ラオス19 旅の8日目 寺院2ヶ所編

■5/2(水) 8:00起床→10:05「ワット・マイ」観光→11:40ホテル→17:00「ワット・パバートタイ」観光→18:20ホテル


旅の8日目は胸騒ぎで始まった。水曜サスペンス劇場!この日は地獄の底から漏れ聞こえるような低い唸り声に目が覚めた。カーテン越しの外はまだ真っ暗。強盗か! 総毛立つ恐怖に一瞬で飛び起きた。耳を澄ませると唸り声は近いが部屋の中に人はいない。ドアの外。逃げるなら窓!2階で良かった。ジャンプして隣のゲストハウスの窓をブチ破って飛び込むジェイソン・ボーンな段取りをイメージして、音を立てずにベッドから足を下ろす。床がひんやりと冷たい。


…呻いている? かすかに聞こえる男性の呻き声にビクッと身体が動く。犯人じゃなくて被害者か。静まり返った室内で自分の心臓の音がどくどく早鐘を打ってる。頭に血が集まって死にそう。腸をよじった態勢から絞り出すような苦悶の声。脳裏に浮かぶのは刺された腹を左手で押さえ、右手を前に伸ばして助けを求めている男性の姿。


木の戸がガタガタ揺れる音が響く。間違いない。隣の部屋のバスルームの扉!隣はアメリカ人の男性観光客。倒れるのを堪えてバスルームの扉にもたれているようなガタガタ音。発作か。トラブルか。フロントのテントで寝てる従業員を呼びに行く? どうする!心臓をバクバクさせながら様子を伺う。身動きできないまま数秒間。


グッ…ヴォエェェェー!ゲロゲロゲロゲロゲローーーーーーー!吐いた。派手に吐いた。便器にものすごく吐いた。トイレを流す音がザッバー。飲み過ぎ食べ過ぎかコノヤロウ!


その後30分近く呻き声が強くなったり弱くなったりを繰り返す。押しては引いていく波しぶきならぬゲロしぶき状態。呻き声の合間合間にゲーゲーゲー!ゲロがゲロを呼ぶゲロ地獄。かなり苦しそう。盛大にゲロを吐くマーライオンの姿が目に浮かぶ。街に救急病院はあるのか。胃がキュッと縮んで寝られなくなる。


というワケで寝不足の朝。ぼんやりとテレビを見ているうちに2時間が過ぎてた。いつの間に!出掛ける時に隣の部屋のドアが開いていたので覗くと、清掃の女性が床にモップをかけていた。この日は細々と観光、のんびりと食事、ぼんやり散策と全てテキトー。地球の歩き方にサンセットビューポイントと掲載されていた「ワット・パバートタイ」へ。観光客は自転車で来ていた日本人の若い男性が1人だけ。恐るべし、地球の歩き方。残念ながら雲が多く夕日は見られなかった。


08:00 起床
10:00 ホテル出発
10:05〜10:45「ワット・マイ」観光



●「ワット・マイ(Wat Mai)」
8:00〜17:00、休日なし、入場料10Kキープ(136円)


1788年に建設が始まり完成までに70年を要す。正式名は「ワット・マイ・スワンナプーム・アハーン」で、「美しい(アハーン)、黄金の国土(スワンナプーム)の、新しい(マイ)、寺院(ワット)」という意味。1960年代に製作された黄金のレリーフは仏教の輪廻を表現しており、インドの叙事詩ラーマーヤナ(※1)」をモチーフにしたもの。堂内には王朝時代の栄華を思わせるような装飾を施したボートが2艘収められているが、4月のラオスの正月と10月頃のボートレースの時しか見られない。


(※1)超ざっくりざっくり「ラーマーヤナ
アヨーディヤーのダシャラタ王が王子誕生を祈願し、妃Aに息子、妃Bに息子、妃Cに双子の息子DEが誕生。効果ありすぎ!成長した妃Aの息子ラーマは聖者のお伴でミシュナーを訪問し、王の娘シータと出会い結婚。ラーマの即位を阻む妃Bの侍女の計略で、ダシャラタ王は妃Bの息子の即位を断れず、ラーマとシータ、ラーマに忠実に仕える妃Cの息子Dをダンダカの森へ追放する。悲観のあまりダシャラタ王は急逝。バカなの? ダシャラタ王!


