ネタバレ劇場「ハプニング」

※だいたいのところを思い出してオチまでテキトーに書いているあらすじです。


『ハプニング』-The Happening-
[監][製][脚]M・ナイト・シャマラン

[出]マーク・ウォールバーグ/ズーイー・デシャネル/ジョン・レグイザモ

2008米/FOX [制作データ] 91分・PG-12


人類は滅びたいのか。


ニューヨーク、8時33分。市民が憩うセントラルパークに女性の悲鳴が響き渡る。もうきたか!! しかし、誰1人として注意を払わない。それが世界の終わりの始まりだった。さすが上映時間91分、前置きもなくいきなり本題に突入した。唐突に会話が噛み合なくなった無表情の友人の様子に恐怖を覚えた若い女性は、周囲の異変に気づく。公園にいたほとんどの人たちが、時が止まったかのように立ちつくしていたのだ。公園が丸ごとだるまさんが転んだ状態。30秒だけ時間を止める腕時計、タイムストッパーを持つスーパージェッターが未来からやってきたか!!


立ちつくす人たちを呆然と見つめる若い女性の隣で、カクカクと動きがロボコップになってる友人が、殺し屋の如し先端の尖った髪留めをスルスルと引き抜き・・・自らの首をザクッと貫く。立ちつくしてした人たちは後ろ向きに歩き始め、スイッチを切られたようにバタバタと倒れていく。地球人の脳みそを乗っ取る宇宙人襲来か!!


そこから3ブロック離れた工事現場では、屋上にいた作業員が叫び声もなく転落死した。地上の作業員たちが仲間の不幸な事故を嘆く間もなく、ふたたび屋上から作業員が落下し周囲は騒然となる。恐る恐る天を仰いだ作業員の男は、仲間たちが次々と身投げしてくる絶望的な光景に、成す術もなく呆然と立ちつくす。取りあえず、次々と降ってくる仲間を右左、右左、右左と避けなくちゃ!!


渋滞で動かない車の運転手と談笑していた警官が、次の瞬間には黙り込み、拳銃に手を伸ばす。パーン!! うそーと驚かずに運転手は無表情。額を撃ち抜き倒れた警官の遺体から拳銃を取った運転手も自らの頭部を撃ち、転がった拳銃を拾った女性も発砲音に続き、倒れこむ。次々と、次々と、次々とー!!


全米各地で姿を消したミツバチの原因を考える授業をしていた、フィラデルフィアの高校の科学教師エリオット(以下、主人公教師。マーク・ウォルバーグ) は、セントラルバークで“見えない何かによる”テロ攻撃があったらしいとの報告を受ける。被害者の最初の兆候は“言葉の錯乱”、続いて“方向感覚の喪失”、そして“死”だ。生徒たちを自宅へ帰した主人公教師は、同僚で親友の数学教師ジュリアン(以下、親友教師。ジョン・レグイザモ) の家族とともに避難する事を決意。子どももなく、美しい妻アルマ(以下、主人公の妻。ズーイー・デシャネル)との夫婦関係がぎくしゃくしていた主人公教師は、結婚式の日から彼女の様子がおかしかったと親友教師から教えられる。いま言うな、いま!! いまはそれどころではなく、自宅へ戻った主人公教師は急いで荷物をまとめ、小洒落た装いの妻とともに駅へ急ぐ。もっと動きやすい服に着替えとけ!!


親友教師の妻は渋滞でまだ来ておらず、親友教師と彼の8才のひとり娘ジェス(以下、親友の娘)と先に混み合う列車に乗り込む主人公教師夫妻。主人公教師の妻は1度デザートを食べただけの同僚ジョーイ(声のみ出演、M・ナイト・シャマラン) から何度も電話があり困惑していたが、異変についての最新情報を得て主人公教師に伝える。やがて、しつこい野郎のイメージだけを残す彼からの連絡もなくなり、“誰とも連絡のつかなくなった”ため列車は停車。ここでか!! 大勢の乗客たちはペンシルバニアの聞いた事もない町で降ろされてしまう。ここでか!!


