バスツアーで九州へゴー!! 4 湯布院篇

8時30分、別府湾ホテルを出発。前日の座席は運転席側の前から4番目で、この日は扉側の後ろから2番目。前後左右の人たちは変わらず。2月中旬のこの頃は九州の花粉の飛散量が多く、携帯で飛散量をチェックしてみると、「大変多い」を示す赤色でまっ赤っ赤。後ろの席のオヤジも「はっくしょん、コンチクショー」とオヤジクシャミを披露。北海道に行った時には白樺でクシャミが出まくりだったけど、九州の花粉とは相性が良く、全然症状が出なくてむしろ快適だった。


9時15分、湯布院に到着。2時間の自由散策へ。きゃー、どこに行く〜? ロールケーキとかパンとか買いたいんだけど〜、なんかすごく静かなんですけど〜、バスツアーの人以外の観光客が見当たらないんですけど〜・・・って、まだ店が開いてないよ!! 10時からだよ!! 早すぎなんだよ!! というワケで、静かな街をぶらぶら歩いていると、土産物屋の軒先で野良猫がのしのし歩いていた。ていうか、あなたそれは売り物の上ですよ。軽井沢を目指して迷走中、じゃなくて模索中の湯布院の街には、猫屋敷、犬屋敷、モンチッチの店、スヌーピーの店など、ピンポイントな雑貨店あり。



ぶらぶらしながら、街外れ(街自体は直径3kmくらい) にある「金鱗湖(きんりんこ)へ」。“湖底から温泉と清水が湧き出ており、その温度差のために冬季には湖面から霧が立ち上る幻想的な光景が見られる(wikipedia)”そうだ。到着が早すぎなんだよ!! と思っていたけど、おかげで霧が見られた。



そして「マルク・シャガールゆふいん金鱗湖美術館」へ。入場料600円→ツアーバッヂ提示で400円。リトグラフが50枚くらい展示されている。つーかもう、シャガールって誰だっけ? 出て来いシャザーンなら知ってるけど? な芸術音痴な私なので、観ても全然分かりませんでした。でかいのが1枚ありました。なんか色が塗ってないのばっかりでした。子どもの作文かよ!! 隣接しているカフェはほぼ満席なくらい混雑。添乗員さんとガイドさんがお茶してた。


金鱗湖から中心部へ戻って、天然酵母のパン工房「まきのや」へ。ガイドブックにも、店頭の貼り紙にも、北海道の栗かぼちゃを使った「かばちゃパン」と、焙煎クルミが香ばしい「クルミパン」がお勧めとある。火曜日が定休日で、この日は10時半から販売開始。まだ30分ほど時間があったので、「源泉100%かけ流し」「予約不要」「10時から入浴可」の条件で下調べしたおいた「日の春旅館」へ。まきのやのすぐ近くで超便利。タオルは手ぬぐいを1枚持参。安いホテルにばかり泊まっているせいか、仲居さんが部屋まで案内してくれそうな落ち着いた門構えに(フツーだよ) 、ビミョーに敷居が高く感じてしまいコソコソと様子を伺う。余計に怪しいよ。チェックアウト後で旅館内にはひと気なし。日帰り入浴は1人500円で、入浴出来るのは露天風呂のみ。風呂の枯れ葉をお掃除中のオジさんが超特急で出て行ってくれた。


立ち寄り湯で気になる貴重品ロッカーはないものの、露天風呂と仕切られていない脱衣スペースが、3歩くらいのところにあるので大丈夫。カランは4つくらい。温泉の底に2センチくらいの深さに小玉砂利が敷き詰められていて、これが座り心地抜群。体重移動の度に、めりめりめりとお尻が沈み込む感覚がいい感じ。露天風呂の底はザラザラしていて尻が痛い事があるけど、ここの底は凄く気持ちいい。そして、温度がバッチリ適温!! 高温なのに熱くなくて、のぼせずに長湯できそう。サラリとした湯が肌に優しく、湯上がりがすっきりと軽い。静かで、衝立てに圧迫感がなくて、岩がゴツゴツしてなくて、誰も入ってこなかったので貸切。素晴らしく気持ちのいい温泉だった。いっぺん泊まってみたい。


さっくりと温泉を堪能して、10時35分に「まきのや」へ。離れた場所からでも分かるほど、10人くらい並んでる。もうかよ!! 焦りながら列に並ぶと、みんなアレもコレもと何個も買っていて、テーブルに並んでいた8種類ほどの菓子パンがみるみると減っている。うそ、うそ、うそー!! 私の前に並んでいた女性も、かぼちゃパンとクルミパンを買うつもりだったらしく、外で待つ彼氏に「かぼちゃパン売り切れだって」と実況中継中。売り切れかよ、かぼちゃパン!! 更には「クルミパンも売り切れだって!! 」と困っている様子。売り切れかよ、クルミパン!! 「もう、何でもいいよ」と彼氏。私も買えるなら何でもいいよ。


私の前の前の前の女性の時には食パン以外は売り切れ目前で、シナモンパンが10個くらい、みるくパンが残り5個、あんパンが残り2個しかない。店内にみなぎる緊迫感!!



