胃薬

月に1度くらい行く近所の調剤薬局。この薬局の薬剤師たちが、大手チェーン店にはまずいないタイプで面白い。笑顔で丁寧に説明してくれる人は、頭上を旋回する蠅たちの幻が目に浮かぶようなギョッとする風貌だったり、見た目は問題ないんだけど、合計金額を言わずにレジスターの表示を見ろとばかりに顎を向ける態度でかっ!! の人だったり、何も質問してくれるなというオーラを出す体温低そうな美人だったりと、なかなかの曲者揃い。


慣れるとこれはこれで興味が湧くというもので、薬を受け取るのはどこの調剤薬局でも構わないのに、ついついここに足が向いてしまう。人感センサーの如く「いらっしゃいませ」を繰り返す、某新古書店へのアンチテーゼみたいな、そういう方向性の店だと思っていた。ところが最近、新しく雇われたのか愛想のいい清潔青年(イケメンではない) が親身に対応をしていて驚いた。そういう方向性じゃなかったのに!!


こんな人を雇っちゃダメだよ〜、ここのカラーと違うよ〜、客なんか来なくても構わないって感じがいいんだよ〜、と思いつつ、それなら私も!! とばかりに、砂糖に群がる蟻のように、その愛想のいい清潔青年のカウンターに並んだところ、誰も接客していない無愛想薬剤師に「こちらへ」と室温が下がる低音で呼ばれてしまいガックリきた。
この薬局ではいつも会計時にサンプルをくれるが、客によって薬剤師の渡すものが違う。


20代〜40代の女性には、化粧品かヘアケア(クレンジング、シャンプー、トリートメント)
20代〜30代の子ども連れ女性には、肝油ドロップ、粉ミルク、ハンドクリーム。
50代以上の女性には、ビタミン剤、青汁、整腸薬、ハンドクリーム。
20代〜30代の男性には、ほぼ100%カットバン。
40代以上の男性には胃腸薬、青汁、歯ブラシ、歯磨き粉。


観察しているとこのような傾向。ヒマか? 恐ろしくヒマ人か、私は。そんな状況において、42歳の女性である私に手渡されるサンプルはいつも、カットバン、青汁、胃薬というオヤジ対策品。なんでだ!! 今年の夏には、何故か「男性用の汗ふきシート」をくれた。いや、確かに汗をかいてたけど!!





抜け毛の秋で生え際に男性ホルモンが多そうな私へのサンプルは、化粧品よりオヤジ対策系って事なのか。会計の度に、ビミョーな気分になるんですが。化粧品サンプルは全然欲しくないけど、なんか違う!!


で、先日。私とプラスマイナス2歳差くらいの女性の会計をぼんやり見ていると「コラーゲンの粉末サンプル」を貰っていた。今日のサンプルはコラーゲンか!! 私も欲しい。ソレ、私も欲しいよ。隣のカウンターで便秘薬の相談をしていたおじいちゃんには青汁のサンプル。前にもらったけどその青汁は不味いんだ。青汁は要らないから、コラーゲンだよ、コラーゲン。私の順番になったので、もう見て見て、私の肌パッサパサなんですよ〜とばかりに薬剤師の目をバッチリ見てお金を支払うと、めんどうくさそうに「良かったらどうぞ」とサンプルをくれた。コラーゲンかなー・・・



   


胃薬ですか。そうですか。前回と前々回の分


バリウム検査でも胃は問題ないんだよ!! なんだろう。そんなに胃が悪そうな顔をしてるんだろうか。ていうか、もしや口が臭いのか。胃薬サンプルを渡したくなる私って、顔色か、口臭か。1週間くらい前に受けた歯科の定期検診でも、「歯も歯茎も特に問題ないです」と何も言われなかったのに。つーか、歯じゃなくて胃か!! 胃からの口臭か!! 口臭は自分じゃ分かんないけど、取りあえず、胃は丈夫なんで今度はコラーゲンください。