紀伊半島17(終) 南海電鉄「天空」

■旅の最終日9/26(土) 高野山→新大阪→東京


 
熊野本宮大社に近い湯の峰温泉から高野山へ向かった時には、JR紀伊田辺駅から路線バスを利用した。途中にある龍神温泉に立ち寄りたかったからだけど、地図ではすぐ近くなのに、公共交通機関では恐ろしくめんどくさい。早朝からバス、バスを乗り換えて、温泉で暫しのんびり〜♪ した後、1日2本のバスで山を上って上って上って、バスを乗り換えて、高野山へは夕方着と1日がかり!一般に高野山へは山の麓の駅「極楽橋駅」まで鉄道で行き、そこからはケーブルカーで5分で行ける。


大阪方面から極楽橋駅へ行くには、南海電鉄高野線。乗り換え駅の橋本駅から極楽橋駅までの19.8kmを、特別観光列車「天空」が、水曜日・木曜日を除く毎日運行している(祝日の場合は運行) 。某ツアー会社の高野山ツアーに、ほぼ組み込まれている定番の列車で、全席指定席の座席は窓に向かって横一列に並んでいる車窓への期待感。キャッチコピーは、“乗ることが旅になる”だって。素敵ー!乗りたい。乗りたい。乗りたい!


南海電鉄 高野線 こうや花鉄道「天空」
橋本駅から極楽橋駅までの19.8km、標高差443m間を運行。平日2往復、土・休日2往復。
http://www.nankaikoya.jp/tenku/index.html


個人客の予約方法は、乗車日の10日前〜前日の17時までに電話予約一択。なにソレ、めんどくさー!電話予約の受付開始は朝9時って、サラリーマンに全くお気遣いなし!指定席券は乗車当日に決められた駅で、乗車時刻の40分〜10分前までに受け取り、その時に代金を支払う。


10人〜45人はグループとなり予約方法がちがう。乗車希望日の6ヶ月前〜14日前までに「FAX」で予約する。こちらはFAXのみ!


行楽シーズンにはツアー会社の貸切が多く、それ以外の便やキャンセル席を乗車日の10日前になってやっと個人客が予約できるシステム。ざっくりと何度かチェックした限りでは、御開帳など高野山のイベント期間、大型連休でない限りは座席に余裕あり。今回はシルバーウィークの土曜日なので混雑しそう。とりあえず、希望の便は貸切ではなかった。


というワケで、待ちに待って乗車10日前の9月16日。午前9時きっかりに電話を掛ける。プルルルル〜、プルルルル〜、混雑を伝える自動音声が流れる。くっそ、やっぱりか!すぐさまリダイアル、自動音声、リダイアル、自動音声、リダイアル、自動音声、リダイアル、自動音声・・・くっそ、繋がらない!


くっそ、ちくしょう、またか、ちくしょう、席がなくなる、ちくしょう!悪態をつきながらリダイアルし続けること35分、ついに人間の声が聞こえてきた。


「お電話あり・・・」


担当者の言葉を遮って、勢いよく26日の予約をお願いする。


「天空2号で!天空2号で!天空2号で!」


「こちらは11時56分に橋本駅へ向かう列車になりますが、高野山に宿泊されるお客様でしょうか?」


うがー!いまそれを聞くか!いや、今しか聞かれる時はないんだけど、後ろで電話がジャンジャン鳴りまくっている。


次々と座席が予約されていく脳内イメージで激焦り。早く、早く!いやほんと、席を先に確保してからにして。間違いない事を大急ぎで答えて、予約状況を調べる間しばし待つ。どう? どう? 早く、早く!・・・という必死さの甲斐あってか無事予約できた。


というワケで、乗車当日。


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高野山駅からケーブルカーで極楽橋駅へ。


11:56 極楽橋駅発「天空2号」乗車券1,260円+指定席510円


 
隣のホームには特急こうや。こちらも渋くていい感じ。



人気があるのか数が少ないのか、在庫切れすぎ!


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3両編成のうち天空は2両で、後ろの1両は乗車券のみで乗れる一般の車両。私の指定席は1号車。イヤッホー!乗車しようとして思わず足が止まった。0号車と2号車しか見当たらない。先頭が0号車、その後ろは2号車。落ち着け!先頭が0号車、次が2号車。先頭が0号車、次が2号車・・・うっそ、1号車がない!


0号車、2号車、0号車、2号車、0号車、2号車・・・私の乗る1号車どこー!


1号車、1号車、1号車がない!どうしよう、どうしよう。発車時刻まであと2分。駅員に尋ねに行く寸前、2号車の乗客の会話でやっと分かった。



コレ、0じゃなくて1。0号車じゃなくて1号車!


「すみませ〜ん、0号車と2号車しかないんですけど、1号車はどこですか?」などと聞き、駅員をポカーンとさせずに済んで良かった。心底、聞かなくて良かった。ていうか、0号車はないだろ!


2号車は1組の団体ツアー客のみ20人くらい。1号車は個人客が2人だけ。ガラ空きかよ!通常の車両の乗客がホームで写真を撮ったり、車内を覗き込んでる人は多かったので、当日券を販売すればいいのに勿体ない。


 
と、思っていたら、空席があれば当日乗車もできる。販売時間はケーブルカーの発車時刻の40分〜10分前まで。私が乗車した天空2号では、当日券で乗車した人はいなかった。


ちなみに9月19日〜9月27日まで、シルバーウィーク期間中の空席状況(9月16日時点)
51号 全日満席
52号 全日残席あり
1号  全日満席
2号  20日満席、それ以外残席あり
3号  19日〜21日満席、それ以外残席あり
4号  25〜27日は残席あり
27日(日)は、全便空席あり


51号(※)、1号、3号、高野山行き
52号(※)、2号、4号、橋本行き
(※)3月〜11月の土・休日のみ運行
高野山へ向かう朝昼便と橋本へ帰る午後便は、早めに予約した方が良さそう。



予約1番乗りと思われる私の座席は、車両のちょうど真ん中の前列。


  
天空の旅心地はどうかというと至ってフツー。走行中の天空を外から撮影したものは素敵だけど、乗っちゃうとフツー。


  
車窓の景色は山、山、山、んー、何かある・・・。



と、思っているうちに橋本駅に到着。


旅の流れのちょうどいいタイミングで運行しているなら乗車推奨。わざわざこの列車の時間に合わせて、高野山の観光を調整するならお勧めしない。私はまた高野山へ行く機会があれば乗ってみたいと思う。お勧めするのかお勧めしないのか、どっちだよ!