暖冬につき、ガンコレベル2

池袋サンシャイン劇場で公演中の、演劇集団キャラメルボックス クリスマスツアー『スキップ』 を観てきた。キャラメル好きで誘ってきた彼女は、何度かこの劇場に行っているとは言っていたが、何しろ長野県人で方向音痴(イテッ、イテテッ、長野県人から石が)。

今回、長野からの定期バスで来るというので、本来ならば東京人である私が、バス到着場所まで迎えに行くべきなのだが、駅前までバスが来てくれないのだー!! いやもう、だーじゃなくて、そんな私も、横浜・東京で35年間生きてきながらも、池袋に行くのはこれが2度目。しかも、その1回も15年も昔の話で、行楽ついでにサンシャイン60展望台へ上っただけの、完全素通り状態。

運動オンチのハイテクオンチ(なんの関係が?)で、 何故か間違った方角へ吸い寄せられてしまう体質で、電車から降りればみんなと逆方向へ歩き出し、毎日利用する立川駅でさえ方角が分からなくなる、人間青木ヶ原の樹海の私では、はっきり言ってお迎えは無理!! そんなワケで、お互い頑張って東急ハンズ前で待ち合わせようと決定。会えるのか、私たち!! とりあえず、ハンズのサイトで地図をチェックし、通りの名をメモしていった。どこの田舎者だ。

電車からハンズの緑看板が見えないかと、どの方角にあるかも分からない建物を探してるうちに池袋駅到着。いやもう、これでトンチンカンな方角へ行ってしまった事しばし。で、どかーんと開けた池袋駅東口からは・・・見えないじゃん、ハンズ!! もー、こまめに矢印出しといてよ。そりゃ、葬式だ。

で、地図を見た限りでは、まっすぐ行って、途中で一回曲がるだけの間違えようもないハズの場所で、多分駅から500メートルくらい離れてると考えると、引き返しリミットは10分決定。この1回曲がるってトコがクセモノなので、いつでも駅に戻れるように、常に後方を確認しつつ歩くこと数分。これがいけないと分かっちゃいるが、思いつきで適当に曲がってみると、見慣れたハンズの緑看板が見えた。やった、当たり!! もう、肩、凝っちゃったよ。

方向音痴の鉄則で、待ち合わせ時間の1時間前に到着した私は、エスカレーターから離れないようにハンズ内を散策。時間になったので入口に戻ると、長野彼女も定刻通り到着し、無事自力でやって来た。いやもう、「着いたけど、どこにいるのか分からない」と携帯で言われなくて、心底ホっとした。私こそ、どこにいるのか分からないよ。

サンシャインシティから出ないように昼食を済ませ、いざサンシャイン劇場へ向かおうとエスカレーターを上ると、何故か突然屋外へ。どこなんだ、ここは。案の定、こんなところでまで迷ってしまい、2人で何度も看板を指差しながら「あっち!!」と大声で確認し、なんとか会場へ辿り着いた。ふぅ、これぞスリルとサスペンス!!

今回の公演は、北村薫原作の『スキップ』を舞台化したもので、直前に読もうか迷ったのだけど、読まない方が楽しめるかもというアドバイスに従い未読。平日の14:00開演も、ほぼ満席だった。ストーリーは、17才の真理子の心が、突然42才の自分の身体に“スキップ”してしまい、今朝までの自分と同い年の娘との対面、見知らぬ中年である夫の存在、高校教師としての大人の責任など、 25年間という途方もない時間の喪失に葛藤しながらも、逃げずに受け止め生きていくというもの。こんな話? ホントか。言葉を操り、笑いあり、ホロリあり、ええ!!? ここで終わり、な濃縮果汁な2時間を満喫。読んでいなくとも原作の素晴らしさは分かったが、演出も良かった。2人の真理子が同時に舞台に存在し、17才のままの内面と、昨日から続く42才の生活とのバランスが、すごく面白い。てかもう、あそこで終わり!? うがー!! 原作読まなくちゃ。

で、仲間内で数々の伝説を残してきたガンコな長野彼女の、最新ガンコ情報〜♪ パフパフ、ドンドン。
帰りのバス待ちの間、なるべくこの場から離れずにお茶しようという事になり、すぐ近くの「スタバ」へ。ホットドリンクを注文した長野彼女が、プラスチックの蓋を外して飲もうとしていたので(個人の自由だけど)「それは、その穴から飲むんだよ」と、“一応”言ってみると、恐るべし長野県人、かれこれ6年もの付き合いになる私の言葉を全く信用しやしない。しかも、騙されないわよビーム大放射!! まぶしいぜ、ガンコ長野県人!!

長野にもスタバはあるのだが、駐車してまで飲もうと考えた事はないらしく、まさにスタバ初体験。私が蓋効果を説明するも疑いまくってる。普段は暖かいものしか飲まない私が、たまたまアイス・ラテを頼んでしまい、運悪く周囲にホットを飲んでいる人もいない。ウソじゃないってばーーー!!

しまいには「ストローを入れる穴でしょう?」とまで言うガンコぶり。そんなちっこい穴に入るかい!! で、その後、私の説得(?)に根負けしたのか、5分近く悩んだ末、ついに穴に口をつけゴクリ。「ほんとだ」
だーから、ウソじゃねーってのよ!! でもまあ、試しただけでもガンコ改善?
今年は暖冬なので、ちょっとガンコレベル2な長野彼女でした。