ネタバレ劇場「ランボー 最後の戦場」

注:オチまでテキトーに書いているあらすじです。


ランボー 最後の戦場』-Johm Rambo-

[監][脚][出]シルヴェスター・スタローン 
[出]マシュー・マースデン/ポール・シュルツ/ジュリー・ベンツ 
2008米/ギャガ [上映時間] 90分・R-15


ムダに生きるか、何かのために死ぬか、お前が決めろ



帰還兵に冷たい祖国アメリカを離れたジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン) は、タイ北部のジャングルに囲まれた村で惰性で生きていた。アンタ、こんなところに!! 穏やかな風景からは完璧に浮いているが、ボートで人や荷物を運搬したり、スネークハンターとして生計を立てうつろな日々を過ごしている。こんな僻地でいったいどんな食生活を送っていたのか、目は死んでいてもいつでも出動ゴーのムキムキの筋肉を維持し、首も恐ろしく太いが、ゴムマスクのような顔も恐ろしくデカイ。


そんなある日、ランボーの前に米国コロラド州キリスト教ボランティアグループが、隣国ミャンマーへボートで案内してほしいとやってくる。タイとミャンマーの国境近くでは世界で最も長期に渡る内戦が続いており、陸路は地雷の危険から行く事が出来ないのだ。川からだって行けるかよ!! 軍事独裁政権により迫害の続く少数民族の中でもキリスト教の多いカレン族へ、医薬品や聖書などの支援物資を届けたいというが、ランボーはただ一言断った。


リーダーの豆男(ポール・シュルツ) は別のルートで行くしかないと引き下がるが、豆男の婚約者の金髪美人(ジュリー・ベンツ) は諦めきれず、どしゃぶりでズブ濡れになりながらランボーを説得。心を閉ざしたランボーの孤独と痛みを理解しようとする金髪美人の、虐げられている者を助けたいというまっすぐな瞳にかつての自分の姿を重ね合わせ、仕事を引き受け入れる。豆男じゃこうはいかん。


宣教師や歯科医など6人のボランティアがボートへ乗り込み、豆男を含む野郎どもとは一言も口を聞かないランボーも、金髪美人からのプライベートな質問には応じ、実家の牧場に父親がいると答える。なんと、ランボーんちは牧場だった。父親は何歳なんだ。誰が演じるんだ。・・・といろいろ恐ろしい画ヅラを想像していたが、結局登場しなかった。


そんなこんなで夜も更けた頃、ボートが海賊に停められ金髪美人が見つかった。まったく髪の毛ぐらい短く切ってこい。金で解決は無理と判断したランボーは、ボサーッと突っ立っていたボンクラ海賊の拳銃を掴み取りパンパンパンと5秒で皆殺しにし、その容赦のない行為にボランティアたちは死ぬほど驚いた。こんなので驚いててミャンマーに行ってどうする。まだ対話で世界は変えられると信じ、非難と蔑みをこめた眼差しを向ける豆男にランボーの怒りがこみ上がる。ベトナムから戻った時と何も変わっていない。彼らを連れてきてしまった自分の甘さに腹が立ち引き返すと宣言するが、それでも行くという金髪美人にはあっさり従った。まったく美人に弱すぎだ。それ以降は何事もなく目的地に到着。冷ややかな視線を浴びせる豆男は待たなくていいとランボーを追い払い、金髪美人だけが「幸運を」とクロスのペンダントを手渡す。


集落へ着いたボランティアグループが、支援品を配り病人の治療を始めた矢先、冷酷非道なグラサン少佐率いる政府軍の襲撃が始まった。ちなみにサングラスを取るとつぶらな瞳で特徴なし。襲撃した村の子どもを恐怖で支配し兵士に育て上げるため兵力は尽きず、村人たちは片っ端から撃ち殺され、捕まった者は両足を鉈で切断され、火炎放射器が家々を焼き払い、次々と発射されるロケット弾で追い立てられた人々がバラバラに吹き飛ばされ倒れていく。弾に当たらない方が難しいくらいの凄まじい銃弾の飛び交う中、余計目立つというのに右往左往で隠れる場所を求め逃げていた金髪美人や他ボランティアグループが捕まり連行されてしまう。


