北海道5 偽鹿に騙されるの巻編

出発の朝まではあと3つの猶予があったベルト穴が、バスに乗っちゃー菓子を食い、土産物屋に寄っちゃー試食探知機の如く試食品を食い荒らし、食事がマズイと言っちゃー毎回平らげていたのがいけなかったか、3日目の朝、ついにベルト穴はあと1つ!? ピーンチ!!


3回は温泉に入らなくちゃ食事の分を取り返せないので、6時に飛び起きて温泉へ急行。くー、朝日が目に滲みますぜ、兄貴。誰が兄貴なんだか。北海道にきて初めて快晴のこの朝は、昨夜は真っ暗けで自分たちが入ってる風呂っきゃ見えてなかった露天風呂も、斜面の木々の眺めが目に良さげで気持ち良いー。


シャッキリしたところで、7時から朝食バイキング。座敷入口で「おはようビール」の注文を受けていた。朝からビール!! 昨夜にも増してマズイもんばっかりだったが、お昼にどんな恐ろしいものが出るか分からないので、
腹いっぱい食べておかないといけない。


この日のバスの座席は、うす毛+看護婦の後ろで、ダンゴ+夫の前の席の、後ろから2列目のガイドさん側。予想通ーり!! 8時に出発し、登別から国道36号線で今晩宿泊する札幌を通り過ぎ、岩見沢SAで15分のトイレ休憩。ちんまりした売店で「オホーツク産 はまなすソフトクリーム」300円を購入。んー、この上にかかっているオレンジ色のジャムがはまなす? ちょっと酸っぱくて美味しい美味しい・・・てかもう、“はまなす”って何!? はま茄子!? えーと、約7cmの紅色の五弁花をつけ、果実は扁球形で梨に似た味がする、バラ科の落葉低木だそうだ。何だかさっぱり分かんないけど、茄子じゃないのね。


雪だらけの光景にガイドさんが「一面ラベンダー畑になったのを想像してください」と、いつの間にやら想像の旅と化しつつ、岩見沢SAから1時間40分で上富良野の昼食場所「思い出のふらの」に到着。どんな名前なんだ、しかし。またもや事前オプションで申し込んでおいた昼食は、「三色丼」と「ジンギスカンデラックス」で、両方とも1500円。


三色丼はウニ・イクラカニの定番で、昨日からマズイもんばっかり食べていたせいか、予想外に美味しくてビックリ。中の上の上!? もしくは上の下の下の下か!? 全然、分かんないよ。ジンギスカンデラックスもマトモな味で、この店は大丈夫。いやもう、昨日の昼は酷かった。店を出て通りの反対側に「かみふらの八景 深山峠ラベンダーオーナー園」という看板があったので、雪だらけの畑を背景に写真を撮ってきた。って、家に帰って地図で見てみたら、後ろの山は十勝連峰だったらしい。教えてくれよ、モジャー!!


そこから10分ほどで美瑛町「展望花畑 色彩の丘」へ到着。んー、雪だらけ!! いやもう、観光客、誰もいないし。「この広い景色を堪能してください」とガイドさんはついに広さのみをアピール。花満開の季節には見向きもされないようなデカイ藁人形が、ツアー客らの撮影スポットとなり、順番待ちの人気者状態。と、100mくらい先の林の手前で鹿がこっちを見ていたのだ。鹿だよ、鹿、ツアー客騒然、写真写真写真写真、早く早く!! 写真写真写真写真、早く早く!! 写真写真写真写真、ウキー!!


「・・・・・」


いつまでも動かないと思ったら偽物かよ、チキショー!! いやもう、絶妙な位置にいるんだもん、すっかり騙された。ちなみに、この色彩の丘のHPを見たら、素晴らしく綺麗な花畑の画像が出ていて、何故、雪っきゃない季節に行っちゃったんだろうね? 私たち、ってなもんだが、なんたって3万円だから雪でもいいの。こればっかり。他のツアー客も満足してるみたいだったし、恐るべし、3万円の威力!!



そうは言っても、今日って、1日かけて来たわりに雪っきゃ見られなかったんじゃ・・・とツアー客らが薄々気づいた頃、モジャ添乗員が唐突に「集合写真」と「オプション」の清算を、今から始めると言い出した。全員に封筒と明細を配りながら「必ず、お釣りのないようにお願いします」を何度も繰り返す。いきなり言われて、持ってるかバカ!!


オマケに『集合写真は「五稜郭」「大沼公園」「有珠山」「小樽」の4カ所で撮りましたから」ってアンタ、小樽はまだ行ってないよ、明日だよ。小樽はまだ撮っていないのに、今、買うかどうか決めなくてはいけないのだ。いや、買うつもりはないけど。モジャの営業タイムとなり、1枚なら1300円で4枚なら4400円、2枚以上買えば(チンケな)アルバムも付きますと熱の入れようで、同じ写真を2枚買っても(チンケな)アルバムは付かないという、たったこれだけの事を説明するのに、もの凄く時間が掛かってしまう、会議に参加して欲しくないタイプ、モジャ。


写真が回ってきたので、後でツアー客を見て楽しもうとデジカメでこっそり撮影。ところが、よくよく見たら、自分たちのツアーが写っていたのは最初の五稜郭だけ。良くみれば景色が違うじゃん、人数少ないじゃん、晴れてるじゃーん!! 知らない人たちの写真を撮っちゃったよ、もう。どうでもいいけど、 1枚しか確認出来ないのに、4枚の写真を注文して下さいってどうなの。


どう考えたってぴったりお金がないので、次の休憩所である「砂川ハイウェイオアシス館」後の清算になった。そりゃそうだろ、モジャ。ここで土産物を買って金を揃えないといけないため、ツアー客みんな買い物に大忙しで、私もしょうがないので、1万円札で105円のキャラメルを1個買う、いやがらせのような客と化し、何とかぴったりのお金を用意。


チョコ→煎餅→饅頭→夕張メロンゼリー、チョコ→煎餅→饅頭→夕張メロンゼリーとグルグル回って試食した後、300円のソフトクリームを食べ、甘いものの後は煎餅と決まってるので煎餅の試食で口の中を元に戻し(?)、またもや大量にカロリーを摂取しバス戻り。んー、果物の試食も欲しい。てかもう、オプションの領収書も明細書も何もくれないんだけど、モジャー!?