ダイナーで休息をとっていた主人公教師は、近くにいた女性のiPhoneに送られてきた動物園の映像に凍り付く。ライオンの群れの中に入った1人の男性が、喰いちぎられた腕を露出させながら、もう片方の腕を差し出していたのだ。ぎゃー!! テレビのニュースでは、テロ攻撃ではないと考えられるが、人間が備えているはずの生存本能を破壊する異変が、ニューヨーク、フィラデルフィア、メリーランドと大都市から小さな街へ急速に拡大していると告げる。いま、主人公教師たちがいるこの町は、異変の起こった都市を地図で示す印の中心にあった。異変地帯に取り囲まれてるし!!


ニュース映像を食い入るように見ていた客たちは、停電を機にパニックに陥りダイナーを飛び出し、車に乗り込んで猛スピードで走り去って行くが、主人公教師たちを乗せてくれる人間はいない。やっと乗せても良いという夫婦が停まってくれるが、親友教師は連絡の取れなくなった妻の救出しに、プリンストンへ行く別の車に乗せてもらうと言う。ホントかよ!! 数学者のクセにバカなんじゃないのか、親友教師。妻の死を理解しながらも、脅えて声を出せなくなった幼い娘を主人公教師に託し、身を切り裂かれる思いで別の車へ乗り込む。ていうか、行くか? フツー。


主人公教師たちを乗せてくれた夫婦は、ハウスで植物栽培を営んでおり、「植物の毒素が人間を攻撃している」と三段跳びで核心を突いた。ホントかよジジイ!! 先を越された主人公教師も、全ての説明がつく植物毒素説を確信。同乗させてくれた夫婦とともに街を出るため急ぐが、前方の通りの異変に気づき停車。ほんの数十メートル先の道の上で、何人もの人間が死んでいた。ほんのすぐそこまで!!


一方、4人の人間と乗り合う車で、静まり返ったプリンストンの街へ入った親友教師は、電線にいくつもぶら下がっている首吊り死体に驚愕。そんな高いとこでどうやって!! パニックに陥った後部座席の若い女が絶叫、きぇーーーーーーー!! すぐさま車内の通気口や窓の隙間を布で塞いだ親友教師は、計算問題を出して後部座席の女を落ち着かせようとする。落ち着くかよ!! 見渡す限りの死体がブランブランとぶら下がる通りをゆっくりと車を走らせながら、親友教師がふと上を見上げると、幌に穴が空いている。うそー!! 数センチの裂け目から車内へ風がぴゅぅぅぅぅぅ〜、ぴゅぅぅぅぅぅ〜、ぴゅぅぅぅぅぅ〜。一度停車した車は数メートルバックし、急発進して猛スピードで大木に激突、どかーん!! よろよろと車外へ出た親友教師は座り込み、割れたガラス片を拾い上げて、手首を切りつける。


主人公教師たちは進む事も退く事もままならず、四方八方の街から脱出してきた車の列が突き当たる交差点で、全ての道の先が既に汚染されていると知る。せめてマスクくらいしとけ!! 軍人青年や不動産業オヤジと相談し、地図には乗っていない住民の少ない街を歩いて目指す。100人ほどの人たちが大小2つのグループに分かれ歩いていく中、風や木の葉の揺れる不穏な気配が。風とともに死が背後に忍び寄るファイナル・デスティネーション!! 主人公教師たちの耳に背後のグループの銃声が届く。パン、パン、パン、パン、パン、パン、パーン!!


一丁の拳銃で皆が自殺してるにしゃ間隔が短すぎだろうとツッコミしている場合ではなく、もう1つのグループに起こった異変の原因を論理的に分析するため、主人公の脳ミソがめまぐるしく大回転。この一大事に考えてる場合か!! 取りあえず逃げながら考えて、早く、早く。いつにも増して鼻の穴をガッと広げて考え続けた主人公教師がハッと気づく。2つのグループの相違点は人数だけ。主人公教師は皆にバラバラに逃げるよう叫び、妻と親友教師の娘、2人の青年とともに駆け出す。ついて来るなよ!! 親友教師は同じ5人でダメだったが、イヤな感覚を与える風は主人公教師たちを素通りしていく。


