温泉バスツアーへゴー!! ドリアンを超える? 温泉おかゆ編

昨日の続き。奥塩原の観光サイトに各旅館の最寄りのバス停一覧表があり、その時刻表から観光計画を立てていたのだが、元泉館の最寄りとなっていたバス停からは、とても歩けるような光景ではない、急で狭い山道を走りに走って、急カーブを曲がりに曲がって4km、13時10分に旅館に到着。4kmの距離を最寄りと言っていいのかコンチクショー!! 公式サイトにちっさく4kと書いてあったのも見逃した。そこは大きく書くトコだろうが!! 事前に予約しておけば駅まで送迎バスがきてくれるようだが、滞在していた3日間は自家用車できた人しか見かけなかったので、バスを利用するような人はほとんどいないのかも知れない。


今回のバスツアーの参加者は33名で、ロビーで鍵を受け取り散り散りに部屋へ向かう。半数くらいが“観月”や“桃源”などの「漢字」の部屋名の別館。私を含む残り半数は、ミケタの数字で本館2階。チッ、漢字の方が良さげな響きなのに。と思いきや、本館の部屋はベッドルーム+8畳の和洋室で広く、別館は畳の部屋のみで3日間の滞在中は万年床状態。今回はバスツアー客が泊まる別館の部屋数が足りず、早く申し込んだ人は和洋室となったそうだ。1番乗りでラッキー!! 別館になったオバちゃんが、1泊ずつ交換出来ないか交渉したが断られたと言っていた。危ない、危ない。


いちいち開け閉めがうまくいかない鍵をガッチャガッチャと回し部屋へ入ると、ぷぅ〜んと硫黄くさっ!! 廊下は臭くなかったのに部屋に入った途端に硫黄くさっ!! 気を取り直して、硫黄くさい部屋で、用意されているおまんじゅうとごぼうせんべいを食べる。以前参加したバスツアーでガイドさんが「お部屋をお貸しします、という意味なんですよ」と教えてくれた。駄洒落かよ!! 硫黄くさいのもあっという間に慣れて感じなくなった。


施設の案内をくまなく読んだが、観光施設までの送迎バスはなく、タクシーを呼ぶ場合は前日までにフロントに申し込むようにとのこと。ホントかよ!! 初日の観光を諦め温泉へ。元泉館の温泉は3カ所あり、泉質は、含硫黄ナトリウム塩化物炭酸水素塩温泉。日中に入れるのは大浴場と露天風呂のある「高尾」。ここのみ2時間800円で立ち寄り湯ができる。バスツアーのオバちゃんたちで大混雑しており、部屋の10倍くらい硫黄くさい。かなり硫黄くさいな〜、と思いつつ浸かっていると、これもあっという間に気にならなくなる。人間の不思議!!


番頭さんに聞いたというオバちゃんが教えてくれたところによると、内湯が40度、露天は38度。38度の露天ではぬるいんじゃないかと思ったが、やっぱり源泉かけ流しは温まり方がちがう!! 真冬の朝のお布団の中で微睡んでいるような感覚。「あと5分〜」とグズグズしたくなり思わず長湯してしまう。この温度は相当気持ちいい。汗は出ずに身体の中がじんわり温かく、風呂から上がった後もポカポカが続いてる。ここの温泉は大正解!!


夕食まで4時間もあるため元泉館の近くを散策。と言っても、見渡す限り旅館が3件と民家が1件しかない。ときどき立ち寄り湯か宿泊客と思われる車の出入りがあるくらいで、ものすごく静か。徒歩20分のところに「上滝」と展望台があるというので、取りあえず行ってみる。山道をぶらぶらと上って、5分くらいのところに看板が。10段くらいの階段を上ると、地面の方がよっぽど綺麗なうすら汚いベンチと、屋根。展望台を名乗っていいのかと説教してやりたくなるチンケな展望台と、滝は地味なやつが遠くの方でザバザバと流れてるだけ。観光終わり。ハァ、お店も無エ、観光も無エ、自動車もそれほど走って無エ!! 俺ら東京さ行ぐだが脳内BGMと化す始末。


