ネタバレ劇場「ブラックサイト」

※だいたいのところを思い出してオチまでテキトーに書いているあらすじです。

ブラックサイト』-Untraceable-


[監]グレゴリー・ホブリット 
[脚]ロバート・フィボレントほか
[出]ダイアン・レイン/ビリー・バーク/コリン・ハンクス/ジョゼフ・クロス
2007米/ソニー [上映時間] 100分・R-15


FBIサイバー捜査官を追い詰める、66億人の好奇心。


オレゴン州ポートランド。FBIでサイバー犯罪を専門に取り締まる、女性捜査官ジェニファー・マーシュ(ダイアン・レイン) は、夜勤シフトで朝帰宅し、幼い娘を学校まで見送ってから眠りにつく日々。刑事だった夫については、葬儀の時の話に喪失の痛みを滲ませただけで、死因不明。5秒で終わり。


ある夜、地元警察から「kill with me(一緒に殺そう).com」という名の、不審なウェブサイトの調査の依頼が舞い込む。そこには、どこかの地下室で、ネズミ捕りの粘着シートの上で衰弱していく猫の様子が、ライブ中継と分かるように流されていたのだ。早速、ジェニファーと同僚男(コリン・ハンクス) が調べ始めるが、サイトを閉鎖する事も追跡も不可能で、犯行がエスカレートしていく事を危惧し、別の機関の協力を要請するよう上司に求めるが、でこっぱち上司の反応は鈍い。目つきが怪しいからお前が犯人か、でこっぱち!! 同僚男も、巧妙化していくネット上のヘンタイ野郎どもと、別人格になりすまし接触を繰り返すストレスから、出会い系サイトで知り合う女性たちとのデートを繰り返す。お前が犯人か、同僚男!!


猫の死から1週間後、同じ地下室のライブ映像で、腹ブヨのオヤジパイロットが拘束された姿が映し出される。サイトの閲覧者が増えるほど、抗凝血薬が注入される仕掛けで、みるみる増えていくアクセス数に、裸の胸に浅く彫られた傷から血がだばだば溢れ、鼻血ブブブブブーッ!! ジェニファーらが何一つ手を打てないままに、ゆっくりと男の意識が遠退き、鼻血ブブブブブーッ!! やがて血まみれで動かなくなる。終わってみれば、この死に方が1番マシだった。


地元警察のちょいシブ刑事(ビリー・バーク) とジェニファーで協力体勢が整うが、捜査に進展はなし。登場人物が少ないだけに、ジェニファーの夫を知っていたアンタが犯人でしょ、ちょいシブ刑事!! とは思わないが、唐突にそら豆みたいな顔した若い犯人男(ジョセフ・クロス) が登場。こんなあっさり犯人が出るわきゃーなく、裏で糸を引く主人公の身近な人物が!! という事はなくて、ヒネリも何もなく本物の犯人。なんで!!


次の犠牲者は腹筋が割れたオヤジTVリポーターで、手足をコンクリで固められたパンツ一丁で映し出され、アクセスが増えるごとに男を取り囲むランプが点灯し、瞬く間に全身火ぶくれに。アヂー!! 猿ぐつわが外れ、脳ミソも溶ける灼熱の光に焼かれながらも、自分が呼び出された犯人男宅の住所を叫び絶命。番地と通りの名まで言ってくれたおかげでSWATが突入するが、無関係の男の留守宅。野次馬に紛れた犯人男が、ジェニファーと同僚男を見つめる。


犠牲者たちに繋がりはなく、ジェニファーの娘が狙われていると見せかけるが殺されるワケがないので、次はジェニファーの同僚男。2件目の腹ブヨのオヤジパイロットの時に、同僚男が言っていた「被害者にモールス信号ができれば」との分かりやすい伏線通りにとっ捕まり、意識が戻った時には、首から下は硫酸が注入されるよう仕掛けられた水槽の中。


「サイトを閲覧する者がいなければ死ぬ事はない」なんつって犯人男が言う間もなく、FBIの「サイトを見ないように」という警告や、マスコミの報道によって、興味本位でアクセス数は爆発的に跳ね上がり、皮膚が剥がれ、肉が溶け、水槽が赤く染まっていく。ひー!! が、しかし、同僚男は右目と左目でモールス信号を送り、そんなもんやってられるか!! という状況の中、きっちり伝えて死亡。


同僚男の残した言葉から、彼が調べていた自殺者たちの映像を集めたDVDを見たジェニファーは、妻が死んだ後に鬱になり、拳銃自殺した大学教授の「息子」で、科学専攻の20才の大学生に辿り着く。自殺後に橋から落下した際に外れた父親のメガネを、ネットオークションに出したのが猫の飼い主で、取材陣を現場まで乗せたのが腹ブヨのオヤジパイロット、しつこく取材したのが腹筋割れリポーター、そして、その映像を面白半分で見た無数の閲覧者たちを、公開殺人の「共犯」にする犯人男の復讐だったと知る。つーか、猫じゃなくて飼い主に復讐しろよってなもんだが、ケチな飼い主にとっては、猫の首輪が高かった、という事らしい。ホントかよ!!


速攻、犯人男を指名手配するが、同僚男が被害に遭ったというのに、ジェニファーは連日同じモーテルを利用し、車を遠隔操作され、携帯電話は使えず、非常電話でちょいシブ刑事に助けを求めるも、戻ったらダメだろというのに車に戻って、スタンガンでビリビリやられて失神。もしかしてバカなんじゃ!!


どこかの地下室で逆さ吊りにされたジェニファーの頭の下では、ジェニファーの母親が使っていた、ミニミニ耕耘機のロータリーが、ワニワニパニックの勢いでカシャコン、カシャコンと高速回転!! FBI女性捜査官の公開処刑のライブ映像にアクセスが殺到し、ロープが少しずつ下がっていく。映像を見たちょいシブ刑事は、ジェニファーの娘の誕生日に、同僚男がプレゼントしたサンドバッグに気づき、ジェニファー宅の地下室へ急行。そんな分かりやすい場所にしてどうすんだ、犯人男。この刑事は出番が多いわりに活躍どころがなくて、最後くらいはパンパーンと犯人を射殺し、ジェニファーを救出、すると思いきや!!


身体を前後に激しく揺らし柱にしがみついたジェニファーは、近づいてきた犯人の顔面にボイラーの蒸気を浴びせ、悶え苦しんでる間に地上に降りて、ロープを解いて、耕耘機を蹴飛ばして、その間にちょいシブ刑事がジェニファー宅へ到着、走る、走る、走る、ジェニファーは拳銃を掴むも犯人にブン殴られ、ブン殴られ、ブン殴られ、今だ、ちょいシブ刑事!! 地下室へ飛び込んできてパパーンと発砲、早く!! ・・・と、間一髪間に合わず、ジェニファーがパンパンパンパン、弾を撃ち尽くすまで犯人に発砲、ちょいシブ刑事が地下室へ入った時には、犯人男は息絶えていたのだ。終わってるよ!!


というワケで、最後までダイアン・レインの独り舞台でおしまい。せっかくのサイバー犯罪捜査官も結局は肉弾戦で、銀行セキュリティシステム専門家役で、最後はブン殴り合いとなったハリソン・フォードの「ファイヤーウォール」とどっこいなエンディング。


いやー、ダイアン・レインもすっかり老けこんじゃって、この間は「ジャンパー」でヘイデン・クリステンセン(1981年生) のお母ちゃん役をやってたし、53才くらいだっけ? 頑張ってるなぁと思ったら、1965年生まれの43才だった。なんと!! ★★★