グリグリ・パート4

前回までのあらすじ。突如、口の粘膜に現れた親指大のグリグリに仰天し、歯科口腔外科へ。別の病院を紹介され、MRI検査を受ける事になる・・・


と、いうワケで、本日やってきました初MRI検査ー!! パフパフ、ドンドン♪
金属がついていなければ下着や肌着など自由に着られたのだが、そんな用意が全くなかった私は、おパンツ一丁になって、脛まである検査着に着替え準備万端。詳細な報告を書くべく張り切って待機していると、コンタクトレンズを外すように言われてしまいガックリきた。んもー!! それじゃ何も見えないじゃーん。


その他、最終金属チェック。これはMRI検査と造影剤投与の説明の時に聞かれた以上に細かかった。湿布、ピップエレキバン、おパンツに装飾がついていないか、ガードル、ウエストニッパー、腹巻き、金属がついている肌着、外せる歯など、いま一度確認してくださいとのこと。落ちにくいアイシャドーもダメだという。なんと!!


時間キッカリに呼ばれ検査室へ入ると、うすらぼんやりしか見えないながらも、出た、見えた、来たー!! テレビとかで見たMRI検査、でけー、カッチョイイー!! まずは耳栓を渡された。そうそう、「工事現場」みたくウルサいってみんな言うもんね。耳栓をしたら「えー? あんだって?」と説明が聞こえなくなるかと思いきや、検査技師の声は良く聞こえた。こんなんでいいのか!! とりあえず、検査中に耳栓がポロリと飛び出しやしないように、思いっきり中へ突っ込み、ギュウギュウにねじこみまくり検査台へ。


ついでに、ボケの兆候とか教えてくれないかなー、と期待していたのだが、左頬しか撮影しないらしい。いやいや、そっちの方が深刻なんだって。検査台へ上り上向きで寝ると、膝の下に枕を入れてから、頭のてっぺんを板に押し付けるように移動。両肩の位置にある窪みに肩を突っ込み、頭が動かないようギリギリまで頭の方へ詰める。そして、両腕もろとも身体を海苔巻きのようにシートで巻かれた。ややや、ホントに動けん!!


頭部は額をマジックテープで固定し、頭の回りの隙間には空気袋をギュウギュウと詰め込まれ「割れ物注意のお歳暮」のような有様に。更には、キャッチャーミットのようなものを顔の上に乗せられ、視界も小さくなった。これで目玉と両手指以外は全く動かない。ぎょえーーーーーー!! 唐突に拘束恐怖症となり心臓がバクバクしてきた。なんかもう、心拍数250って感じ。コワイよ、コワいよー!! アンタそりゃ死んでるよ。


しかも、20分と聞いていた検査時間が、30分間に変更。ゲーーーーーー!! 大丈夫なのか? 私!! 気分が悪くなった時に知らせるため、見えないので分からないが、ゴムボールのような感触の玉を握らされた。もう、握っちゃう? 握っちゅうー? まだ、検査始まってないよ。


注意事項は口の検査のため「口を開けない事」「舌を動かさない事」の2つ。但し、口を動かさないようにツバを飲み込んでもオッケー。グリグリのせいでツバは出なくなってるからいいとしても、30分間、口を動かさないって心配だよー。顔が痒くなったら? 鼻くそが詰まったらー? いっぺん自由な身体にして欲しくなるほど、すっかりビビッている私にはお構い無しに検査開始。検査台がガタガタと穴の中へ入ってく。ひえー!!


これがまあ、目を瞑ってから穴へ入っているせいか、どのくらい狭い場所にいるのかも分からず、身体を固定されているという感覚も薄らいで全然大丈夫。様々な音が鳴りだした。


カンカンカン、コンコンコン、カンカンカン、コンコンコン!! フライパンとヤカンを叩いてる系


ガガガガガ、ガガガガガ、ガガガガガ、ガガガガガ、ガガガガガ!! 小工事現場系


ブーブーブー、ブーブーブー、ブーブーブー、ブーブーブー!! 小ブザー系


ダァダァダァ、ダァダァダァ、ダァダァダァ、ダァダァダァ!! 人間が「ダアダア」叫んでる系


ウーウーウー、ウーウーウー、ウーウーウー、ウーウーウー!! 人間が「ウーウー」叫んでる系


ガンガンガン!! の大工事現場系と、コンコンコンとドアをノックしてる系の交互


基本は飛行機の中の轟音で、それプラスこれらの音が繰り返されていく感じ。確かにうるさかったが、寝台がほどよい固さで動けなくても全然ストレスなし。却って静かじゃない方が気が紛れて良かった。つーか、そんな事より、この中が寒ーーーーーーーーーい!! 毛布をかけているのに、寒くて指先がすっかり冷たくなってしまった。この音といい、この寒さといいキャセイ航空に乗っているような感じ。いやもう、この寝台の角度なら、フルフラットシートのファーストクラス? こんな感じ? こんな感じ? キャー!! 乗ってみてー!!


ていうか、この中でおならが出たらどうなの? 相当くさい? 余りにヒマなので、ファーストクラスの幸せの光景から、おならの心配まで色々と考えているうちに、カンカンカンカンカン、あれ? あれれ? 動いているような? 検査終了。もう? もう終わり? うっそ30分経った? なーんだ、チョロイじゃーん?


「これから造影剤を投与して、あと10分ちょっとです。」


あ、そう。どうも早いと思ったんだよ。そのままの体勢で体重を聞かれ、「ほにゃキロです」と公称数値を言うと少しして戻ってきた。体重で造影剤の量が決まるそうだ。うそーー!! ごめんなさいごめんなさい、ホントはあと1キロ、つーか2キロ? もしかして3キロくらい多いんですー。大いに焦って、どのくらいの誤差まで大丈夫なのか聞き直すと、5キロ、10キロ違わなければ平気らしい。ふぅ。ちなみに私の体重だと「1.5T」らしい。ふーん。造影剤は左腕の静脈に注射されたが、顔が動かないので見えなかった。


再び、検査装置の中へ。この少しの休憩があったせいか、10分少しはあっという間で、30分間の検査中はおならを含む何事もなく無事終了。アレルギーがあると造影剤の副作用がそれ以外の人より3.8倍になると説明があり、花粉症と金属アレルギー持ちの私は多少心配していたんだけど、気分が悪くなったり等もなかった。多少、だるい気もするけど、これは多分、寒かったせいではないかと。


帰りに「良かったらどうぞ」と検査技師に小さな紙の箱を渡され、なになに? MRI検査記念!? キャー!! 大喜びして受け取ると、検査に使った耳栓だった。要らねえよ!! いや、やっぱり貰っときます。