ラーマは森でインド神話に登場する邪悪なラークシャサ族(鬼神)の恨みを買い、その兄である魔王ラーヴァナ(※2)は、魔術師に黄金の鹿に化けさせる。唐突に黄金の鹿とはどんな展開だ。シータが黄金の鹿に見惚れている隙をみてさらうつもりなのだ。魔王のくせにチンケな作戦を考えやがって、まんまとシータは奪われてしまう。
(※2)10の頭、20の腕、胴色の目、月のように輝く歯と山のような巨体を持つ。


猿王に王国を追われた一族を助けたラーマは、各地の猿の協力を得て、風神ヴァーユの子ハヌマーンがランカー島(セイロン島)でシータを発見。大戦争となり大軍を率いたラーマがラーヴァナを討ちシータを奪還、アヨーディヤーへ帰還する。妃Bの息子はどうしたのか、追放されているラーマが即位。しかしその後、誘拐されていたシータは貞節を疑われ王宮から追放され、ラーマの子2人を産んだのち、女神グラニーによって疑いは晴れるが大地へと消える。嘆き悲しむラーマは死ぬまで妃を迎えなかったという。親子揃ってバカなのか。



早朝のワット・マイ



切り妻造りの5層の屋根が特徴。まさにアハーン!


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野生の動物たち、杵で米を搗く女の姿、遊びに興じる村人たちとともに、仏陀の転生が描かれている。


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寺院のいたるところに配置されている7つの頭を持つナガ(龍)


1828年のシャム軍の侵攻の際に、ナガがラオスを救ったと言い伝えられている。ラオスの人々にとって水と生命力のシンボルであり、国の守り神。首都ビエンチャンの中心部にあるタート・ダム(黒い仏塔)の下の祠に住んでいて、ラオスの危機には必ず蘇ってラオスを救うと信じられている。ナガはラオス語でナーク(Nak)。


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ご本尊の真後ろにもう1体


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10:50

カフェを回って料理教室のリサーチ


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11:30 カフェでパンを持ち帰り。ベーグル15Kキープ(204円)、アーモンドクロワッサン10Kキープ(136円)。


11:40 ホテル戻り
15:20 猛烈な土砂降り
16:30 晴れたのでホテル出発
16:50 ベトナム領事館でビザを申請。この話はラオス2へ。翌日観光する植物園の事務所の場所を確認しに行く(この日は定休日)。


↓街の中心から南へ徒歩10分


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過去の首相の像を1つ置くだけでこの敷地。1人1像で街に数ヶ所ある。30人くらいになったらどうなる!


17:00〜17:30 「ワット・パバートタイ」観光


●「ワット・パバートタイ(Wat Pha Bat Tai)」
6:00〜12:00・14:00〜18:00、休日なし、拝観料10Kキープ(136円)

17世紀建立と伝えられるベトナム様式の寺院。もともとはベトナム人を示す「ケオ」をつけてワット・ケオと呼ばれていた。1833年に本堂は消失したが、在住ベトナム人と中国人の働きかけで間も無く再建された。地球の歩き方に掲載されていたメコン川に沈む夕日スポット。



舗装されていない道の奥にひっそり


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ラオスの標準的な寺院とは全然違う


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木製の梵鐘。こもった音がシブイ!


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大きな金の寝仏がどーん!足の指が全部同じ。


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寺院の裏側にメコン川に向かって一直線に下りる階段。コワっ!



メコン川から見た寺院の階段。なぜ水色!



雲が厚く夕日は見られず。



踊り場にベンチもあり。



蟻、蟻、蟻!


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17:50 カフェでパンを持ち帰り。シーザーサラダつきBLT、ブラウニー67Kキープ(911円)。美味しいけど高い。
18:20 ホテル戻り。土砂降り