オニババ化まっしぐら

「生きない」での脚本家デビューに続く、ダンカン初監督作品『七人の弔(とむらい)』フリガナ付きの予告CMを見るまで、弔いを“ともらい”だと思っていた、36才と5ヶ月のテツです。あいたたた。

唐突に、先日読んで相〜〜〜〜〜〜当、驚いた本を紹介。

『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す』
三砂ちづる著 光文社 (ISBN:4-334-03266-4)

図書館で物色していたときにこの題名が目玉に飛び込み、こりゃ読まなきゃいかんだろうと借りて読んでみた。これがもう、1ページ目から暴走する、著者の恐ろしい決めつけに目が離せないよ。

持って生まれた女性性を無視し晩婚・未出産のままでは、身体に変調をきたすというのは理解出来ないでもないけれど、女性は38才を過ぎたら、とにかくセックスしないと、ツライ人生を送るハメになると同情し、出産もせずに年を取るような、無駄に月経を垂れ流してエネルギーの発散場がない女は“オニババ化”しますよ、という結論へ飛んでしまうのだ。

どうやら、オニババ化まっしぐらの私が勢いよく反応すると“負け犬の逆ギレ”でお気の毒に、ってな事になりそうだけど、少子化やしつけについて表面的な問題だけを挙げ、誰とでもいいから早く結婚した方がいい、「誰とでもいいからやりたい」時期の男性に相手をあてがって、2人仲良くしてもらうのが身体にとって1番いい、結婚しなくても若いうちに子供を産んだ方がいい、子供が小さいうちは短時間、成人してからはフルタイムで働けばいい、などと盛りだくさんに言いたい放題。アンタ、親戚のオバちゃんですら、そこまで無責任な事言わないよ。

いったいどこの山に籠もってたバアさんが書いたのかと思えば、1958年生まれと若い!? 海外で約15年、研究や国際協力活動に携わってきたらしいが、およそ研究者らしからぬ推測ばかりを繰り返し、ブラジルでの家族の在り方や、鹿の実験、ポリネシアの島の娘たち、盛りのついた犬を日本女性に置き換えて結論づける意味のなさ。

キョーレツなのは、『昔話に出てくるオニババや山姥が、道に迷った小僧を襲うのは、更年期を迎えた女性が社会の中で、新しい役割を与えられず山に籠もるしかなくなり、ときおりエネルギーの行き場をもとめて若い男を襲う、という話だったととらえている』とまで言い切る大暴走。

いやもう、これほど偏った考えを堂々と言ってしまう著者に驚くばかり。2004年9月発刊なので、とっくに話題になっていたかも知れないけど、読了後のこっちのエネルギーの発散場が必要なため、ここで紹介しといた。ふぅ、2ccくらい気が済んだ。