貸本屋

滅多に本を購入しない私は、読みたい小説の類は図書館へ、コミックは貸本屋を利用している。
立川で20年前から見た目が変わらない、年齢不詳な夫婦が経営している、およそ8畳ほどの貸本屋、仮名「万年堂」では、主に小説のハードカバーとハーレクインロマンス、コミックのレンタルをしている。

料金は、ハードカバーで1週間350円くらい。コミックは1冊1泊65円から100円で延長が30円程度、日曜日は定休日のため、土曜日に借りる場合、2泊でも同料金とちょっとお得。漫画喫茶の方がよっぽど安いとは思うけど、家でゴロゴロ転がりながら読みたい私としては、図書館の予約待ち人数が多い小説本を借りたり、コミックを土曜日にまとめ借りしている。

いやー、便利便利・・・が、しかーし!! この店の何が気になるかってもう、ここの陳列の法則が分からない。一応、少年、少女、青年、ドラマ化したコミック、小説で分かれてはいるものの、ホントにそれだけ。作家別でもなく、あいうえお順でもなく、ジャンル別でもなく、出版社別でもない。連載中の本だろうが、完結している本だろうが、ごちゃ混ぜなのだ。例えば20巻の作品の場合、1巻から順に並んではおらず、左から1巻、4・5巻、2・3巻、8〜15巻、そして隙間なく別の作家が並んでいるという状態。だー、6巻7巻と16巻以降はどこに!?

他の店なら貸し出し中か、置いていないものだと諦める所も、この万年堂の場合、上下の棚はもとより、全然違うコミックと棚との数センチの隙間、はたまた隣の、しかも1段下の棚まで見なくてはいけない。なんでこんな所に入れるか、オヤジ!? 見ないよ!! 気付かないよ!! ちゃんと固めて並べてくれよー!!

読みたい本が見つけられずにオヤジに聞くと、すぐに教えてくれる辺り、オヤジなりの法則があるに違いないのだけど、客のこっちにはもう、どこかにあるハズの本もなかなか見つけられない。本は全てカバーをかけられ、店内も清潔でオヤジの接客もとっても丁寧、なのに、なのに、何故に本がバラバラなのー!?

几帳面じゃない私でさえ、自分の本棚では作家あいうえお順に、文春文庫の真っ青な背表紙、扶桑社ミステリーの赤い背表紙、新潮文庫の黒い背表紙をキッチリ分けているというのに、万年堂のこの無秩序さはいったい!? てかもう、グチャグチャに並んでる棚を見る度に、1巻から並べ直したくて仕方ないよ、私は。せめて、あいうえお順とか作家別とか、何か1つでも決めて“客が探しやすい棚”にしようよ、オジさーん。

おかげで、読んだ本なのに気付かず、再び借りて後悔することしきり。もー、分かんないんだよ、万年堂〜。いや、それは借りる前に気づけって。