買うな、買うな、あんパンを買うな!! 買うな、買うな、あんパンを買うな!! 買うな、買うな、あんパンを買うな!! 買うな、買うな、あんパンを買うな!! 買うな、買うな、あんパンを買うな!! 買うな、買うな、あんパンを買うな!!


私の念が通じたか、3人前の女性はあんパンを買わなかったが、2人前の女性があんパンを購入。買うな、バカ!! あんパンの残りは1個。私の前にはあと1人。


買うな、買うな、あんパンを買うな!! 買うな、買うな、あんパンを買うな!! 買うな、買うな、あんパンを買うな!! 買うな、買うな、あんパンを買うな!! 買うな、買うな、あんパンを買うな!! 買うな、買うな、あんパンを買うなーーーー!!


得体の知れない気配を背後に感じたか、前の女性は別のパンを購入。ふう。私は直径10センチの高原みるくパン390円、あんパン、シナモンパンの3種類を1つずつ購入。850円くらい。平日の開店時間だというのに、この調子だと10分くらいで売り切れそう。


予想外の緊張にどっと疲れたため、あまり離れていないところで足浴することにし、湯の坪街道に面した「湯の坪横町」へ。湯の坪横町の土産物店のいずれかで、入浴券代わりの手ぬぐいを購入。1人200円。土産物店のオバちゃんが言うにはお湯が熱いらしく、別の店のオヤジが現れて水をジャージャー流し入れて調節してくれた。これが、あまりのジャージャー流し入れっぷりにハラハラ。そんなに水を入れて大丈夫なのか? オヤジ!! 「どう? まだ熱いかな?」と聞かれて足を入れた時には、真夏の水道水くらいになっており、その時にもまだジャージャーと水は出ていたため「大丈夫です、大丈夫です、ちょうどいいですー(止めて、止めて、止めてオヤジ!!)」と焦りに焦って、やっと水を止めてもらう。ぬるま湯だよ、オヤジ!!


ところが、ぬるいなあと思いながら数分入っているうちに、だんだんと熱くなってきて、あっという間に快適温度。あと10分もしたら熱くて入れなくなりそうなくらい。ここの足浴は源泉が73.9度、使用位置が63.3度と熱いため、加水しないと入れないけど、ジャージャーと水を加えて薄まってもやっぱり気持ちいい。じんわりと汗ばんできで、短時間でも足が軽くなる。小屋の中なので落ち着けるし、観光の途中に立ち寄るのにお勧め。快適温度の時間は短いけど。



写真を撮りながらのんびり歩いて、集合場所となっている土産物屋「勢吉茶屋」2階の団体客向けレストランへ。10分前でも、ツアー客の半数くらいが集まってる。昼食は、花びらの形の大きな籠の中にちょっとずつおかずが入っていて、見た目の可愛さにキャー!! な感じの「花かご膳」。1階で販売している土産物の宣伝で、佃煮やら「ごはんですよ」みたいな海苔をタッパーに入れた店員が、何人もテーブルにきて配って回る(バスツアーではよくある光景)。これがまた嫌がらせかよ!! というくらい美味しくない。食べさせない方が売れるよと教えてあげたい。


ツアー客の顔をまだ把握しきれていないので、近くの人たちを観察しながらの食事。「水色シャツ」「砂かけババア(失礼)」「おかまバー」など着々と命名中。昨日はとっくりセーターだったチロリアンは、この日は帽子と同系色の薄手シャツ。お洒落さんだよ、チロリアン。そうこう食べているうちに、温泉玉子の皿を手に持った同じテーブルの「大人?男」が、ツルッと滑らせ「あっ!! 」と思った時には、ツルッ、ツルッと2段階で取り損ない、上着とズボンに落とし静かに大慌て。デンジャラス、温泉玉子!! 4日間おなじ服を着る私は、すっかりビビッて食べるのを止めたが、近くに座っていて気づいたオバちゃんたちも、誰1人温泉玉子に手を付けようとしなかった。食卓にみなぎる緊張感、恐るべし温泉玉子!! 昼食後、出発まで時間があるので、ロールケーキが定番土産の「B.Speak」へ。12時前なのに3分の1サイズは売り切れ。九重“夢”大吊橋篇へ続く。