やがてゴージャスな一軒家を見つけた主人公教師らは逃げ込むが、家の中にあるのは全てが偽物。また核実験場に迷い込んだかと思いきや(インディ・ジョーンズ4)、こんな野原の一軒家に作りやがって来場者は大変だと思われるモデルハウスだった。モデルハウスを後にして暫く歩き続け、もう1件古びた家を見つけるが、疑心暗鬼の住人は主人公教師の訴えに耳を貸さない。なるべく木々や草に刺激を与えないようにと主人公教師が言い聞かせるにも関わらず、妻は親友教師の娘をブランコで押しまくる。刺激を与えないようにって言ってるだろうが!! 不穏な風の気配に焦る青年2人は壁や戸をブチ壊す勢いで叩き続け、警告もなく住人が発砲、青年2人は殺されてしまう。


ニュースでは軍とCIAが否定する細菌兵器か、植物が原因ではないかとの憶測がなされ、自宅に留まる事を選んだ住人はガスマスクを装着。モデルハウスを目指して駈けて行く人たちが、双眼鏡で見ていた主人公教師の目の前で次々と倒れて行く。「人数が多すぎるんだ・・・」アンタ、そんな曖昧な!! 逃げていた1人の男の動きが鈍くなり、耕耘機だかデカ芝刈り機だかのスイッチを入れて地面に横たわり、頭からガリガリガリガリガリーッ!! 血飛沫がどぱしゃー!! ひえー!!


主人公教師、主人公の妻、親友教師の娘の3人は目的の町へ到着。テレビもない世間から隔絶された家を見つけ、偏屈なバァさんが彼らを招き入れる。このバァさんは元々ホラーな雰囲気だったが、翌朝、自家菜園の中でビューッと風を浴びてホラー度が加速。ついに1人でも異変が!! バァさんのホラー顔に恐怖する主人公教師が妻の名前を叫びながら戸締まりを急ぐが、妻と親友教師の娘の愉しそうな声はするのに返事がない。声はすれども姿はどこよ!!


その状況に陥った者は、身近にある物を使って、最も凄惨だと思われる方法で死を迎えるものだと思っていたが、このバァさんだけは家まで戻ってきて外壁に身体をぶつける音がドーン、ドーン、ドーン!! 何故か1人だけホラー度炸裂。室内で立ち尽くす主人公教師が脅える中、外壁に身体をぶつける音がドーン、ドーン、ドーン!! バァさんが窓の前にきて、頭でガシャコーン!! ガラス片が顔にザクザク突き刺さるのも構わず、もう1つの窓へ行き、頭でガシャコーン!! 割れた窓から風がぴゅうぅぅぅぅ〜。


バァさんの家から自家菜園を挟んだ向こう側にある貯蔵庫と繋がる通話管から、妻と親友教師の娘の声が聞こえると気づいた主人公教師は、すぐに戸締まりをするよう叫ぶ。貯蔵庫の窓にもバァさんが脳天ブチ破りで突っ込んでくるかと思ったがそれっきり。主人公教師は不安で押しつぶされそうな妻に出会った頃の思い出話を始め、通話管を通して離れていた2人の心が寄り添う。「これが最後なら、君と死にたい」と主人公教師。愛情を確かめ合い、夫婦の絆を取り戻した主人公教師は家から出て、妻も親友教師の娘の手を引き貯蔵小屋から出て行く。とはいえ外へ出るか!!


9時27分、自家菜園で主人公教師と妻が抱き合う。異変は起こらない。始まりと同じく、正体不明の現象は収束したのだ。ホントかよ!!


3ヶ月後。親友教師の娘を引き取り、何事もなかったかのような穏やかな生活の中で、妻は待望の妊娠を主人公教師に報告。専門家は赤潮のような事が植物の間で起こった現象と考えられるが、あの1日で終わったと推測。パリで友人と談笑していた青年が、会話の噛み合なくなった友人の異変に気づき振り返ると、周囲の人たちが時が止まったかのように立ちつくしていた。終わり。