バスツアーで小原温泉へゴー!! 1 出発篇

暑すぎて、しんぼーたまらん!!


お盆休みに宮城県の小原温泉に行ってきた。例によって例の如くの格安バスツアー。取りあえず、東京より上の方へ行っとけば涼しかろう。という考えは大甘だった。ところで、小原温泉てどこだろう。1に料金、2に日程が選ぶ決め手とはいえ、あまり遠いとバス移動が厳しいので調べてみると、小原温泉は宮城県。それは、さっき書きましたか。地図では蔵王より2センチくらい下という感じ。縮尺だよ。お盆期間に格安バスツアーはないんじゃないの? と思いきや、8月15・17・19日出発のいずれも、2泊3日で17,980えーん、と通常モードなお手頃価格なのだ。


これは「観光ナシの温泉連泊バスツアー」で頻繁に募集している格安プラン。
15日に出発のツアーが14:00に宿へ到着、客を降ろすとバスは空のまま東京へとんぼ返り→
17日に出発のツアーが14:00に宿へ到着、客を降ろすと15日に出発の客を乗せて東京へ→
19日に出発のツアーが14:00に宿へ到着、客を降ろすと17日に出発の客を乗せて東京へ→
21日に東京から空のバスが14:00に宿へ到着、19日に出発の客を乗せて東京へ。


というパターン。添乗員さんも現地には滞在せず、往復のバスで案内するだけ。ネームバリューで客を呼べないビミョーな温泉街(宿)が多く、「温泉・名物・観光・旅館」の中の売りはどれか1つで、大抵は温泉はいいけど他はさっぱり、みたいなイケてないところが居心地がいい。新館と旧館が迷路のようになっていたり、やたら階段や段差が多かったり、露天風呂が階段を降りて降りて降りて降りた先にあったり、旅館の周囲には山しかないよ!! という感じだったり。以前に泊まった旅館ではトイレの奥行きが狭いため、便座の蓋が上がり切らずに、いちいち背中に寄りかかってくる「子泣き爺便所」に笑った。蓋を外しとけよ!!


到着から帰る日の出発時間までは自由行動なので、交通の便によっては自分で観光に行ったりするものの、基本は食う寝る風呂、食う寝る風呂、食う寝る風呂!! だけ。最終日10時のチェックアウトから出発時間までは「バスツアー用の畳の待合室」が用意されており、宿の温泉に入ったり、水揚げされたマグロよろしくゴロンゴロンと並んで昼寝したりという感じ。


今回、小原温泉から5kmくらいの距離にある、温泉の雰囲気も寂れ具合もほぼ同じ「鎌先温泉連泊プラン」というのもあって迷ったが、こちらは小原温泉より千円高く、朝夕食全てがお部屋食。ちゃっと食堂へ行ってパパッと食べて部屋へ戻りたい私としては、お部屋食はめんどくさい。どっちでもいいので温泉がどんな雰囲気か検索してみると、効能は「傷に鎌先、目に小原」だそうだ。老眼が心配なお年頃なだけに、今回は小原温泉に決定。土日は高速が混雑すると思い、17日の出発にした。





当日、受け付けを済ませると、小原・鎌先温泉ツアーは同じバス。なんと合理的な!! 「今回は走行距離が長いので、運転はツーマンでいきます」と添乗員さん。それを言うならツーメンなんだが、取りあえず距離の長さを実感。子どもが中学生くらいの4人家族以外は、ほとんどが65才以上に見える高い年齢層。ツアーはほぼ満席の40名。中年の息子と並んで座る60才くらいのお母さんが、通路を挟んだ隣の席の旦那さんにお菓子を差し出しながら「お父さん」と呼びかけ、前方の座席の「お父さん」たちが次々と振り返っていた。自分の奥さんは隣にいるのに、他の人の呼びかけに反応してどうする。落ち着け!! バスツアーはお父さんだらけなので、毎回こういう事があって面白い。7時40分にバス出発。


斜め前の席の女性が、ウインナーパンを食べて、鮭おにぎりを食べて、バニラヨーグルトを食べて、コーヒーを飲んで、新聞を読んでいた。だからどうした。暇なので観察してみました。所沢I.C.からの高速は渋滞もなく、9時50分に佐野SAで、11時45分に安達太良SAで各15分のトイレ休憩。


12時45分、ツアー唯一の立ち寄り先となる「磐梯白石カステラ本舗」へ到着。ここで自由昼食。カステラ店で昼食という予測不可能なところも大胆だが、公式サイトによれば「鹿鳴館を思わせる玄関」とある。




お勧めメニューは白石名物の「うーめん」とカツカレー。ていうか、うーめんとカレーしかなかった。「うーめん」は、長さが9センチと短く、油を使っておらず消化に良いのが特徴。ツアーの他の人たちは、取りあえずうーめんを注文し、私も730円のざるうーめん大盛りを注文。味は冷麦みたいなあっさりした感じで、肉味噌か天ぷらかトンカツかパンチのあるおかずが欲しい。それじゃ、消化に良くないですか。ていうか、大盛りの大盛りが欲しい。食べ終わった瞬間にはもう、お腹が空いてしまったので、カステラの試食をモリモリ食べて出発時間。



ここで小原温泉組はバスをチェンジ。迎えにきてくれた旅館のマイクロバスへ乗り換える。鎌先温泉組は同じバスのまま別行動。半々くらいの割合なのかと思っていたが、小原33人、鎌先7人と全然違う。お年寄りにはお部屋食の方が楽でいいかと思っていたけど、バスツアーに参加する人たちは気軽な食堂派なのか、どっちでもいいので千円安い小原にしたのかは不明。小原組は大きな荷物を膝の上に乗せ、補助席も使った33人で超ギュウギュウ。早く出発してください。



ところが、いざ出発という時になって、鎌先温泉組のオバちゃんがバッグがなくなったと騒ぎ出した。添乗員さんがバスを前から後ろから、上から下から探しまわり、小原組のマイクロバスでも「黒いバッグを知りませんか」と行ったりきたり。過去のツアーでは、旅館のスリッパのままチェックアウトし観光地に着くまで気付かなかった強者もいるくらいなので、自分のバッグと間違えて持ってきちゃった人がいてもおかしくないが、マイクロバスは超ギュウギュウなので探そうにもみんな動けないのだ。


紛失したオバちゃんもマイクロバスまでやってきて「座席に置いておいたのよ」と悲しそうな顔をしているので、小原組のみんなも心配顔。紛失したオバちゃんが鎌先組のバスへ戻ってすぐに、バスのエンジンが掛かって出発しようとしてる。え? 行っちゃうの? バッグがなきゃ困るよ!! 添乗員さんが走って来て「お客様は座席の上に置いたと言ってたんですが、足元にありました。うふふ〜」報告を終えた添乗員さんは、じゃ!! と鎌先組のバスへ戻りブーンと出発、残された小原組の客たち呆然。ババアー!!


5分ほどで旅館に到着。古いが広くて清潔な部屋に入って、あちこち扉を開ける、開ける、冷蔵庫。開ける、開ける、押し入れ、金庫、引き出し。そして、次の扉を開けた瞬間、大ショーーーーーーーック!! 続く。