父親が冒頭で狙撃した同じ部屋の同じ銃で、ウェスリーが引き金を引く。アイデンティティを問いかけ続けたウェスリーの、新しい人生が始まる。おしまい。