チャラリ〜鼻から牛乳〜♪

ひと昔前に、嘉門達夫の「鼻から牛乳」という曲がありました。
・・・と、自分で話を振っておきながら、どんな歌だっけ!?


チャラリ〜鼻から牛乳〜♪ というフレーズ以外が、全く思い出せないのでYouTu○eで観た。恋人に不意をつかれて鼻から牛乳が出そうな状況に陥る男性が、無茶な言い訳でその場をしのぐも追求は止まず、半ばヤケクソな誤魔化しを延々と繰り返していくという。迷路の奥の奥の奥まで追いつめられた男が、新たな逃げ道を四方八方に生み出す疾走感が痛快。ちょっとした特技を披露するTV番組で、牛乳を飲んで目からジワ〜ッと滲み出させる人もいた。鼻からなら笑えるのに!!


話は大きく変わって、1年半前にドライアイと診断された。ざっくり分けてドライアイのタイプは3つ。1) 涙の分泌が少ない。2) 涙の乾きムラがあって部分的に乾く。3) 涙の蒸発が早い。他に、病気が原因の場合もある。私は涙の量は足りているが、目玉の上で蒸発が早い3のタイプ。せっかく出ている涙がもったいない。
http://www.otsuka.co.jp/decoboco-eye/index.html


ドライアイ用の点眼薬「ジクアス」を1年間続けたが、眼科医の診察によれば反応はまるでなかった。自分でもさっぱり効いている気がしなかったので、あまり真面目に点眼していなかった。余計に効かないだろ!! 点眼しても、点眼しなくても、まるで目玉感が変わらない。目の上に水の膜があるみたい〜とか、そういえばゴロゴロしない気がする〜、とか、効果の兆しのようなものがあれば、やる気も出たものだけど。


とはいえ、毎月、眼科で定期検診を受けているので、検査の前日だけは真面目に点眼していた。健康診断の前夜だけ酒を飲まないオヤジか!! 今年の春、点眼薬で反応が見られないので、“涙点プラグ”という方法を勧められた。その名の通りで、上下4ヶ所ある涙の出口に栓をして目の表面に涙を溜めるというもの。説明を聞いた時には、排水溝をゴム栓で塞ぐイメージが脳裏に浮かんでびっくりしたけど、肉眼では分からないそうだ。そりゃそうだろう。目に栓が見えたら怖すぎだ。


取りあえず、別の点眼薬も試してみましょうという事で、3ヶ月ほど前に新しい点眼薬を処方された。
大塚製薬の「ムコスタ点眼液UD2%」。
 


1日4回、各眼に1滴ずつ点眼する。1本で6滴分入っているので、2滴点眼してみたところ目玉から溢れるだけ。勿体ない気がするけど、防腐剤が入っていないので余りは使い捨て。薬剤を混ぜるため、使用前に指で容器を弾く。混ぜなければ容器の下に溜まっているのに、混ぜるから開封する時に白い液体が飛んでくるんですけど!! 眼科医によれば、「ちょっと苦いので、点眼後に鼻の付け根をグッと押さえてください」との事。ふーん・・・とその時は軽く聞き流してた。帰宅後にさっそく点眼。
 


チャラリ〜目から牛乳〜♪
ここで前フリに繋がるという。点眼液が白濁なので当然といえば当然なんだけど、鏡を見たら目から牛乳が出てるみたいな事になってる。キャー、自分の目が面白すぎ。写真を撮らなくちゃ!!
 


点眼後は視界がぼんやりと白く、牛乳を飲み干した後のガラスのコップ越しに見ているような白濁り感。世界が白いんですけどー!! この、視界が白くかすむのは一時的なもので、1分もしないうちに元通り。注意事項に「車の運転や危険を伴う作業は控えてください」と書いてある。


ところで、案の定めんどくさいので鼻の付け根を押す事などせずに、点眼後5分。


・・・ん?


喉の奥に微かな苦みを感じた瞬間、強い苦みが舌全体にガッと押し寄せてきた。苦い、苦い、苦い、苦い、苦い、苦い、苦い、苦い、苦い、苦い!! 不味い、不味い、不味い、不味い、不味い、不味い、不味い、不味い、不味い、不味いー!!


