5月鑑賞の映画

スター・トレック』★★★☆
身重の妻と800人のクルーを救うため自らが犠牲となった英雄の父を持つカークは、22年後、惑星連邦艦隊へ入隊。緊急出動した新型艦USSエンタープライズ号に潜り込むが、地球人とバルカン人の血を引く論理的で冷静沈着なスポックと対立する…。TOS(宇宙大作戦)とTNG(新スター・トレック)を飛び飛びで観ていたくらいだけど、やんちゃで熱い青年カークと、「HEROS」の悪役サイラー演じるスポックがいい感じで続編に期待。J・J・エイブラムスTVシリーズエイリアス」と同じく、死ぬだろフツーの危機にハラハラわくわくは皆無。ウィノナ・ライダーエリック・バナの出演に全く気づかずクレジットで驚いた。


イースタン・プロミス』(リクエスト上映) ★★★★☆
ロンドンで身元不明の14歳のロシア人が女の子を産み落とし死亡。担当した助産ナオミ・ワッツは、残された日記を翻訳してもらうためレストランを訪れるが、オーナーは闇社会のボスだった…。日常のすぐ隣に存在する、違う価値観で生きる者たちの秩序と業の深さにのめりこむ。一切の無駄を削ぎ落とし、誰もがこの映画で1番印象に残ると思われるサウナのシーンの凄まじさ。壮絶な緊迫感と画ヅラの滑稽さに、固唾を飲んで静まり返る劇場内でただ1人肩を震わせて大笑い。いや、あれは笑うでしょう。無修正で是非。


『バビロンA.D.』★★
局地的に荒廃した近未来。新セルビアから1万キロ離れたニューヨークへ、謎の力を持つ“サカナくん似の娘”と、お目付役のオバちゃんミシェル・ヨーを送り届ける依頼を受けた傭兵ヴィン・ディーゼル。あっという間の1万キロ、壮大な計画企むショボイ組織、カメラの動きが激しくてわけ分かんないミシェル・ヨー、出番それっきりの黒幕と尻すぼみのクライマックスに背筋の凍る詰まらなさ。大丈夫なのか? ヴィン・ディーゼル


『天使と悪魔』★★★
原作既読も脳内補足が追いつかず、字幕を読んでる間にラングドン教授の超絶解読力が炸裂し次々と謎は解決。が、「ダ・ヴィンチ・コード」が全速力のフルマラソンなら、今作は短距離の競歩で周囲を眺める余裕あり。冒頭のセルン(研究所)を大幅カットしたのは大正解。クライマックスの変更で、全体的にかなり地味な印象。


スラムドッグ$ミリオネア』★★★★★
ミリオネアに必要な知恵はすべてスラムで学んだ青年の一途な初恋。緊張感が途切れずスピード感ある展開にくぎ付け。お兄ちゃんの出番がもっと欲しい。今のところ今年ナンバー1かもと心おどる興奮に一息ついたエンディングクレジットで、ヘナチョコダンスにテンション急降下。


グラン・トリノ』★★★★☆
苦虫噛み潰しまくりな顔でうなる気難し主人公ジジイと、言葉は違えど会話が成立している隣家の頑固バアさんの応酬にニヤリ。自己中な身内との違いが極端なモン族の姉弟との交流を丁寧に描いて、ほろ苦い余韻を残すイーストウッドの歌が胸に沁みる。


バーン・アフター・リーディング』★★★☆
クビになった元CIA(マルコビッチ)、脳ミソ筋肉男(ブラピ)、色ボケエリート(ジョージ兄貴)+本気でズレてるCIAの、ベクトルの違うバカぶりに中盤までは楽しかったけど後半疲れた。思いを寄せる女性に遠回しに伝えても、ストレートに告白しても分かってもらえないジム支配人の末路にがっくり。“すげえ奴、CIAマ〜ン”の歌が耳に残って思わず口ずさむ。


マックス・ペイン』★★★
燃える空を背景に黒い怪鳥がバッサバッサと飛びまくる予告で、妻子を殺された主人公と異世界の敵との死闘を描くB級のノリを期待してたら完璧に勘違い。むしろマトモすぎて拍子抜け。「007/慰めの報酬」のオルガ・キュリレンコが、ドレスを脱いだらパンツ一丁の後ろ姿に強烈な印象を残しただけで早々に退場し愕然。