狙撃、もしくは運動不足

知人の知人男性(つまり知らない人) が香港に旅行中、ふくらはぎに激痛が走り「狙撃された」と思ったそうだ。お前はどこの要人だよ。普通に街を歩いていて肉離れしたらしい。アホですか!!


ところ変わって東京。昨日、ランラランラル〜ン♪ と、頭の中がお花畑の完全リラックスで、普通に街を歩いていた時、カックーン!! と右膝にだるま落としをされたかの如く激痛が。狙撃された!! もう、間違いなく!!


なんか分かんないが唐突に膝が痛い。なんで!! ここを読んでいる人が分かるワケがないんだが、段差を踏み外したりとか、前々から痛みがあったというわけでもなく、平らな道を歩いていただけ。スイッチが切れたように立ちつくし、通行の邪魔になるが激痛で動けない。漫画的なイメージだと、黒い背景に稲妻がカクカク落ちてきて、ちゅどーん!! という痛さ。分かるか!!


動かない右足を引きずって歩道の端へ寄り、とにかく膝の回りをさすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって・・・しつこいですか、そうですか。


膝から蛇が出そうな勢いで、一心不乱に膝をさする四十路の女。怖すぎて行き交う誰も目を合わさない。足を動かそうとすると痛みに脳内まっ白けとなり、とりあえず返却期限を過ぎた本だけは返しておきたいので、図書館へ向かう。しかし、右足をまっすぐ前に出すと痛いので、アンダースローみたいな感じで右足をぶん回しては前へ出し、手摺を掴んで一歩ずつ進んで行く感じ。“一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である”ってやつ。ガンバレ、私。手摺を頼りに我が身を励まし、一歩歩く毎に脳内スパークしながら何とか図書館へ辿り着くと、シャッターが閉まっていた。休館日かよ!!


返却ボックスに本を入れられるので休館でも構わないが、建物の中に入れないとエレベーターが使えない。エスカレーターがある所まで戻る事を考えただけで気が遠くなるので、迷いに迷って階段を降りる事に。その前に、膝の回りをさすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって、さすって・・・しつこいですか、そうですか。休館の図書館の入口で、一心不乱に膝をさする四十路の女。怖すぎる!!


階段よりは坂道の方が楽かと思ったが、着地の衝撃よりも「膝の動き」で痛みが生じるようで、どちらもあまり変わらない。膝痛も奥が深い。帰宅後にネットで「膝痛」を調べてみると、40歳代から発症が目立つようになるという「変形性膝関節症」の症状が結構当てはまってる。


「歩き始めるときに膝が痛む」「階段の上り下りの時に痛む」「正座がしづらい(どころか足を曲げられない)」「膝の内側を押すと痛みがある」など。しかし、「最初はかすかな痛みだったものが、だんだんと痛みはじめる」という初期症状はなく、激しい痛みが突然きたので違うような。夜になっても足を曲げられず、うちはお風呂の椅子以外の椅子がない座卓生活のため、床に座る時には片足をまっすぐ伸ばしたままで、コサックダンスのような体勢に。床に座ってしまうと立ち上がる時に大変なんだが、お風呂の椅子を部屋に持ち込んで座っても、痛みで膝を曲げられず、結局お風呂椅子でもコサックで疲れる。


温めるのがいいのか冷やした方がいいのか分からないので、湯船でモーレツにマッサージしてみたが変化無し。冷湿布を貼って寝てみたものの、若干痛みがやわらいだかなという程度。トイレに入って便座に座ろうとした瞬間の膝の激痛に、脚気の検査の如く右足が跳ね上がり、思わず便座でもコサック。なにやってんだ、私。もう、和式便所だったらと考えただけで恐ろしい。


というワケで、今日は朝イチで整形外科へ。整形外科で検索して駅から1番近いところにしたが、なんとなく名前に見覚えがあるような・・・。とはいえ、この辺りは毎日のように通っている場所なので、看板を見ていてもおかしくないけど。いくら方向音痴の私でも、駅前なので行けば見つかると思いテキトーに探して歩いていると、病院があったのは、昨日、私の膝が痛くなった場所。目と鼻の先どころか、目の真ん前!! ここか、この病院の策略か!!


平らに見える歩道に細工がしてあるんじゃないのかと疑いつつ(ウソです) 受付を済ませ待合室へ。整形外科は初めてで、患者はお年寄りばかりかと思っていたけど、30代から40代くらいの男女が10人くらい。で、診察。


先生「どういう時に痛くなったんですか?」

普通に歩いていて、ここの目の前に来た途端、激痛で歩けなくなりました・・・言えるか!!


エコーとレントゲンの結果、やはり「変形性膝関節症」ではなく、膝に水がたまって腫れているが差し当たって心配ないとのこと。膝に水がたまってるなんておばちゃんくさー!! などと考えてる間に診察が終わり。原因は特に分からないみたい。老化現象ってことらしい。併設しているリハビリルームへ向かうと、じーちゃん、ばーちゃん、じーちゃん、ばーちゃん、じーちゃん、ばーちゃん、じーちゃん、ばーちゃん、見渡す限りお年寄りだらけ。ここにいたか。渡された説明書によれば、週に1度経過観察の診察を受け、リハビリルームで治療やトレーニングの指導を受ける。私も1週間後まで診察はなく、リハビリに通う。


リハビリルームには、スポーツジムのような器具がズラリと並んでいて、おばあちゃんが腕の筋肉を鍛えていたり、おばちゃんが加圧トレーニングをしていたり、おじいちゃんがテレビを観ていたりしてる。もう、杖を支えにかぶりつきで。私はといえば、えらく尻心地のいい1人掛けソファで、伸ばした右膝にヘルメットみたいなものをかぶせ、じんわり温かい低周波治療を10分間。隣では、ベンチプレスに似た椅子に座ったおばちゃんが、急上昇中のジェットコースターみたいな体勢になっていた。んー、どこを治療しているのか分かりません。


1度の治療では痛みはほとんど変わらず、なんどか膝をさすりながら騙し騙しで帰宅。マンションの2階に住んで10年ちょっと。これほどエレベーターがあって良かったと思った事はなかった。ありがとう、エレベーター!!