ボケら人は私でした

週に2回、納豆を買うためだけに立ち寄る小さな食料店ある。
ここでは、会計をしている間に、レジにいるもう1人が袋に入れてくれるのだが、スーパーのように買い物した人の後ろに並んでしまうと、その人の買ったものを詰め終わるまで、ボケら〜っと待たされる事になる。

金額を聞いてから、財布を出そうとモタモタしてるような、ボケら人の後ろに並んだ場合は、その人の会計が済んでいないうちに次の人の商品をバーコードに通し、次の人には合計を知らせて待たせている。

それで、この人がお金を出して待っているような準備万端人なら事はスムーズに運ぶのだが、こいつまでがボケら〜っと待っているようだと、あっという間に観光地の女性トイレ並みの長蛇の列になってしまう。ちなみに女性トイレの混雑解消には、並んでいる間にベルトを外しておき、ドアを閉めた瞬間チャック全開、すぐさまパンツを下ろせる状態にしておくのが鉄則だ。

話を戻すと、ここのレジでボケら〜、と待っているボケら人がクセモノで、以前に私の前に並んでいたお年寄りのご婦人は、自分の会計が済むと、会計は済んでいないが袋には詰め終わってる私の納豆を持って行ってしまい、危うく納豆泥棒の現行犯逮捕に成功するところだった。こらババアー、あんたが色々と買ったもんが、こんな小さな袋で、しかもこんなに軽いわきゃーねーだろーが、持って分からんのかー。
全くボケら人は油断も隙もあったものではない。

で、 先日もいつも通り納豆を2パック持ってレジへ。お金をジャラジャラ出している時に、
店員「1307円です」

お、確か7円あったはず、とジャラジャラと探し、

「あったー!!!」 と私の心の中では勝利の鐘が鳴り響き、どどーんと2007円を差し出すと、レジの表示は294円だった。

・・・次の人の会計だよ。
何百回もこの店で納豆2パックを買い続け294円払ってきた私とした事がーーー!!!だいたい納豆2パックっきゃ買ってないのに、そんなに高いわけないだろうが。差し出したこの2007円をどう誤魔化すか、私。店員が余計なコトを考える隙を与えてはいけないので、強気で1002円を引っ込め釣りを受け取り立ち去った。ふふふ、この流れる動き、誰1人気付いたものはいまい。

そして、 昨日もいつも通り2パック持ってレジへ。今日はお前の罠にははまらないぜ、と握りしめた300円を出そうと一瞬下を向いたその時、

店員「そのままでよろしいでしょうか?」

おう、バッグに入れて帰るから要らないですぜ、と環境に優しい私は迷わず NO!!!という看板状態で左手を突きだし、
「はい。そのままでいいです。」

と、元気よく顔を上げ応えると、缶ジュースにテープを貼ろうとしていた店員が私を見上げてる。

・・・次の人に言ってたのか。だいたい納豆を2バックそのままバッグに入れちまった日にゃー、臭えってんだよ。突きだしたこの左手と微妙な間をどう誤魔化すか、私。

何も思い浮かばないので、とっくに納豆を詰め終わった袋を渡そうと待ちかまえている店員から、突きだした左手で袋を奪って立ち去った。

教訓、レジには常に真剣勝負で挑むべし。