ミステリーツアーへゴー!! 後編

格安バスツアーには観光ガイドさんの同行はなく、添乗員さんが立寄先に到着する30分くらい前に「次の立寄先は○○です」と名称を言うくらい。ミステリーツアーの場合は、事前に立寄先について調べられないので、「ここでの自由散策は2時間です」などと突然言われると大慌て。急いで携帯電話で検索しよう・・・圏外かよ!! という事も。集合時間と場所が書かれた地図を渡されるだけで、添乗員さんも訪れた事がない場所も多い。


と、いうワケで、添乗員さんの「ざっくりガイド」語録。パフパフー!!


1)「平城遷都1300年祭バスツアー」にて。


ツアー参加者全員でメイン会場の「朱雀門(すざくもん)」まで一緒に行き解散、自由散策。地図を片手に先頭を行く添乗員さんが、「見所はしゅじゃくもんです」と読んだ。私もよくやるよ、添乗員さん!! しかし、これはヒジョーに言い難かったのか、説明を続けるうちに「しゅじゃくみょんで整理券をお配りし、しゅじゃきゅみょんで解散となります」と、どんどん遠のいていく。余計に言いづらくなってるよ!! しかも場所を知らない添乗員さんは、現地係員を見つけるやいなや「すみません、しゅじゃくみょんは何処ですか? 」と、自信満々問いかけた。しゅじゃくもんまでは想定内の係員さんも、しゅじゃくみょんともなると、およそ2秒間は遠い目になっていた。


2) 「近江八幡」の自由散策についての案内。


添乗員さん「えーと、中心部に銅像があります。アメリカ人です」


・・・終わり。 終わり? 人種だけ? 銅像になった人なのに!!





ウィリアム・メレル・ヴォーリズ」という建築家で、日本にメンソレータム(現メンターム)を輸入。病院や図書館を建設し、近江八幡の町の発展に尽力した人。確かにアメリカ人です。


3) 高速を走っていて、磐梯山の案内板が見えた時。


ツアー客の1人が「添乗員さん、磐梯山ってどれ?」と連なる山々を指差して聞いた。「え? 磐梯山ですか? ちょっとこの辺は分からないんですよね・・・(ヒソヒソ声で「運転手さん知ってます?」「知らない」) えーとですね・・・全部磐梯山ですよ」ホントかよ!! アンタ、いま知らないって言ったばかりだよ!!


本当のワケがなかろうと携帯の位置情報で調べると、車窓に見えている山との位置関係がおかしいものの、「磐梯山、櫛ヶ峰、赤埴山」の3つの山を合わせて磐梯山と呼ばれているそうだ。テキトーに言ってるのかと思ったすまん。その翌日。「皆さんすみません。昨日の山は磐梯山じゃありませんでした〜。今日は見られますよ〜」と添乗員さん。


というワケで、ミステリーツアー2日目。最初の立寄先のヒント。添乗員さんが「最近、ドラマで観光客が増えた場所です・・・」と、言うか、言わないか!! オバちゃんたちが大盛り上がり。「おひさま」「わさび」「おひさま」「わさび」「ひまわり(勘違い?) 」「おひさま」「わさび」と、おひさま&わさびコールが。みんなどうした、早押しクイズか。


9時半に「大王わさび農場」へ到着。主役が井上真央という事くらいしか知らないんだけど、NHKの朝の連続テレビ小説「おひさま」の舞台が、松本・安曇野だそうで。この大王わさび農場でのロケもあったらしい。こんな朝から観光客が大勢いて、わさびメニューの売店がずらり。帰る時に見ると、駐車場に入るための一本道がもの凄く、もの凄く、もの凄く渋滞していた。


   
   

