ミステリーツアーへゴー!! 到着編

tetsu2052010-02-17

格安バスツアーの参加心得は、1)土産物屋を楽しめる 2)ショボイ宿でも気にならない 3)多少まずい料理でも食べられる+トイレを2時間は我慢できる、だと思う。だから?


1月某日、7時40分に立川を出発。バスツアーは20回くらい参加したもののミステリーツアーは初めてで、申し込んだ時には最小催行人数の25人も集まらないんじゃないかと心配していたが、なんと満席の46名が参加。人気かよ!! 野鳥の会ならぬバスツアーの会(私) 調べによれば、男性19名、女性27名、上は87歳のお婆ちゃんから、下は30代半ばの独身男(ホントか) まで、おひとりさまが4人、老両親+独身子ども(ホントか) が3組、平均年齢は55歳といったところで年配の夫婦が多い。一泊二日で1万円という料金から予測するツアー内容を許容できる、バスツアー慣れした常連客ばかりという感じ。ていうか、今回のミステリーツアー最大のミステリーは、1人参加の87歳のお婆ちゃん。謎すぎる。


添乗員さんは若い女性。「今回はミステリーツアーですので、立寄り先は全て到着の20分前のお知らせとなります」とのこと。おおー、ミステリーツアーって感じ〜。最初のトイレ休憩まで2時間近くあるというので、寝る体勢に入りながら大まかな行程を聞いていると、次の一言で眠気が吹き飛んだ。「本日のお宿の到着は17時頃となります」ご、ご、ご、5時到着ってどこまで行く気? ホントかよ!!


ちょっと、ちょっと〜、奥鬼怒温泉郷に間違いないよって言ったの誰だっけ? …私か!! のんびり温泉三昧の計画がバス移動ばかりなんて、ガーン、ガーン、ガガガガーン、脳内でショックの銅鑼(ドラ) の音がこだまし、テンション急降下。この日、北海道以外は晴れの予報の中で添乗員さんが「雪が降るかもしれません」と匂わしていたため、バスツアーでよく行くコースの飛騨か金沢か福島辺りではないかと思う。しかも、「昼食はSAなどで各自購入し、バス車内で食べてください」とのこと。やっぱり遠くまで行く気らしい。ああもう、どうなる? ミステリーツアー。


岩槻ICから東北道へ入ると、車内ではもっぱら仙台説が最有力候補に。遠すぎだよー。予告通りの到着20分前に、ていうか参加者たちは標識をチェックしまくっていたのでもう気づいていたが「羽生PA」で最初のトイレ休憩のお知らせ。前回バスツアーで来たのが随分前で、建物がやけに小ざっぱりした外装になっており、トイレも素晴らしくキレイ。はて、こんなんだったっけ? しかもスタバがあるよ!! どうやら昨年11月18日に「Pasar羽生」という施設がオープンしたばかり。オープンの日には加藤あいがテープカットしたそうだ。へー。ファミマやパン屋もあって、昼食におこわ稲荷を購入。その後、11時20分に安積PAで20分間のトイレ休憩。ここのトイレの便座は温かく、寒いところまで来たんだなあと温度計をチェックすると4度。みんな東京の服装で薄着なんだが大丈夫か。心配だよお婆ちゃん。ももひき履いてる?


11時50分から13時10分まで「アサヒビール福島工場見学」。なんでそんな所に行くのかと言うと、これは格安バスツアーでよく組み込まれている、味噌蔵とかハーブ庭園とかワイン工房などの「無料の観光」ってやつ。残念ながら写真撮影は禁止。えー、つまんなーい。創業者の銅像があったので、鼻の穴に指を突っ込んできた。子どもか。工場見学通路で、ビールの製造工程とリサイクルの取組みの説明を45分間ほど見学。その後、アサヒスーパードライとソフトドリンクの試飲ができる食堂へ移動。私はお酒は全然飲めないので、林檎ジュースを飲んだ。ビールは1人コップ3杯までで、缶のジュースとコーヒーは5種類。


