コンドォーです、事件

歯科医院へ定期検診に行って来た。
待合室でボケ〜と呼ばれるのを待っていると、3才くらいの女の子を連れた、30代後半くらいの母親が入ってきた。長椅子に座らせようとすると嫌がるようで、母親は子供を抱きかかえ、待合室をウロウロ、ウロウロ、ウロウロと彷徨い出す。

母親は壁に貼ってあるポスターの内容を読んで聞かせ、時間稼ぎ作戦を開始。が、「月初めには保険証を持って来てください」「口紅は落としてください」「小さな子供はトイレに行かせておいてください」などなど、詰まらない事ばかり聞かされた子供はすぐにぐずり出す。

すると母親はシーッ!! と子供を黙らせ、唐突に作戦を変更。

「コンドォー、です。コンドォー、です」

ちなみに、ここの歯科医院の名前が 「近藤歯科医院」。
っていうか、その子には分からんだろう。静かな待合室に響き渡る、近藤正臣の口マネ(?)と、ククククッと自分が言った言葉に笑いを堪える母親の姿。

「コンドォー、です(ククククッ)、コンドォー、です(ククククッ)」

何が彼女を狂わせたのか、母親はすっかりツボにはまってしまい、どうにも笑いが止まらない様子。反応ゼロの我が子を無視し、自分で言って笑ってしまう母親の姿に、不覚にも吹き出しそうになる私。
あんたと私が笑ってどーするよ。

以来、近藤歯科医院の前を通る度に「コンドォー、です。コンドォー、です」と頭の中で繰り返すようになってしまった。人間、何が笑いのツボになるか分からない。