仕方ないので旅館へ戻り、夕食までゴロゴロ転がりながらテレビを観て、旅館の案内を30回は読んで、あまりにもヒマなので風呂にもう1回入りに行く。50回くらい時計を見て、やっと6時になり宴会場へ。夕食はカツオのたたき、薄切りの牛肉焼き、ゆば、お吸い物、山菜。肉のグレードが低いとか枚数が少ないとか、料理が少しずつ間引きされているような、一泊5〜6千円の旅館の夕食という感じ。果物がないのが寂しいけど。旅館の料理は品数が多すぎて食べきれないので、これはこれでちょうどいいくらい。客室番号順に座るため、ん? オヤジ夫婦が隣になり「ほら、カツオだ。ん? 」「ほら、ゆばだ。ん? 」などと、並んだ料理を端から「ほら○○だ、ん? 」を連発。ほらって言われても、オヤジ!!


夕食後フロントへ立ち寄り、タクシーで湯っ歩の里まで行くといくらくらい掛かるのか聞いてみた。すると、え? アンタ、タクシーで行く気? というような顔で、「片道15分で3千5百円くらいですよ」と教えてくれた。往復7千円もするのかよ!! おまけにタクシーの台数が少ないらしく、前日のうちに「帰りも乗せてもらえるのか」相談してから呼ばなくてはいけないらしい。どんな田舎なんだよ!! 練りに練った私の観光プランには、旅館が僻地だった場合のBプランはないため観光計画中止。上滝の他に旅館の周辺にあるのは、2時間程度の赤川渓谷歩道ハイキングコースだけ。あうー。夕食後はテレビ観てゴロゴロして2回温泉に入って、する事がないので22時に就寝。


お腹が空きまくって目が覚めたので、温泉へ。朝食は、温泉おかゆ又は温泉で炊いたご飯、つくだ煮、のり、味噌汁、卵焼き、酢の物。隣の席から「しょうゆ、ん? 」「のり、ん? 」「おかゆ、ん? 」と、オヤジの「ん? 」も朝食バージョンになっている。こういう面白いオヤジがいるからバスツアーは大好きだ。硫黄の匂いがしたらキツイだろうと思っていた温泉おかゆは、匂いは全くしないが、コントレックスおかゆを作ったような感じ。なんていうか、水が重たい。ちょっとクセがあり、お茶碗一杯も食べきれそうにないと思いながら、箸でちびちびと食べていると(箸しかないので食べにくい)、みるみると食欲が出てきて、食べる食べる、お代わりまで頼んで、食べる食べる、どんどん食べられる。ホントかよ!! お年寄りたちも何人かおかわりしていた。最初はちょっとクセが気になるけど、これはハマるかも。翌日もお代わりした。


食休み後にハイキングへ。旅館でもらった何だかさっぱり分からない地図を手に、昨日の上滝よりもっと山の上へ。赤川渓谷歩道と書かれた看板からハイキングコースが始まり、上って、上って、上って、上っていく。晴れて暑かったが木の葉で日差しが遮られてすごく涼しい。ほんの10分歩いた頃、岩がゴロンゴロンと崩れている場所があり、それ以上先には行けなかなった。うそー!! 苔だらけの崩れてきた岩場をやり過ごせば10m先からまた道は続いているけど、危ないので引き返した。この日はこれで2時間は時間つぶし出来ると思ったのに!! つい最近に崩れた場所とは思えず、入口の看板のところに書いておけと腹が立つ。バスツアーのお年寄りの参加者の何人かは強引に行ったらしい。なんで行くのよお年寄り!!


11時半に部屋に昼食の山菜うどんが運ばれて来た。食べ終わった瞬間にお腹が空いて悲しいので、売店でアイスを買って食べながら、テレ東の午後のロードショーを観る。この日は「遊星からの物体X」。木曜洋画劇場もそうだけど、午後のロードショーのラインナップも素敵。


温泉の2つ目は岩風呂「邯鄲の湯」。カランが2つで浴槽も狭いものの、宿泊客しか入れないので空いていた。以前は混浴のみという恐るべし温泉だったらしいが、4月1日から15時〜20時30分が女性専用、21時〜翌朝9時が混浴に変更。普通に男女の時間帯に分ければいいのに、何故か混浴文化は継続中。ここは42度と熱いので日中にさっと入るのに良かった。ここの源泉を使って朝のおかゆを作っている。この近くに飲泉所があるので飲んでみると、大湧谷で硫黄の匂いを嗅ぎながら、ステンレスのシンクを舐めているような感じ。分かんないよ!! とにかく、硫黄くさくて、金属味っぽくて、水が重たくて飲めやしなかった。