工場バージョンの図柄入り「おっとっと」(スナック菓子)と、スモークチーズ・合鴨しぐれ・牛肉ジャーキーおつまみセットが用意されており、ボリボリ食べていると、隣に座ったオバちゃんが「ジュース飲む? 缶には口をつけてないから」と、飲みかけの林檎ジュースを勧めてきたので軽く遠慮した。いや、いま同じものを飲んでるんで。それから数分後、「黒生ビール飲む? 飲みやすいわよ」と飲みかけのビールを勧めてきたので軽く遠慮した。いや、ビールは苦手なんで。それから数分後、「サイダー飲む? 缶には口をつけてないから」と飲みかけのサイダーを指差すので軽く遠慮した。いや、まだ林檎ジュースを飲み終わってないんで。・・・ってちょって待てコラー!! デジャヴ? なんか今、同じ会話が3回なかった? 飲みきれないんでしょ? オバちゃ〜ん。


余計な話ばかりで長くなってきたので先を急ぎ、13時35〜14時20分「安達ヶ原ふるさと村」で自由観光。水車小屋とか武家屋敷とか農村生活館とか、9つの建物が無料開放されている。一言で言えば「寂れきっている」ところ。ここの五重塔に「鬼婆伝説」の鬼婆の人形が飾られており、なんだか凄い話だったので、気になった人は昨日の日記で。


14時30〜15時30分「霞ヶ城城址公園」でボランティアのガイドさんの説明を聞きながら散策。戊辰の役で若い命を散らした二本松少年隊の像を前に、ガイドさんが身振り手振りで情感を込めて熱く語り、その後も会津白虎隊をライバル視する熱弁を振るい続ける。集合時間までに戻れるのかなぁと心配していると、5分前に腕時計を見て「あっ・・・」と小さく洩らし、唐突に説明が早口になり、ガイドさん1人だけ早歩きで先に行ってしまった。置いてけぼりかよ!! その頃になるとかなり寒くなっていて、バスに戻る前に全力疾走の1番乗りでトイレに駆け込んだが、あれ? なんだか景色が違う? 壁の向こうから「そっちじゃないわよ〜」とツアーの人が教えてくれた。どう見てもそこは男子トイレ。恥ずかしー!! すみません、ごめんなさい。ほんと落ち着けよ、私。無人で良かった…。


この後は1時間ほどでホテルに到着するとのこと。少し寒いけど雪は降らなかったな・・・うとうとして目覚めて窓の外を見てびっくり。大雪!! 吹雪!! なんで!! さっきまで雪はなかったのに漂流教室? 寝てる間に山を上っていたらしく雪だらけ。トンネルを抜けるとそこは雪国だった状態。傘ないよー。ツアー参加者たちは声に出して到着地の予想を開始。みんな声がでかい&初対面でも妙な連帯感の早押しクイズ状態で、「猪苗代温泉じゃないかしら」と控え目に言うオバちゃんがいれば、「俺も猪苗代だと思ってたんだよ〜」と彼女の連れではないオヤジが大威張り。お前が威張ってどうする!! が、スーッと猪苗代を通り過ぎてしまいどうやらハズレ。次に目に入った標識は岳温泉の看板で、車内前方から伝言ゲームの如く「(安達太良の)岳温泉みたい」と後方へ伝わっていき、「あ〜、あそこは去年バスツアーで行った…な。な? 」な? って誰に言ってるんだか、独り言かよオヤジ!! のつぶやきにも、数人の人が「行った、行った。ガハハハハ」と大盛り上がり。しかし、これもハズレ。


このままチェーンを巻かずに行けるんだろうかと不安が募る中、ゆ〜〜〜っくりとバスは山を上り続ける。取りあえずシートベルトをしとこう。自分たちはかなりヤバイ宿へ連れて行かれるんではなかろうか、とビミョーな緊張感に車内が静かになった到着20分前。パンパカパーン!! 「目的地は横向温泉でーす」と添乗員さんの発表。は? どこだって?


今回のツアー客の中に訪れた事がある人はいなかったが、この旅行会社のツアーパンフによれば、横向温泉は『奥州三名湯』のひとつだそうだ。「世界三大料理」「世界三大がっかり」とか、最初の2つはパッと浮かぶ有名所だけど、残り1つは「ああ・・・」という何でもいい感じなだけに、ここも3つめってやつ? 取りあえずは期待大。ちなみに他の2つはどこかと奥州三名湯を検索したら、宮城県秋保温泉(あきうおんせん) と、鳴子温泉福島県飯坂温泉とのこと。いやいや、鳴子温泉っきゃ知らなかったな・・・じゃなくて、その3つに入ってないよ横向温泉。


ともかく、奥州三名湯じゃなかったけど横向温泉の温泉は素晴らしく気持ち良かったので、大満足でミステリーツアーは終了。え? 2日目の話は? いやー、フツーに楽しかったです。終わり。終わりかよ!!