次の立寄先のヒントは「試飲です」と一言だけ。とくれば、バスツアーの定番、酒蔵か、ビール工場か、みそ蔵か、ワイナリー。今までに各2回ずつくらいは行っている。酒好きの参加者には大好評。私はお酒は飲めないので、ジュースがあるといいんだけどなー。ソフトクリームがあるといいんだけどなー。子どもか!! そして松本市の「亀田屋酒造」へ到着。ジュースはなかったけど、明治18年から2年かけて建てられたという母屋を見学できるので、酒蔵だけの見学より楽しい。ガイドの説明の後は自由見学。総2階建て、部屋数20以上!! 黒い艶が美しい大黒柱と吹き抜けの太い梁組がどどーん!! 靴を脱ぐのでめんどうな靴は注意。


      
渡り廊下をぞろぞろ歩くツアー参加者たち

次の立寄先のヒントは「パワースポットです」と、女性参加者たちの顔をロックオン。「諏訪大社 春宮」に到着し自由散策。「万治の石仏」というのが見所というので、みんな取りあえずはそこへ向かう。


お参りの仕方は、
1) 石仏の正面で一礼し、手を合わせて「よろずおさまりますように」と、心で念じる。
2) 願い事を心の中で唱えながら、石仏の周りを時計回りに3周する。
3) 正面に戻り、「よろずおさめました」と、唱えてから一礼する。


ツアーのオヤジ「俺、4周回っちゃった気がするなぁ」
その奥さん「知ってたよ」


教えてくれよ!! そして私はといえば、回っている間中ずっと「一周目、一周目、一周目・・・二周目、二周目、二周目・・・三周目、三周目、三周目・・・」と、願い事は回っている数。そんなの願ってどうする。


   


次の立寄先はヒントを言う間もなく到着した「北八ヶ岳 八千穂高原」。2時間10分の自由散策で、白駒池の周囲をぐるりとハイキングした。


   
   
所々、歩道が壊れている

バス車内でオプションのお弁当が配られる。「○○○四季彩弁当」は何かな、何かな、何かなー?


 


そのものズバリで「あずみ野弁当」でした。きんちゃくの中に蕎麦が入っていて美味しい。


次の立寄先のヒントを言う添乗員さん。「次は・・・大爆笑です!! 」と、ここもヒントはこれだけで、添乗員さんのツボにはまって1人で楽しそう。そして、「貧乏神神社」があるという茅野市の味噌蔵へ到着。ていうか、貧乏神は店の主人の手作り。貧乏神を追い払う儀式(?)に1回100円との説明を受け、10円を用意していた参加者の手も引っ込んだ。


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味噌汁の試飲。各自200gの味噌をお土産にもらう。


「次の立寄先まで1時間かかるので、心配な方はトイレに行っておいてください」と添乗員さん。「全員、揃いましたので出発しま〜す! 」と、バスが発車して添乗員さんが自分の席に戻って座ろうか、という時、ス〜ッとバスは駐車場へ入りスピードを落とした。「え? 着いたの?」と添乗員さんが声に出して驚いた。驚いたのはこっちだよ!! 1時間で着くと言っていた最後の立寄先に5分もかからず到着。もはや、この添乗員さんがミステリー。「信州野沢菜センター」で20分のお買い物。帰りは渋滞があったもの、予定通りの20時半に立川到着。


ミステリーツアーでは、一般のバスツアーのコースにはならないような立寄先が含まれている事が多い。トイレが少ないとか、駐車場がないとか(参加者を降ろして、バスは違う場所で待機)。今回は7箇所の立寄先のうち、雷滝と貧乏神神社の2箇所は、このミステリーツアーが初めての企画だったそうだ。違うツアー会社を選んでも、バスツアーが立ち寄るレストランや観光地やお土産物屋は同じ場所が多いので、たまにミステリーツアーに参加すると面白い。


今回のミステリーツアーの格安ポイントは、マイナーな温泉地と部屋の眺望かなと思う。夜半に雨が降って、トタン屋根がやかましかった。携帯は圏外。温泉は気持ち良かったので全然問題なし。終わり。





野猿出没のため、網戸が開かなくなっている