旅行08 3日目、アンコール・ワット

■4月21日(月) 旅の3日目。
07:00 起床
07:30 朝食
09:00 出発
ホテルには常時1人〜4人のトゥクトゥク運転手がのんびり待機していて、声を掛けると誰かが行ってくれる。大まかな観光したい場所と、料金の確認をして出発。1日チャーターで15US$。


09:05
 
トゥクトゥクの給油。



ペットボトルやウイスキーの瓶に入れたガソリンを、直射日光がガンガン当たっている路上や、一般民家の軒先で販売している。パラソルが日陰になってないけど!! 気化とか劣化とか雫が垂れる漏斗とか、あちこち雑でドキドキする。



どの小売店でも同じような感じだったけど、この店のガソリンも、残っている瓶と使いきった瓶の並び方がバラバラ。なんでだ。なんで自由に使っていくんだ。古い順番から使っていこうよー。



この服の破壊力がすごい。


給油を頼まれたこのすごい服の女性は、適当に選んだ(ように見えた) 残量7割の瓶(A) を掴んだ。バイクへ給油して、残量が2割に減った(A) を棚へ戻す前に、適当に選んだ(ように見えた) 残量8割の瓶(B) を手に取り、その中身を(A) の瓶へ注ぎ足していく。新しいガソリンと古いガソリンが混ざって、滅茶苦茶なんですけど!!


そして、(A) の瓶が残量7割になる辺りまで注いで止めた。3割に減った(B) の残りのガソリンは、他の瓶には注ぎ足さない。これって、中身の少ない瓶が(A) から(B) に変わっただけ。どうしてこうなった。何がしたいんだ、この人は。カンボジア式の算数の問題か。最初から(B) で給油しておけば結果は同じなのに!! もしくは、8割あった(B) の瓶に、減って2割になった(A) を注ぎ足せば、(A) は使い切れるし、(B) も満タンになって、スッキリするんだけど。


09:10 チケット販売所
   
市内の主要なアンコール遺跡群で必要になる、アンコール・チケットを購入。7日間有効で60US$。帽子を被ったまま撮影できる。料金を支払うとすぐに「ここに立て。」と指示されて、顔を整える間もなく写真を撮影。うっそ、もう撮っちゃった? と思うくらい早い。やだもう、気の抜けた顔になっちゃった。誰も気にしないですか。そうですか。撮影も早いが発券も早かった。チョイおとぼけ顔で、チョイピンぼけ。チケットも色褪せたように薄い。


※アンコール・チケットは、1日、3日、7日有効の3種類。発券日から1ヶ月以内であれば、連続日の使用でなくても可。その日に最初に訪れた寺院遺跡で、裏側に書かれた日付の部分にパンチ穴を開けられる。いろいろと大雑把感のあるカンボジアで、チケットの日付のチェックだけは念入り。


チケット販売所の敷地出口にある、“チケット・チェックポイント”で、アンコール・ワットの入場のため初めてチケットを提示。顔と日付をしっかり確認して、パンチでパチン。パウチの余り幅があるので、日付の位置によってはパンチ穴が届かない。そんなチケットでいいのか!! そういう場合には、パウチをギュッと折り曲げて穴を開けられた。なんてアバウトなんだ、カンボジア



アンコール・ワット、キターーーーーーー!!


チケット・チェックポイントからトゥクトゥクで3分くらい。アンコール・ワットの端の方が見えてくる。中央辺りの小さな白い点々が、参道を歩く人たち。ガイドブックによれば、逆光になる午前中は、比較的空いているという。午後や夕方に何度か通りかかった時と比べれば、確かに観光客が少なかったと思う。


09:30 「アンコール・ワット」到着。
見学を終えた後の待ち合わせ場所を、トゥクトゥク運転手と確認する。通りを挟んで80mくらい離れた場所にある、トゥクトゥクの待機スペースで待っていてくれる。恐るべし、大雑把。時間とか全然決めてないけど、大丈夫なんだろうか。2時間でも? 3時間でも? 5時間でも? ホテル待機のトゥクトゥク運転手は、いつもこんな感じで待っていてくれた。



トゥクトゥクの数が多すぎて見分けられないので、取りあえず写真を撮っておく。アンコール・ワットの観光を終えてトゥクトゥクに戻ると、運転手が別人のように太っていたので驚いた。ちょっと見ないうちに顔も変わったみたい。別人なんだよ!! バイクが「赤」という以外は、まるで違うトゥクトゥクだった。誰だ、運転手!! それは向こうの台詞だよ。


辺りを見渡すと赤バイクのトゥクトゥクが20台くらい停まっていて、本物の運転手が気付いて来てくれた。赤いバイクのトゥクトゥクに乗った時には気をつけろ!! 違う、違う。



■09:30〜12:00
1) 「アンコール・ワット」Angkor Vat (見学時間目安120〜180分) ★★★★★
創建[第一次アンコール都城(900年頃)、勢力分裂から国内統一(1000年頃)、内乱・戦争で混乱(1100年頃)、◎クメール文化の頂点(1200年頃)]

    
クメール建築の最高傑作と称される『アンコール・ワット』は、12世紀前半にヴィシュヌ神を信仰した、スーリヤヴァルマン2世によって建立。アンコール=都、ワット=寺院という意味で、カンボジアの国旗にも描かれている。東西約1,500m、南北約1,300m、幅約1,900mの環濠に囲まれ、5基の祠堂は須弥山(※)を、周壁が霊峰ヒマラヤを、環濠は大海を象徴している。


(※)古代インドの世界観の中で、宇宙の中心にそびえる想像上の山。アンコール遺跡群では、他にバイヨン、プノン・バケン、バコンなど、ウチチュー山を表した寺院遺跡を観光した。