ランボーが行って帰って数日後。ベトナムの悪夢にうなされていたランボーの元に、10日前の帰国予定日を過ぎてもボランティアグループが戻らないと男が現れる。10日前ってそりゃ死んでるだろ。「大使館にはどうする事もできないと言われ・・・」自分の出番か? 皆殺しだ任せとけ!! という話ではなく「雇った傭兵を、ボランティアを降ろした場所まで案内するよう」頼まれる。このテの展開でとっ捕まって救出に向かった脇役が何人死んでると思ってるんだ。ランボーは引き受けるやいなや、金髪美人のクロスのペンダントを右手首に巻き付け、カンカンカーンと鉄を打つ、打つ、打つ、武器を作り始めた。恐ろしいほどにやる気満々だ。今度はアメリカのためではなく、自分のために闘うのだ。ていうか、金髪美人のためなんじゃ!!


最新装備の傭兵部隊は、リーダー風を吹かすハゲ(グレアム・マクタビッシュ)、狙撃手(マシュー・マースデン)、鼻歌(ジェイク・ラ・ボッツ)、バンダナ、帽子の5人。ボランティアをボートから降ろした場所へ着き、手作りのナイフと弓矢を携え一緒に行こうとするランボーをハゲが制止しボートで待つよう指示。反乱軍の青年1人に案内され、死臭に満ちた集落へ辿り着いた傭兵たちは、女子どもの区別なく手足を縛られ死体を吊るされ晒し首となってる虐殺の果てに言葉を失う。反乱軍の青年は「10数キロ離れた場所に敵が100人いる」と言う。ここへ来てから言うなっつーの!! そんな人数相手では全然無理なので撤収を決めこむハゲに、ボランティアグループの勇気を讃える狙撃手だけは救出に行くべきと意見。しかし他の3人も現状での救出は難しいと判断し、不本意ながら引き返そうとしたその時、政府軍のジープが現れる。


地雷のばらまかれた水田に解き放たれる村人たちの、生き残りを賭けたゲームを楽しむ兵士に目をそむけ、身を潜めてやり過ごすしかない。水田から出る事を許されない村人たちが1人残らず身体を吹き飛ばされていく。と、どこからともなく、弓矢が軍人の頭をブチ抜いた。コンパウンド・ボウを携えたランボーがジャジャーンと登場。一緒のボートで来たわりに今までどこに居たのか、遅れてやってきていいトコどりで、一撃必殺の正確さで6本の矢で兵士5人全員を仕留める。


ランボーは人質を見殺しに引き返す心積りのハゲの目玉にやじりを向け、残りの4人がランボー銃口を向ける。魂を置き忘れただ生きていただけのランボーの心が、罪のない人々を虐殺する政府軍の非道への怒りに沸き立つ。「ムダに生きるか、何かをなすべきか、お前が決めろ」と傭兵たちと自らの心に突きつける。これじゃ脅迫だろ。汗だくのハゲや傭兵たちが覚悟を決めるやいなや、鼻息荒しで「行くぞ」と命令。いやいや、いつからアンタがリーダーに? なんだか分かんないうちに、村を襲撃したグラサン少佐部隊の本拠地のゲートを、ランボー率いる傭兵部隊が後部に隠れ乗るジープがあっさり通過。ランボーの指示で、1人ずつ車から降りていき待機。いつの間にか、すっかり仕切ってる。


政府軍のアホヅラ兵士がさらって来た村の女の踊りと酒でバカ騒ぎしていた頃、散らばっていた傭兵部隊が作戦開始。グラサン少佐が少年を部屋に連れ込んでいる間に金髪美人を探すランボー。ボランティアグループの男の死体が豚に食われているのを横目に、豆男と男の2人、女の村人2人を救出。金髪美人を襲おうとしていた兵士の首をランボーが鷲掴み。ナイフでサクッと殺せばいいのに見せ場を作って、素手で喉を引きちぎって血がどぱしゃー!! 撤収のタイムリミット15分を過ぎても戻らないランボーと金髪美人を置いて、ハゲたちが脱出。兵士に見つかり金髪美人の楯となり庇うランボーの窮地を、戻ってきた狙撃手が救い3人で逃げる。