このくらいで苦さが伝わったでしょうか。びっくりした。びっくりした。びっくりした。苦いじゃないかコンチクショー!! そう、先生も説明してくれてましたか、そうですか。食品の苦みとは違う人工的な苦味が、口の中の隅々に広がっている。目薬を1滴ずつさしただけなのに!! 輸入グレープフルーツの皮を舐めたら、こういう味がしそう。ホントか。歯の麻酔薬が口の中にちょっと漏れて「うわ、苦っ!! まずっ!!」と思った時の味に近い。


苦いよ、先生!! だから鼻の付け根を押せと言っただろう。この苦みは1時間くらい続く。ちなみに、鼻の付け根をグッと押しても、苦みが口に降りてくるまで時間が遅くなる程度で、ほとんど効果はなかった。就寝前に点眼すると、起きて5分後くらいから口の中が苦くなる。寝ている間は鼻の奥に薬剤が留まっているらしい。目玉の表面に残っておけ!!


大抵の点眼薬が透明なので考えた事が無かったけど、ムコスタは点眼後に目の周囲を洗っておかないと、白いマスカラがダマになって固まったような状態になってしまう。点眼後すぐならティシューで拭くだけでも取れるけど、目尻の際とか皺の中に白いカスがたまりやすい。こんな場面で老化を感じさせるとは!!


ご丁寧にまつげとまつげの間の根本に、“小玉白カス”がポツポツと固まっていて、しっかりと洗わないと落ちにくい。仕事中にデスクでムコスタを点眼して、ティシューで軽く拭っただけで放置すると、後で目から白カスが!! という事になると思われる。薬剤が赤色だったら、血の涙を流すホラーになるところだ。


ところでその頃、唐突に体調が悪く、2週間ほど吐き気と胃痛に苦しんだ。朝から晩までゲロ吐きそうというくらい気持ち悪い。胃薬を飲んでも治らず、おかしいなぁ春風邪か? と思っていた。それから更に1週間が過ぎた頃、ようやく「ちょっとちょっと、この点眼薬のせいなんじゃないの」とピピーンときた。今ごろか!! そこは最初に疑うところだろう。


ネットで検索してみると、同じように吐き気や胃痛になっていると相談している人がいた。なんと!! ムコスタは元々は胃炎・胃潰瘍治療剤だそうだが(錠剤)、なぜに胃薬なのに胃が痛くなるのだ。ていうか、胃薬がドライアイに効くと気付いた人、凄い。


とりあえず、点眼を中断すると2日後に胃痛が治まった。次の定期検診で眼科医に聞いてみたところ、薬の苦みによる精神的なもので、そういう症状が出る人が稀にいるらしいと言う。精神的なダメージを受けるほど苦い点眼薬とは!!


この定期検診の時点で、ムコスタを3週間点眼し、1週間使用を止めていた。
肝心な目玉の状態はというと、「とても良くなっている。何か特別な事をしましたか?」と眼科医びっくり、私もびっくり。ホントかよ!! ドライアイで眼球にできた細かい傷が改善し、アレルギー症状も治まっているそうだ。確かに、目玉の疲労感が無かった気がしていた。でも3週間しか使ってないのに!? うーん、私の目に合っていたんだろうか。胃には合わなかったけど。


「胃痛が辛いようならムコスタは止めますか。」と聞かれたが、続けて処方してもらう。ジクアスは1年使ってもさっぱり変化がなかったのに、3週間で効果があるならやっぱりムコスタだろう。使います、続けて使います。例え、ゲロを吐こうとも!! その後は、空腹時に点眼しないようにしていたら、胃痛はほとんどなくなった。吐き気がたまにあるくらい。


ムコスタ以外の点眼薬では、乾燥を防ぐ「ヒアレイン点眼液0.3%」を使用している。ヒアレインには358円安くなるジェネリックがあるものの、ジェネリックの方が防腐剤が多く使われているというので先発品を使っている。ジェネリックの方がとろみがあって、目玉の上に留まってる感があって好きなんだけど、防腐剤は目に傷をつけてしまうそうだ。


[追記] ムコスタを使い始めて10ヶ月。ドライアイなりに悪化していない状態を維持してる。以前より目の疲労感が辛くない。2回続けて点眼し忘れると目玉がゴロゴロしてしまう。インフルエンザで寝込んで1週間使用しなかった時には、目玉がガサガサに荒れているように感じた。


ジクアスと違って、点眼をしないと目玉の調子が悪いので、真面目に点眼し続けているところ。目の乾燥に悩んでいる方は、眼科でご相談を。ムコスタを処方された方は私と一緒に、チャラリ〜目から牛乳〜♪