キャー!! 初めて訪れたアンコール遺跡群。興奮してきた、興奮してきた、興奮してきたー!! 一生に一度になるかも知れないので、思い残す事のないよう、細々ともれなく全力でいちいち観光したい。まずはアンコール・ワットから頑張ろう。・・・と、思っていたけど、参道を歩いて2秒で諦めた。無理、無理、全然無理。


西参道入口から建物まで続く約600mもの長さがある参道が、全身が煮えそうなくらい暑い。あまりの暑さに意識が遠のきかけた。熱した鉄板の上を歩いているかのよう。歩いたことないけど!! 間違いなく背中が火事になっている。カチカチ山の狸か、私は。


長い参道は中央祠堂に向かって高くなっていて、3重の回廊に囲まれた5基の中央祠堂が見えてくる。歩いても歩いても、建物に近づかない気がする。ホントかよ!! 歩いても歩いても建物の大きさが変わらないので、だまし絵じゃないのかと疑う。


この辺りで地獄の扉が開いたに違いない。サングラスをしていても、全方向からの強烈な日差しに目が眩む。脳みそが沸騰してピーピーケトルが鳴り出しそう。自分史上、経験した事のない高気温に頭の中が真っ白になる。今すぐ、かき氷に生き埋めになりたい。



参道の脇ではこんな商売も。



 
石段が狭いので、みんな斜めに。



     



       



      
南北180m、東西200m、周囲約800mの第1回廊のレリーフ。四面とも浅浮彫りが施されていて、インドの古代叙事詩マハーバーラタ』、『ラーヤーマナ』ほか、ヒンドゥー教天地創造神話『乳海撹拌(※)』、冥界の王ヤマ神(閻魔大王) に裁きを受けている『天国と地獄』などの物語が刻まれている。


(※)ヒンドゥー教天地創造神話。神々と魔神アスラ(阿修羅) が、大海から不死の飲料アムリタを取り出そうと、大マンダラ山に大蛇(ヴァースチ) を巻きつけて、その胴体を綱として引っ張り合う。ヴィシュヌ神は、大亀クールマに化身してマンダラ山を背に乗せ、撹拌の支点となってそれを助けた。かき回して乳海となった海から、アムリタが得られたという。撹拌は1000年も続いたそうだ。ホントかよ!! 1000年も撹拌するほど元気なら、不老不死の薬は必要なかろう。←乳海からは他にも色々と出てます。


     



■第三回廊
     
第三回廊に入るための急勾配の階段。上りは壁か、下りは崖か、というくらい怖かった。 両手で手摺をしっかり握って、一段ずつ確かめるように降りる。後で思い返せば、踏み板と手摺が安定していたので、他の寺院遺跡よりも上り降りしやすい。



 
第三回廊には、1回あたりの見学者数の入場制限あり。階段下にチェックする係員がいて、ここで帽子を脱ぐよう指示される。妊婦、12才以下、肩や膝が見える服の人は入れない。肩はショールを羽織ったり、膝は膝頭の半分が隠れていれば通されていた。




数年前までは現在のような階段がなかったそうだ。写真的には面白いけど、コワーーーーーーーーーーッ!!



      




脳天カチ割り注意のピクトさん



     



柱にびっしり細かく彫られた彫刻を見ては、水を飲む。壁にびっしり細かく彫られた彫刻を見ては、水を飲む。床にびっしり細かく彫られた彫刻を見ては、水を飲む、水を飲む、水を飲む。目に入った美しいデヴァター(女神) が能みそに保存される前に、水、水、水。すべて「水」で上書き。世界遺産が目の前にあるというのに、考える事といえば水の事ばかり。


水を飲んでも、水を飲んでも、水を飲んでも喉が乾いて仕方ない。腹の底が抜けるほど水を飲みたい。トンカツになって揚げられた気がする。外はサクサク、余熱で芯まで火が通ってきた。人間が生きていける気温を超えてる。何でこの国に来ようと思ったんだろう。いま言うか!!


持参した水の残りが気になって、おちおち観光してもいられず土産物屋へ直行。ミネラルウォーターは、どこで買っても500mlが2本で1US$。カンボジアに滞在中は、500ml×2本を持ってホテルを出て、昼食で1.5Lのボトルを注文。飲んだ余りを空のペットボトルに移し替えて、それでも足りない時には、午後の観光中に500ml×2本を買っていた。身体中の水が入れ替わったと思うくらい、水ばかり飲んでいた。これだけ飲んでも日中のトイレは1回くらい。



  
オレンジ縞パンの人と同じペースで見学していたらしい。あちこち写っていたので3連発で。だからどうした。



        
アンコール・ワット敷地内の土産物屋。


アンコール遺跡群では、土産物店が4パターンくらいしかないという感じ。日本で、マックとスタバとユニクロJiNSメガネの店が、繰り返し並んでいるというイメージ。



アンコール・ワットの有料トイレ。
30m手前から恐ろしくウンコくさい。恐ろしくフレッシュなウンコくさい。この道の奥にトイレがあるのは間違いないと確信。満タンのバキュームカーが爆発して、ウンコが飛び散ってきたんじゃないかという感じ。お尻洗いの水でビチャビチャになっていて、1足しかない私の靴が、到底無事では済まないと思われるので使用せず。トイレは有料のここ1箇所しかないけど、周辺の寺院遺跡のトイレは無料なので、他を利用した方が良さそう。


12:00 1箇所目の観光にして既に体力の消耗が激しい。時間を気にせず、ざっくり観て回って2時間半。もはや参道からバテバテで、第3回廊の階段で力尽きた。屋内もガッカリするくらい暑い。参道を素早く通り過ぎて、見たい場所を絞りに絞りこんで、滞在中に再挑戦。