翌朝、逃げた人質と兵士の死体にグラサン小佐が激昂。すぐさま数匹の犬を放ち総出で追いかける。ハゲが足に重傷を負うが、あっという間に担架が作られて担いで急ぐ。追っ手が迫るランボーは金髪美人のシャツを、よいではないか、よいではないかの悪代官の要領でクルクルと破りとり、狙撃手から手榴弾を1つもらって、犬を引きつけながら森を駆ける、駆ける、駆ける、駆ける。


傭兵部隊が集落へ向かう途中に見かけた大戦中にイギリスが投下した不発弾に、ランボーが手榴弾をセット。そういう事は抜かりなく見てたらしい。そして、走る走る走る走る、エイヤーと大木を飛び越え、走る走る走る走る、犬が金髪美人の服の匂いに吠え立てる。駆け付けた兵士の1人が怪しすぎる紐が巻かれた服の切れ端を持ち上げ爆発、


ちゅどーーーーーーーん

・・・ランボーが走る走る走る

ちゅどどどどどどどどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん

・・・爆風が背後に迫り走る走る走る

ちゅどどどどどどどどどどどどどどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!


東京ドーム10個分の勢いで吹き飛ぶ爆風からランボーが逃げ切った。ホントかよ!!


森の一部を木っ端微塵に破壊するランボーの暴走で、追っ手の30人くらいが消し飛んだ。コストパフォーマンスが悪すぎだ。その頃、ハゲたち一行がグラサン小佐率いる兵士に捕まった。スコープでその光景を見ている狙撃手には兵士の数が多すぎて何もできない。1列に並ばされたハゲたちが処刑される瞬間、機関砲についていたオトボケ顔兵士の背後にランボーがスーッと現れ喉をかっ捌いて血がどぱしゃー。ハゲたちも殺すんじゃなかろうかという勢いで連射し、腕を吹き飛ばし、身体を吹き飛ばし、頭を吹き飛ばし、ランボー怒りのミャンマーで皆殺し!! それを見て狙撃手も発砲、恐るべし命中率で1発も外す事なく兵士を確実に倒し、身体を貫いた弾は前に立つ兵士も倒す。逃げる兵士の腹で身体が2つに千切れ飛ぶ。


ハゲ、鼻歌、バンダナ、帽子も銃を掴み応戦。優勢と見るや、丘の上から反乱軍が1列に並んで駈け降り、兵士と入り乱れての大乱戦。ランボーが撃たれるが死ぬわきゃーなく肩をかすっただけ。ボートに乗ってやってきた兵士を、ボートごと蜂の巣に吹き飛ばし、逃げ惑う兵士を片っ端から撃ち殺す。鼻歌が撃たれ、バンダナが撃たれ、帽子が撃たれ倒れていく。逃げるボランティアグループの男を撃ち殺した兵士に、物陰から見ていた豆男が駆け出し体当たりパーンチ!! 組み伏せると、ちょうど手の届くところに絶妙な大きさの石があり、それをひっ掴んだ豆男が兵士の頭にガツーン!! 兵士の頭にガツーン!! 兵士の頭にガツーン!!


反乱軍の加勢で部隊は全滅に近く、追いつめられたグラサン小佐がこっそり逃げ出した。が、またもや背後にはランボーが。アンタ、いつの間に!! お手製ナイフでグラサン小佐の腹をブスリ!! そのまま横へ切り裂き腸がどばどば溢れ出す。


皆殺しで片付けた惨状をランボーが仁王立ちで見下ろしていると、反乱軍は使える武器を拾い集めて回り、足を傷めて動けないハゲに狙撃手が寄り添う。自分たちのために死んだ3人の傭兵と多くの凄惨な死体を前に、無力感に打ちひしがれる金髪美人を優しく見つめるランボー。やがて、金髪美人が豆男を探して名前を呼ぶ、呼ぶ、呼ぶ、「豆男〜」「金髪美人〜」2人がヒシッと抱き合う。そっちかよ!! 抱き合う豆男と金髪美人の姿を、捨てられた子犬のような瞳で見つめていたランボーが立ち去る。


バンダナを外したらヘンテコな髪型のランボーが、牧場の前で立ち止まる。自分自身に折り合いをつけ、ついに故郷へ戻ってきた彼は、ポストに変わらず残っていた父親の名前を見て小さく微笑み、家へ向かって歩き出す。20数年ぶんの思いを代弁するこの道が長いのなんのって、エンドロールの間中歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、やっと家の近くまで行ったところで、おしまい。