3つ目の温泉は檜風呂「宝の湯」で、15:00〜翌9:00。ここもカランは2つで浴槽も6人がやっとというくらい。硫黄と檜の匂いがどちらも強く、硫黄くさくて、檜くさくて、硫黄くさくて、檜くさくて、なんともヘンテコな匂い。ここは40度の快適温度。2日目の夕食は、手づくり胡麻豆腐、刺身3種、豚肉と椎茸の朴葉焼き、鱒の塩焼き、お吸い物、高野豆腐、漬物、ご飯をお代わり。


3日目は10時にチェックアウトとなり、その後は休憩所で帰りのバスの到着予定の14時まで待つ。朝、温泉に入り、8時に朝食。鮎の甘露煮、ふりかけ、蕗と豆腐の味噌汁、山菜の和え物、山菜の何か。温泉おかゆをお代わり。休憩所は朝夕食の宴会場とは別の少し小さめの宴会場。残念ながら、ん? オヤジとテーブルが離れてしまい会話が聞こえなかった。残念。ほとんどの人は散策に行き、残った人たちはみんなゴロゴロと寝ているか、持参した文庫本を読んでいる。滞在中に上滝に4回も行ったオバちゃんがいた。


結局、午前中だけで3回温泉へ。男湯へは立ち寄り客たちが何人も入っていくのが見えたが、女湯はバスツアー客のみ。前日に岩風呂で会ったおしゃべりなオバちゃんと、嫁姑問題の悩みを延々と聞かされたおしゃべりなオバちゃんと、バスツアー好きのおしゃべりなオバちゃんと露天風呂で一緒になってしまい、トリプルパンチのおしゃべり攻撃に相槌を打つのが精一杯で、風呂から上がるタイミングを逃し長湯に。11時半に宴会場に昼食のカレーが運ばれてきた。昨日の山菜うどんも驚いたが、カレーもある意味衝撃的。食後にもう1回温泉へ入り、次のバスツアー客と入れ替わりに13時半にバスに乗り込み帰路へ。元泉館のまとめ。温泉が目的で自家用車で行くなら、温泉おかゆも美味しいので大満足。格安バスツアーでは、3日間浴衣が同じ。お茶とポットは毎日変えてくれる。朝・夕食はいいが、昼食は貧相。終わり。


・・・じゃなかった。その夜、お風呂に入って仰天。湯船に浸かった瞬間、自分から硫黄の匂いがぷぅ〜〜〜ん。くさっ!! 硫黄くさっ!! 全く自覚がなかったけど、滞在中に着ていた肌着、下着、Tシャツ、ハンカチ、持って帰ってきたタオル等、身体と接触していたもの全てが硫黄くさい。ていうか、恐ろしく自分が硫黄くさい。もう、大袈裟なんだから〜、じゃなくて!! 滞在中に着ていた3日分の衣類全てを「6回洗濯」しても、まだ臭いのだ。ほんとかよ!! いや、ホントなんだってば。洗濯を重ねているうちに、もはや硫黄の匂いではなく、煙くさいヘンテコな匂いになっている。なんだこりゃ、化学反応を起こしたか!? これ以上洗濯を続けても匂いが消える気がしないので、この3日分の衣類の全てを廃棄処分とするか悩んでるところ。今まで硫黄の温泉に浸かった時にはこんな事はなかったので、温泉おかゆが原因ではないかと思う。食べた翌日のウンコまで臭かったドリアンを超える、恐るべし温泉おかゆ。お気に入りの洋服で宿泊しないよう注意されたし。


そういえば、帰宅した日に別の旅行会社の秋旅パンフレットが届いていて、「感動の島 佐渡島3日間」のページに、「私がお待ちしております」と、ハッピ姿の外国人の白髪ジイさんの写真が。なんと、拉致被害者曽我ひとみさんのご主人ジェンキンスさん。なにやってんだ? ジェンキンスさん!! 注意書きには「ジェンキンスさんの体調・勤務都合により、会えない場合があります」とある。いやいや、体調がどうのこうのいう前に、会ってみたいか? ジェンキンスさん。