「青空温泉、裸天国」

 3日前に飲んだスープの松の実と、そのままのカタチで便器で対面した私です。丸飲みかよ!!

 ところで、講談社創業100周年記念企画『昭和ニッポン一億二千万人の映像』が面白い。
 ニュース映像(映画の上映前に映し出されたらしい)を編集したDVDと解説本で、昭和をめいっぱい満喫出来るのだ。

 DVDは各巻約50分、解説本はA5判の各巻2色64ページで、第1巻 『世界恐慌と太平洋戦争 戦前編(昭和元〜20年)』から始まり、第24巻『裕次郎、ひばり逝去と昭和天皇崩御(昭和62〜平成元年)』まで、全24巻というボリューム。誰も聞いちゃいないが、私が生まれた1969年は、第16巻『アポロ月面着陸とマイカーブーム(昭和44年)』。

 2004年10月20日に2巻同時発売し、その後は毎月15日に2冊ずつ刊行(順番通りではない)。各巻3000円と別冊(総年表・総索引)1000円で、全巻揃えると、なんと73000円にもなるという、1巻の手頃さに買ったが最期、途中で総価格を計算してギョッとなる、ディアゴスティーニかよ!! なビビリ価格なので要注意。特価期限はすでに終了してしまったが、3大特典付き一括払い65000円というのがあった。※全て税込み

 3大特典は特別版DVD2枚と専用ケース。
1)「昭和の100人」昭和を代表する政治家、文化・芸能人、スポーツ、皇室、外国人の映像と肉声。(収録時間約45分)
2)「昭和の風景」 遊技場やイベント、流行モノなどの映像。(収録時間約45分)
3)「DVD BOOK 木製セットケース」ショボくれた黒いケース。

 さすが特典映像!! この一括購入した人だけが観られる「昭和の風景」が面白いのだ。例えば『100円で食べ放題・飲み放題(昭和41年・銀座)』。いくつかの飲食店が入店しているビルで行われた、限定1000人に100円で和食・洋食・中華が食べ放題というイベント。

 客達には入場する際には胃薬が手渡され、建物内はバーゲン会場並の大混雑。それだけで一食分になりそうなほどの、餃子やチャーハンを皿にかき集め、いくつかの飲食店を食べ歩く。通路で胃薬を飲んでいるオヤジや、口の中に食べ物を入れたまま彷徨う客達の光景を、冷静な口調でナレーションしているが面白すぎる。昭和41年の100円って、現在のいくらくらいなのかなあ。

 そして、何と言っても私のお気に入りは、『ぶどう畑に温泉現る(昭和36年山梨県石和町)』。石和町に温泉が湧き出て、連日3000人もの人々が、バスや自転車で温泉に浸かりに来るというニュース映像。何が凄いって、アータ!! 何しろ、だだっ広ーーい畑の中にある温泉のため、当然脱衣コーナーなどなし。みんなところ構わず裸になり、男も女も全裸で闊歩してるのだ。

  衣類は風呂敷に包んで木や自転車にくくりつけておくため、泥棒に盗まれないよう警察官が監視しているのだが、泥棒の警戒はしても、裸集団の取締りはしないらしい。恐るべし、昭和36年石和町!!

 そして、老いも若きも尻丸出し、オッパイ丸出しで一緒くたで混浴する。てかもう、混浴などという、ちょっとエッチな想像のレベルを飛び越えて大暴走。100人は居るかと思われる見知らぬ男女が、身体が触れそうな距離でひしめき合って入浴。真夏の大混雑の大磯ロングビーチが、全員裸になったような有様で、しかも、温泉に浸かりながら酒を飲むオヤジあり、握り飯食うバーさんあり、お茶を人に勧める女性ありで、花見のようなくつろぎっぷり。

 昭和36年ってこんな!? 私が生まれる、たった8年前がこんな事になっていたとは素敵すぎ。数分間の短い映像なので、あまりの可笑しさにエンドレスで観つづけた。是非とも身近で一括購入した人を探して観てください。