方向音痴
ここのところ毎朝、出勤前の同じ時刻に『ピピッ、ピピッ!! 』と鳴る警告音に、毎回、毎回「風呂かー!?」と勢いよく反応し、ＡＱＵＯＳケータイのCMだったと気づく。紛らわしいんだよ!!
毎回毎回間違えると言えば、立川駅は北口と南口を結ぶ2階コンコースの中央に改札があり、北口側にはコンコースを挟んで、両側に出入口がある駅ビルがある。東西に細長いこの駅ビルは、上階と下階のフロアは繋がっており、エスカレーターは東西の端に2カ所。
さすがに駅改札を出て家の方角(ちなみに南口)を間違えるという事はないが、この駅ビルの地下で買い物してから、2階へ上って南口へ出ようとすると、恐ろしい事に、ほぼ間違いなく家の方角ではない北口へ歩き出してしまう。何故ー!? エスカレーターを2階分上る間に、東西南北がごっちゃになるというか、帰巣本能がないというか、脳ナビが欲しいというか、8年も利用している駅でなんで間違えるの? 私ー。 いやもう、自分で自分の脳ミソに問いかけたい。
これはもう、方向音痴というより単なるバカ? バカでしょ? で、ついに解決策を思いついた。東側の地下で買い物してエスカレーターを上った場合は「右」、西側のエスカレーターを使ったら「左」と覚えればいいんじゃーん? 気づくのが遅いんだよ!!
が、しかーし!! 筋金入り方向音痴者には、そんな「気づき」くらいでは効果なし。右、左、と覚えたハズなのに、エスカレーターからコンコースに出る直前に、「私んちは右!! の気がする」、「私んちは左!! の気がする」などと、どこからともなく囁く方角に導かれてしまうのだ。直感ってやつー? で、これがまた、ほぼ違う。なんだろう? 逆? もしかして、直感と逆に行けば正しい方へ行けるんじゃん?
・・・ダメだった。右が家の方だと思うけど、敢えて左に行くよ、えーーーーーい!! と、曲がったら逆方向。恐るべし、裏の裏をかく方向音痴の呪縛!! てかもう、覚えた事よりも、直感を信じてしまう自信が、方向音痴の方向音痴足る所以ってやつ? んー、根が深いよこりゃ。
で、気の抜けた(というより、もはや小汚い)地元人スタイルがいけないのか、私は人に道を聞かれる事が多い。方向音痴だーちゅうのに!! ちなみに、1時間の間に3回、別々の場所で、別々の場所を尋ねられたというのが記録。1日に2回というのも何回かあったけど、信号の反対側から私を目指してまっしぐらの中年女性がいたので、勧誘? アンケート? と無視を決め込む体勢に入っていたら、駅はどこでしょうか? なんてのもあった。こんなに信号待ちしている人がいる中で、目を付けられてるよ!!
若い女性か、くたびれた女性か、しなびた女性に聞かれる事がほとんどで、男性は私からダダ漏れしている「方向音痴オーラ」に気づくのか、尋ねられた試しがない。もしくは、男性はあまり道を尋ねたりしなかったり? 通りとか番地でテキトーに行けちゃう? なんで行けるー?
先日は自宅からすぐのところで遭難オバちゃんと遭遇。10m先にいたオバちゃん2人組が私を見た瞬間、小走りまっしぐら。来たー!! オバちゃんは、すぐ近くにあるに違いない建物を探していて、住所を聞くとホントに近い。いやもう、さすがに自宅近くの事なら私でも分かるから。で、自信満々に地図が載っているハガキを見てみると、恐ろしく簡略化された地図でさっぱり分からない。誰だこれを書いたヤツは。目印になる建物を書け!!
しかもオバちゃん情報は「ピンク色のビル」という事だけ。ピンク、ピンク、ピンク・・・ピンクーーー!? ああもう、デパートや大型量販店のような有名処なら勢いよく教えてあげられるのに、「地図」を見て無名の建物を教えるなんて、全然ダメなんだよう。
ハガキをぐるぐる回して「自分の中での」駅の方角に合わせてから、私もぐるっと回って駅から出たイメージで地図を見るという、完全に地図が読めない女と化しながら、駅を出て、左にずーっと歩いて、交差点をまっすぐ・・・・・・突然、自分たちと同じ側に立って、ブツブツ言い始めた私を「こりゃダメだ」と思ったか、オバちゃんが「さっきのハガキの状態で、駅からの方角は合っているんですよ」と隣でやかましい。あー、もう、分かんなくなっちゃったじゃーん!!
しょうがないので、もう1度よく地図を見てみると、電話番号が書いてあった。最初っから電話して聞いてくれよ、オバちゃーん!! と、いうワケで、電話してみてはどうでしょう? と言うと、2人ともそうだった、そうだったと目がキラキラ。が、携帯電話を忘れたらしい。しょうがねーなー、私のを貸してあげるよ〜・・・だー、充電したまま忘れた!!
そんなワケで何の役にも立たないままオバちゃんらと別れ、この辺り、公衆電話はないんだよね、などと心配しながら時計を見てびっくらこいた。完全に忘れてた、約束の時間に間に合わないよー!! ボケと方向音痴のダブルパンチじゃ、私も人の心配してる場合じゃないよ。
