紀伊半島12 高野山「奥の院」

奥の院
高野山の信仰の中心であり、弘法大師 空海が御入定されている聖地。お大師さまは生身のままでおわされていて、五十六億七千年後に弥勒菩薩がこの世に出現するその時まで、人々を救い続けている。ご、五十六億七千年後!




奥の院参道の入口「一の橋」
一の橋から弘法大師御廟までの約2kmの参道には、あらゆる時代、あらゆる階層の人々の墓石や祈念碑、慰霊碑が20万基以上建ち並んでいる。に、20万!



樹齢約700年の杉木立が続く。な、700年!は、あんまり驚かないけど、織田信長の供養塔があるのにはビックリ!


 
文学碑があったり。



グリコ!



暴れん坊将軍



待ちわびた縦棒がきたテトリス



トイレ詰まり解消のカッポン!


    
墓、墓、墓、墓、墓!



ホントかよ!


■「姿見(すがたみ)の井戸」
その昔、病を患った扶閑(すけずみ) 中納言の夢の中に弘法大師が現れ、「我が山の霊水を飲めば病は速やかに治りましょう。」と告げた。そこで中納言がこの井戸の水を飲むと、たちまちに痛みが止まり、井戸には「薬井」という名前が付けられたという。なんと!最近は腰が痛いので飲ませてください。


江戸時代にはこの井戸をのぞき見て、自分の姿が水に映らなければ3年以内の命であるという説が広まり、現在のように「姿見の井戸」と呼ばれるようになる。うっそ、3年以内の命!一応ドキドキしながら顔を出す。



水面ユラユラ・・・確認、無事確認!取りあえず3年の命は保証されたので先へ進む。


■「中の橋」
一の橋と御廟橋の間にあるから中の橋。そのまんまか!ここを流れる川は昔から金の河(金は死の隠語)と呼ばれ、つまり三途の川を表しているという。これから先は死の世界!三途の川を初めて渡った感想はフツーの川かな。


■「御廟橋」
弘法大師御廟に一番近い橋。36枚の橋板と橋全体を1と数え、金剛界37尊を表している。御廟橋より先は聖域であり、写真撮影は禁止。服装を正し、一礼して渡る。


■「弥勒石」
心願成就の石として伝わり、触れるとご利益があるとされていた。ご利益と聞けばしっかりと触れなくては!祠の周りは四面が格子で囲われており、一箇所だけ腕が入るようになっている。中にある石を見ると思ったより小さい。25cmくらいの巨大空豆のような楕円形。


上下二段になっていて、下の段から上の段へ、また上の段から下の段へと往復片手で移動させることが出来たなら、良いことがあると言われている。石は罪の軽い人には軽く、罪の重い人には重く感じるそうだ。大丈夫、大丈夫、軽石のように軽く感じるはず!


いざ格子に腕を突っ込んで石の下に手を入れると、ゴロゴロと転がせるだけで石が持ち上がらない。うそー!知らなかった。どんだけ罪を重ねたんだよ、私!自分へのツッコミをしたところで、気を取り直して本気を出して腕に力を込める。こなくそー!って、持ち上がらないんですけど!


重さは4kgくらいだと思う。非力女子のフリをしているワケではなく、腕を入れる角度が限られているため、つるつるした石を片手で上の段まで持ち上げるのが難しい。居合わせた20代と見られるタイ人の男性はヒョイと持ち上げていたので、腕の細い男性なら簡単そう。ゴロゴロと何度か転がして10センチくらい持ち上げる事は出来たので、ご利益はあるという事で。


一の橋から御廟までは、ゆっくり歩いて約40分。弘法大師が御入定された御廟をお参り。お大師さまは、この中でずっと生きていらっしゃるという事になっている。あ、という事になっているではなくて生きてます。生きていらっしゃいます!


御廟の裏をぐるっと回ると燈籠堂。ここには、祈親上人(火災などで荒廃した高野山の復興に努めた僧)が献じた祈親灯(きしんとう)と、白河上皇が献じた白河灯(しらかわとう)の、二つの“消えずの火”があり、現在まで千年近く燃え続けていると言われる。い、一千年!


地下へ降りると、映画「デモリションマン」の冷凍刑務所のように整然と並んだ、10センチくらいの地蔵がズラーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーリ!


再び参道を歩いて戻って奥の院終わり。所要時間はかなりゆっくりで3時間くらい。「奥の院前バス停」まで往復ともバスを利用すれば、急ぎで70分〜ゆっくり90分くらいで回れる。


旅の話の合間に読書コーナー
高野山関連で真面目な本は全然読んでいないので、ブラッカイマーの映画を観るような派手な娯楽本をご紹介。

魔獣狩りI 淫楽編 (新潮文庫)

魔獣狩りI 淫楽編 (新潮文庫)

高野山から空海即身仏が盗まれる。時を同じくして、現金強奪犯を出し抜き仲間と逃走中の主人公(巨漢の格闘バカ)は、偶然オカルト儀式に遭遇。彼らの飼い犬の獣人と対峙し、初めて味わう恐怖への怒りにマジギレ!各々の事情により、高野山の裏仕事を担う美貌の僧侶(闘う生臭坊主)や、人の精神に潜って必要な情報を得るサイコダイバー(天才肌のエロバカ)と手を組み邪教集団に挑む。


究極の欲望、醜悪なエロババア、一蓮托生の殺戮地獄絵図、そしてエグい壮絶死!出てくるキャラクターがいちいち強烈なエログロバイオレンスが炸裂。シリーズもので長いし、今さら読み返す事もしないけど、25年くらい前にワックワクしながら読んだ。